直線上に配置

蕎麦湯ぶれいく

青根温泉・観山聴月

 仙台駅西口を出発した送迎マイクロバスは市街地を抜け、田園風景を抜け、やがて山のなかへと入っていく。仙台からちょうど一時間ほどで青根温泉に着いた。

 今日泊まる[観山聴月]は七部屋だけの宿と聞いていた。マイクロバスにはかなりの人数が乗っていたので、何軒かの宿が共同で出している送迎バスなのかなと思っていたら、[流辿]という宿でマイクロバスは停まり、全員が下りて行く。運転手さんに「[観山聴月]もここで下りるのですか?」と訊ねると、「一緒です」との答え。「?」と思いながらマイクロバスを下り、[流辿]の玄関に入ると名前を訊かれて、「こちらです」と、ほとんどの人たちがチェックインの手続きをしているところとは別の方の廊下に案内された。それで理解した。[観山聴月]は[流辿]の別館なんだ。
 タッチキーがないと入れないドアがあり、そこから別のラウンジに通された。
 ここは静かに寛げる空間。自由に飲める飲み物も置かれている。
 パッションフルーツ・ソーダがウェルカムドリンク。
 宿泊カードに記入して、夕食と朝食の時間を決めてから部屋に通された。落ち着いた琉球畳の空間と、低いベッドが置かれた空間。あまり広くも狭くもなくて、ちょうどいい。

 温泉を楽しみにやってきた人たちは、これでいいだろうが、せっかく東京から宮城までやってきたのだから、周辺を散策したい。部屋に荷物を置いて外出。
 30分ほど歩いた所にある、山の森の公園なかに、古賀政男の『影を慕いて』の歌碑があるというので、そこまで行って来ることにする。
 公園までは自動車も通る上り道を、ひたすら歩く。
 黄葉はまだ始まったばかりというところで、木々はまだ青々としているが、これもだんだん枯れた色になっていく季節になってきている。
 標識があり、それに沿って、森の公園内に入る。
 少し下ったところに『影を慕いて』の歌碑はあった。
 『影を慕いて』は藤山一郎の戦前のヒット曲。作詞・作曲は古賀政男。古賀政男が傷心の思いで青根温泉に宿泊して野山を彷徨った時に浮かんだ悲しい曲だそうだ。
 歌碑の隣には、なぜかタヌキの像も置かれていた。なぜ?

 散策から戻って、とりあえずひと風呂。部屋には露天風呂も付いていたが、まずは[流辿]とも共同の大浴場へ。ここにも露天風呂があり、これがまた実に気持ちがいい。温泉としても、ここ青根の湯は、かなり身体によさそうないい温泉だと思う。
 風呂から上がって、待望のビール。冷蔵庫に瓶ビールはあるが、フロントに言って生ビールのルームサービスを頼む。ふわぁ、やはり生ビールはいいわぁ。本日の歩数は16,000といったところか。最近の旅行にしては少な目だけど、まあ無理しない無理しない。

 17時50分夕食。
 量の少ないブランを頼んでおいたのだが、それでもかなりの量かあった。食前酒に始まり、かぼちゃ豆腐の先付、様々凝った前菜の数々。お造りは鮪と美濃海老(初めて食べたけれどおいかった)。仙台味噌を使った豚すき焼き(松茸入り)。牡蠣の天ぷら入りのうどん。天ぷら盛り合わせ。そして松茸ご飯にサンマのつみれ汁。デザート。お腹いっぱい。さらに夜食にと、お部屋にお持ち帰り用アップルパイ。

 いつもは、なんたかんだ23時ごろまで起きていたりするが、今夜は温泉に入って、22時ごろに就寝。

10月3日記


『影を慕いて』の歌碑を目指して歩く


ところどころ黄葉は始まっていました


古賀政男はこのあたりを彷徨っていて
『影を慕いて』が浮かんだらしい


なぜかタヌキも一緒


お決まりのアンヨ。背景の木がいいでしょ。


風呂上がり。今回は生!


16,000歩。よしとしますか



仙台味噌の豚すき焼き。松茸入り


松茸ご飯。お腹いっぱいでも食べる


デザート。お腹いっぱいでも食べる


静かなお喋り 10月1日

静かなお喋り

このコーナーの表紙に戻る


トップ アイコンふりだしに戻る
直線上に配置