十国峠 2015年1月14日 夜中に一度目が覚めてベランダの露天風呂に入った以外はグッスリと眠った。シモンズのベッドは寝心地がいい。 6時に目覚ましを仕掛けておいて起きる。この時期は6時ではまだ暗い。日の出は6時50分くらいらしい。陽が昇ってくるところを、部屋のオーシャンビューのベランダから写真に撮ろうと、徐々に薄明るくなってくるのを感じながら、時間が経つのを待つ。 海に見える初島の灯台の光。あの初島の灯台にも、去年の2月に行った時、上まで登ったっけ。日が昇って来るに従って、その初島も姿を現す。漁船が猛スピードで走って行くのが見える。下をのぞき込めば、真下がもう海。透明度の高いきれいな冬の海が見える。やはり、ここ[風の薫]に泊まってよかったと思う。 あたりがかなり明るくなって、時間からいって日の出はそろそろだなとカメラを構えたが、どうやら水平線は曇っているようで日の出は写せず。しょうがないか。でも上空を見上げれば青い空が見える。今日もいい天気になりそうだ。 朝食前に貸切り風呂へ行って朝湯。まだ完全には明けきらない外から光が射しこんで来て、寝湯に浸かっていると、このまま、また眠ってしまいそうになる。雨でも降っていれば諦めて、11時のチェックアウトタイムまでのんびりするのだが、どうやら今日も天気は良さそうだし、そんなに寒くなさそう。今日は熱海まで電車で行って、そこから路線バスで十国峠まで行き、さらにそのあたりをハイキングしようという計画。しばらく朝湯を楽しんでから上がる。 朝食は7時半からだというので、7時半に最上階の食事処へ行く。覚悟はしていたが朝から沢山のご馳走が並ぶ。まずは飲み放題だというドリンクでパイナップルジュースを貰い、喉に入れる。干物は好きなものを注文してから焼いてくれ、焼き立てが出てくる。それに朝から鯛チリの鍋。ご飯は、白米、温玉粥、酒盗茶漬けから選べる。酒盗茶漬けが気になったが、やははり朝から位に優しそうな温玉粥にする。温かいお粥に温泉玉子が乗って、う〜ん、これはうれしいなぁ。玉子かけご飯よりもおいしいかもしれない。 ほかにも烏賊刺し、金時豆、梅くらげ、里芋そぼろあん、わさび漬け、茶碗蒸し、めかぶ、たらこおろし、金山寺味噌、つぶ貝、ハムサラダ、デザートなど。食べきれないよぅ。朝食のおかずは塩分の強いものが多いから、あとで喉が渇く恐れがあるので、なるべくそういったものよりも、塩分の少ないものを選んで食べた。それでも干物にしろ、たらこにしろ、ここのは塩分控えめ。若い時なら完食できたのにねぇ。コーヒーを貰って、ごちそうさまでした。 9時チェックアウト。今回の宿泊プランでは、サービスがいろいろ付いた上に、露天風呂付きの部屋としては破格に安い設定だった。しかもさらに5月末日までの有効期限ながら、次回の割引券まで貰ってしまった。う〜ん、またもう一度くらい、今度はのんびりと過ごしに来てみようかなぁ。 タクシーを呼んでもらい伊東駅へ。9時39分発の普通列車に乗る。 熱海着、10時11分。駅前に出て左側のバスターミナルへ。たくさんバスが並んでいて、元箱根行きのバスがどれだか迷ってしまう。運転手さんが三人ほどたむろしていたので、どれだか訊いて2番乗場へ。 10時18分のバスは熱海の海岸に抜け、そこから来宮神社、梅園を通って、山を登り、グングンと高度を上げていく。熱海の街がみるみる遠くなっていく。道路脇には梅の大木が並んだ個所もあり、あとひと月もしたら、ここは見事な梅並木になりそうだ。熱海峠を越えると、やがて前方に富士山が見えてきた。今回の旅では行きの電車の中でも富士山は見えたし、汐吹公園、それに宿からも富士山は見えた。しかしこれだけ近くから見ると、また感激も違う。 10時56分、十国峠登り口到着。駐車場からも富士山が見えた。午後から天気が曇りだすという予報を聞いていたので、午前中に十国峠までたどり着けてよかった。15分置きに出ているケーブルカーに乗って十国峠展望台へ。いや〜、来てよかった。雄大な富士山がはっきりと拝めた。去年は9月に伊豆長岡に行ったものの富士山は見えず、12月に箱根に行った時も運に見放され、がっかりしていたのだ。今度こそしっかりと富士山が見られた。なんで富士山ってこんなに感動するんだろうねぇ。 展望台を後にして、十国峠ケーブルカーのホームページに出ていた、十国峠ハイキングコースを歩いてみることにする。最初は見晴らしのいい道で、振り向くと、あとにしてきたレストハウスと富士山が見える。これは爽快なスタート。360度見晴らしのいい気持ちのいい空間だ。ところがこの先の分岐で迷ってしまった。右か左か迷い、左の方の道を辿ってしまったのだが、あとから考えるとこれは右でも左でもなく、目の前のアスレチックコースのある公園を突っ切るが正解だったのだ。気が付けば地図とは逆回りのコースを選択していて日金山東光寺に出てしまった。ここにはたくさんの石仏があり、Utamさんは興奮しそう。 ハイキングコースはコースタイム3時間だそうで、うかうかしていると帰りの最終バスに乗り遅れる恐れがあるので、早々に出発。道はどんどん下って行くが、この道は石仏の道といって石仏がところどころに置かれている。時間があればゆっくり見ていたいのだが、そうもいきそうにない。 どんどん下って行くと右側に、あずま屋のようなものが見えてきた。真っ直ぐ行くと熱海の方まで下って行くコースだが、ここから右に折れる。この先の道というのが、標識がいまひとつはっきりしなくて気が付いたら道に迷ってしまった。それでもなんとか地図と標識を頼りにハイキングコースへ戻る。アスレチックコース沿いの舗装路を抜けていく。これが案外キツくてめげそうになってしまった。しかしこのままではギリギリかも知れない。熱海へ戻る路線バスは本数が少ない上、最終が15時台に一本あるだけ。休みたくなる身体に鞭打って必死に登る。 どうやら15時には展望台駅に着けそうだと思えたときには、もうすっかり疲れ果てていた。なにせ軟弱ハイカーですから。我ながら情けないねぇ。15時50分過ぎに展望台駅到着。熱海行の最終バスは15時30分。15時05分か15時20分のケーブルカーに乗れば間に合う。20分のだとギリギリだから5分に乗れて助かった。 登り口駅まで降りて、幸い、最終バスが来るまでレストハウスで一休み。疲れがドッと出たのでソフトクリームを買って食べる。血糖値が上がったのか急に元気になった。外の売店のオジサンと話したら、15時半の最終バスを逃したらタクシーを呼ぶしかないそうで、中には熱海まで歩いて降りる人もいるのだとか。熱海まで歩いたら、この時期だから日が暮れてしまうだろうなぁ。 15時30分のバスで熱海へ。熱海の市内近くは狭くて急な坂道が続く。女性ドライバーが見事にこの坂を抜けていく。慣れているとはいえ、たいしたものだ。 熱海からこのまま新幹線で東京へ帰ってもいいのだが、伊豆箱根方面に来た時には必ず寄ると決めている小田原駅のビルにある[魚國]を目指すことにする。普通列車で20分ほどで小田原。 駅ビル内の[魚國]は、夜以外は定食が中心だが、ここの、今日のおすすめを参考にしてツマミを取り、お疲れ様のお酒をいただくことにしている。今日は鮎の有馬煮、ネギマの串揚げ、マトウダイの刺身にした。夕方になって冷えてきたから燗の付いたお銚子。鮎の有馬煮が骨まで食べられておいしい。 今回もよく歩いたねぇ。今回はオフシーズンで、十国峠からの最終バスが早かったけれど、今度はオンシーズンで時間の余裕をみて、同じコースをのんびりと歩いてみたいな。 1月16日記 |