February.28,2006 ありがとうございます

        本日、明治座千秋楽。今月は五木ひろし座長公演『歌・舞・奏スペシャル』でした。五木ひろし様、眞野ゆりあ様、山田貫太郎様、都築宏一郎様他の皆様から出前のご注文をいただき、楽屋まで配達させていただきました。ありがとうございます。


February.25,2006 鉛筆

        最初に親から与えられる筆記具はクレヨンだろう。クレヨンと画用紙(というよりチラシの裏)で自由に絵を描くという幼児体験から人は筆記具と出会う。小学校に上がると同時に今度は鉛筆というものを与えられ、字を書くということを学んでいく。私が小学生時代に、何回か親戚の叔父からシャープペンを貰ったことがあるのだが、筆圧の強い私は、いつもすぐにシャープペンを壊してしまった。当時、シャープペンは高価な商品だったので、なかなか買えなかった。鉛筆はすぐに先が丸まってしまって、削らなければならないから、いつまでも細い線の書けるシャープペンは私の憧れでもあった。太い文字はあとで読みにくくなるから硬い鉛筆が好きだった。学校側はHBとかB、あるいは2Bなどを推奨したが、私はF、あるいはH、2Hなんていうものを使っていた。

        中学生になってからは、もっぱらボールペンになった。鉛筆は毎朝登校前に何本も削っておかなければならず、それが面倒になったのである。ボールペーンならば削るという必要がない。もっぱらBIGのボールペンが愛用の時代である。

        それが高校生になったあたりから、シャープペンが安価で出回るようになった。しかも丈夫で、少々筆圧を強くしても壊れない。いつの間にか、私はシャープペンの愛用者になっていった。

        次におとずれたのが、水性ボールペンの時代。水性ボールペンはなにより、書き心地が滑らかなのがよかった。スラスラとキレイに書ける。ただ、難点は月日と共に文字が薄れてきてしまうこと。それでその次に使い始めたのが極細のサインペン。あんまり細かな文字は無理としても、これは書いていて気持ちがよかった。

        パソコンを使うようになって、筆記具で文字を書くことは格段に減った。それでも私の机の上にある筆立には無数の筆記具が刺さっている。用途に応じ、鉛筆、シャープペン、ボールペン(水性、油性)、万年筆、サインペン。さらにはそれぞれにいろいろな色、太さなど大きな筆立二つに差し込まれ、自分の今欲しい筆記具を探すのに苦労するほどだ。

        鉛筆は今でも毎日使う。お客様の注文を伝票に書き込むのはもっぱら鉛筆だ。シャープペンを使っていたこともあるが、芯の先が折れやすく、それが飛んで食品などに飛び込む恐れがあるので鉛筆にしているのだ。それも、芯の先をあまり尖らせないように注意している。鉛筆を買うことは無い。毎年出入りの業者がお年賀で鉛筆を1ダースくれるので、それを使っている。一年で1ダースの鉛筆はそれでも使いきれない。事務用品の棚には貰ったままの鉛筆が溜まっていく一方だ。

        そんなに鉛筆が溜まっていっているというのに、私は鉛筆をかなり短くなるまで使っている。短いと書きにくいのはわかっているのだが、なかなか捨てられない。長年、なんでだろうと思っていたのだが、先日ついに気がついた。ようするに、鉛筆というやつは、上から下までみっしりと芯が入っているからいけないのだ。下の方の芯は結局使われることが無い。だというのにきっちりと下まで入っている。これは無駄なのではないか。ですからね、私は鉛筆を作っている会社に是非とも言いたいのだ。あんな下まで芯を入れないで欲しい。下の方は木だけにしてください。そうすれば、途中で芯が無くなったときに、「ああ、ここまでなんだな」という気持ちになって、鉛筆を心残りなく捨てられるというものじゃないですか。


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