November.27,1999 ありがとうございました

        本日、明治座、千秋楽。今月は、高橋英樹座長公演『天翔ける虹』(南原幹雄『長州を破った男』より)でした。高橋英樹様、江原真二郎様、大山克巳様、青山良彦様、岩崎良美様、生稲晃子様、雪代敬子様、川辺久造様、菅生隆之様、日下由美様、西川美也子様、植松鉄夫様、倉田健様ほかから、注文をいただき、楽屋まで蕎麦をお届けいたしました。まことにありがとうございました。


Novemver.25,1999 ラーメンには白胡椒? 黒胡椒?

        私もラーメンは嫌いじゃない。いや、むしろ好きだと言ってもいいかもしれない。一時期など、店ではラーメンを売ってないのに、かん水を買ってきて自分で中華麺を打ち、鶏がらでスープを採り、チャーシューまで作って、食べたりしていたこともある。かといって、雑誌によく紹介されている店を捜して行ったりはしないし、行列に並んでまで食べたいとは思わない。味に関しても、それほどうるさくない方で、おそろしく不味くなければ何だっていい。味噌でも塩でもとん骨でもいい。でも一番好きなのは、細麺しょうゆ味さっぱり系かな。

        最近になって、気が付いたのだが、ラーメン屋のテーブルに白胡椒ではなく、黒胡椒を置いてある店がある。店によっては、白も黒も両方置いてある所まである。はたして、ラーメンには、白黒どっちの胡椒があうのだろうか? それが、頭から離れなくなってしまった。「またそんな、どうでもいいような、くだらない事を」という声が聞こえてきそうだし、確かに、どっちでも人の好き好きではあるのだが・・・・・・。

        以前は白胡椒しか置いてなかったから、ラーメンには白だと思い込んでいた。しかし黒、これはこれで旨いのだ。ピリッとくる旨さは白より上。しかし、白の全面主張の辛さも捨てがたい。

        今月始め、当欄で『飼い猫の頭・・・・・・』に登場したラーメン屋は、ちょっと面白い。壁にいろいろと張り紙がある。「当店のナルトは厳選したものを使っています。食べずに残す前に、一度食べてみてください。」とか、「髪の長い女性の方、ゴムバンドお貸しします。」とか、ラーメンが出てくる前に読んでいると面白い。この店も黒胡椒が置いてある。何かこの店主には、黒にしている理由がありそうではないか。そこで、先日このことを聞いてみた。

        「うちも下ごしらえの時は白だよ。でもさ、黒の方が香りがいいじゃない。黒って、白より三倍くらいの値段がしちゃうけどさ、お客さんには、ちょっぴりだけど贅沢してもらおうと思ってね。」 私ますます、この店のファンになりました。


November.21,1999 明治座での時代劇経験が生きた小宮さんの『次郎長漫遊記』

        今年5月の明治座は、堺正章座長公演で『仇討でござる』を上演したが、これが面白かった。マチャアキも、舞台公演に馴れてきたのか、観客との掛け合いも、うまくなってアドリブがポンポンと飛び出す。そして、今年は脇をかためる役者の層が凄かった。もう出てくるだけで舞台に華が出る植木等。コメディエンヌとして受けの演技ができる真屋順子。綺麗どころ麻丘めぐみ、渡辺めぐみ。ベテラン江原真二郎、青山良彦。そこへ、漫才のリズムを持ったセントルイスの星セントの演技が加わる。しかし、それより面白くなったのは、今まで明治座に出ることなんて考えられなかった、小宮孝泰や阿藤海といった大劇場演劇とは違った演技を持ったパワーを入れたからだろう。制作の眼目(さっかと読む)さんの説明では、「今回テレビ的キャスティングにしてみました」との事だが、どうして考えられたキャスティングだ。

        私は三日目に見に行った。二日後、私の店に小宮孝泰さんが、ひょっこり来店された。私は、今月の芝居の感想を述べたあと、こう切り出した。「川端康雄って、小宮さんのお友達でしょう?」「えっ、川端なんで知ってるの?」「川端って、私の友達でもあるんですよ」。川端・コーセイ・康雄は、学生時代、アルバイト先で知り合った友人である。お〜い、コーセイ、隠れてないで、CAGE'S TAVERNに早く顔を出しなさい。コーセイは小宮さんが、コント赤信号をやる前からの友人です。

        その小宮さんが、自分たちの劇団で時代劇をやるという。これは是非とも行かねば。星屑の会公演『次郎長漫遊記』。時代劇という前に、コメディだというのがうれしい。次郎長役に坂本あきら。もう歳をとってしまった次郎長が巻き起こす爆笑劇。いやあ、楽しい芝居でした。出演者もみんな芝居を楽しんでやっているなと感じた。大劇場演劇でないから、スターをたてる必要がないので、どういうエンテ゜ィングにもできる。こういう終わり方は、面白い!

        下北沢の本多劇場で、今月24日(水)まで、そのあと、26日(金)〜27日(土)まで三鷹市芸術文化センター 星のホールで演ってます。


November.20,1999 刑事ドラマの嘘

        テレビ・ドラマはあまり見ない方だが、フジテレビ火曜午後9時の『OUT』だけは、毎週ビデオに録って見ている。原作にない女刑事の役を無理矢理造って、飯島直子というダイコンに演らせているが、飯島直子が出てくると、話の流れが急に止まってしまって、邪魔な事この上ない。

        先日見た回で、思わず吹き出してしまった。テレビって、まだこんな事やってるんだという例。刑事ドラマの定番、取調べのシーン。机と椅子以外、何にも置いてない六畳くらいの取調室。机の上には、灰皿と丸傘のスタンド。あのねえ、私の店の前に警察署があって、よく刑事課(捜査課ともいう)へ出前に行くのだよ。取調室なんてね、せいぜい三畳。容疑者と刑事二人も入ったら一杯。まあ、画像としてそんなに狭い所は写しにくいんだろうけど、あの丸傘スタンドはやめろよ。あんなの、今時何処行けば売ってるというの。実際の取調室にはスタンドなんて置いてないっつーの! いかん、つい興奮してしまった。

        出前を持っていくと、基本的にお金を払うのは取調べられている人。刑事が金を出すこともあるが、それは相手が一文無しの場合。「しょうがねえなあ、俺が払うのかよ」とブツブツ言いながら払ってくれる。カツ丼ですか? そりゃあ、カツ丼を持っていくこともあります。でもねえ、それって、そのまんまじゃないですか。取り調べられている方でも、さすがにカツ丼は頼み難いらしくて、ごくごくマレです。


November.11,1999 最強のガーゼ付絆創膏はこれだ!

        今朝方、また指を包丁で切ってしまった。職業がら、切り傷と火傷は、しょっちゅうだが、今朝のは、ちょっと深くて、なかなか血が止まらない。通称バンドエイドといわれる絆創膏を使ったが、どくどくと血が吹き出してきて、すぐにぐしょぐしょになってしまう。「ええい、こうなったらあれを使うしかあるまい!」

        佐藤製薬が出しているものだが、これが強力なのだ。布製の伸縮繊維でできていて、肌にピタッとくっつく。ちょっとくらい出血量が多くても、ぐっと止めてしまう。プロレスラーが額を割られたあと、ガムテープで止めてしまうというが、あれに近い。他の絆創膏が紙ガムテープとしたら、まさにこちらは布ガムテープ。水仕事しても、すっぽり取れてしまうこともない。凄く丈夫だから一日していても、ボロボロになることもない。

        使う場所によって、いろいろな種類が出ているが、上のは、標準タイプ。300円くらいで売っている。あっ、別にコマーシャルしているわけではありませんが、便利ですよ。


November.4,1999 「飼い猫の頭を叩いてもいい顔しないのに・・・」

        時々行く、ラーメン屋がある。カウンターだけの小さな店だが、おいしいし、朝早くから営業しているので、私には重宝だ。朝早く行くと、親父さんひとりで、仕込みをしている。開店して、しばらくしてから、若い男の子が挨拶もなくやってきて、無言で働きだす。

        先日、いつものように、ラーメンを注文して、店主と女性客の話を聞いていた。店員らしい若い男の子は例によって、まだ出勤していない。「ご主人ひとりで仕込みするんじゃ、大変でしょ。若い子がいるんだから、手伝わせればいいじゃない」「早く出てきて仕事しろとは言ってるんだけど、来ねえんだよ」「そんなの辞めさせちゃえばいいじゃない」「辞めさせると、もうひとり辞めちゃうんだ。あの子の親が一緒に働いてるんだ」「親にも言ったら?」「親からも悪い所があったら厳しく本人に言ってくれと言われてるんだ」

        別に私は、その内容を話題にしようとしている訳ではない。その後、店主の言った言いまわしが面白かったのだ。「飼い猫の頭を叩いてもいい顔しないっていうじゃない。ましてや自分の子供が叱られている所を親がみたら、嫌な気持ちになるよ」

        「飼い猫の頭を叩いても・・・・」という慣用句って実際あるのだろうか。私は初めて聞いた。それにしてもうまい表現だと思いませんか?

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