September.17,2004 セクハラじゃないもんね

        考えてみると、25年くらい連続して猫を飼っていた時代があった。一匹死んだり、いなくなったりすると、どこからともなく私の家に捨て猫が迷い込んでくる。こうして3匹の猫を、ほとんど切れ目なく飼っていたことになる。もう猫を飼うのはこりごりだと思う一方、猫のいない生活というのも一抹の寂しさがあるものだ。

        不思議なもので、長年毎日猫に触り慣れていると、今でも無性に猫に触りたいという気持ちがある。ところが、外にいる猫というのは、なかなか触らせてくれなかったりする。こっちの方では「触らせろ」 一方猫の方では「何よ、気安く触らないでよ」ということになる。飼い猫なら少々乱暴に扱っても、猫の方でも許してくれるのだが、他人様の猫ではこうもいかない。「いいじゃない、減るもんじゃなし、触らせろよ」 「いやよ」。これではセクハラか痴漢である。

        外で遇う猫は、人間との接触に三種類の態度を示す。触ろうとして寄っていくと、「キッ」と睨みつけて逃げて行ってしまうやつ。「何だ?」とこっちを見て、危害を加える気はなさそうだと判断すると触らせてくれるやつ。そして、中には完全に敵意を持って威嚇してくるやつがいる。箱根の茶店で遭遇したのが、この威嚇猫だった。こういう猫は珍しいがよっぽど機嫌が悪かったのだろう。



        上の写真は、先日墓参りに行ったとき、霊園の前の石材屋の前にいたやつ。例によって、「君は触らせてくれる猫なのかな? それとも触らせてくれない猫なのかな?」と言いながら近づいていったら、簡単に触らせてくれた。ナデナデしてあげるとコロンとひっくり返って腹を出した。肉球まで触らせてくれた。きれいな黒猫だったがホコリだらけ(笑)。


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