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蕎麦湯ぶれいく

白檀

2017年3月24日

 妹が今日誕生日で、還暦を迎える。その還暦祝いに箱根の[白檀]に一泊してくることにした。
 [白檀]の場所は強羅だが、位置的に言うと小涌谷から早雲山に向かう道の途中、みどりの村という別荘地にある。ほかに宿らしきものは少なく、周りはほとんど別荘や、企業の保養施設ばかりが建ち並んでいる。ネットを見ると[白檀]は、東京三鷹市の保養施設を改装して、昨年オープンしたばかりらしい。

 最寄りのバス停、みどりの村入口で降りると、もう3月も終わろうという時期なのに雪が舞っていた。ホワイトクリスマスならぬホワイトバースデー。妹は記憶に残る記念日になったと喜んでいる。

 別荘地への坂をすこし上った左側に[白檀]のエントランスが見えてきた。奥へ入っていくと宿の人が傘を持って走って出迎えに来てくださった。ロビーに通されて、抹茶のサービスを受けながら記帳。正面の大きな窓からは明星ヶ岳方面が見えるが、天気がやや残念。強羅駅方面を望きこんでも霞んでよく見えない。まあ箱根って、ただでさえ霧の多い場所だっていうし、仕方ないか。

 案内された部屋はフローリング。大きなベッドが二つ置かれている。もしかすると以前保養所だったころは和室だったのかもしれない。ベッドを入れたことによって、かなりコンパクトな造りの部屋になっている印象。それでもベランダには部屋付き露天風呂があって、このベランダは開放感がある。天気があまりよくなかったので、この露天風呂には翌日になって入ったが、いや〜、落ち着きますな〜。源泉かけ流しで温泉の温度は調整していないから、かなり熱い。入るときは蛇口を捻って、好みの温度にしてから入る。

 部屋の露天風呂以外にも大浴場があるというので、とりあえず大浴場へ。こちらはややぬるめに温度調整がされていて、いつまでも入っていられる。気に入ってしまって、その後も何度か入りに行った。夜中でも入れるのがうれしい。

 チェックインした時刻が早かったので、夕食にはまだ時間がある。近くを散歩して来たいと宿の人に言うと、傘と暖かいコートを貸してくださった。風呂上がりの温泉効果もあって、雪が降っているというのに体はポカポカと暖かい。坂をさらに上って別荘地を歩いてみたが、ここはただの保養地。なんにもないのね。静かだということだけで最高の立地。

 宿に帰り、もうひと風呂浴びて、ルームサービスでビールを一本届けてもらい、最初の乾杯。温泉に浸かった後のビール。これぞ旅の醍醐味。

 夕食は食事処で。個室ではないが、あまりほかのテーブルに気を使わなくて済む感じ。子供連れのグループもいたが、行儀のいいお子さんで、声も気にならなかった。
 ビールは部屋で飲んだので、利き酒セットというのを貰って二度目の乾杯。三種類の地酒が、お猪口に注がれて出てきた。料理はお造りまでは、これを飲みながらいただく。三種類どれもおいしかったが、私の好みは、松みどり純米吟醸琴姫かな。

先付 養老寄せ(山芋)。上に雲丹と浜名湖産だという海苔が乗せてある。この雲丹、おいしい雲丹だ。

吸物 はまぐりなど。妹が誕生日だと言ったら赤飯まで出してくださって恐縮。どうもありがとうございます。

お造り アオリイカ、黒ムツ、鯛、平貝、マグロを醤油と塩で。白身魚には塩の方がおいしいね。

 お造りを食べ終わった時点で、誕生日を祝して、スパークリングワインで三度目の乾杯。

焼八寸 二段重ねの籠に入れられた、様々なお料理。スパークリングワインを楽しみながら、いろんなオードブルを楽しむ形になって正解だった
甘鯛木の芽焼、赤城山麓牛柔らか煮、金時人参
鯛霞揚げ、子持ち昆布、空豆串打ち、姫栄さざえ田舎煮、烏賊酒盗和え、蛍烏賊さっと煮、青味

炊合せ 筍、がんもどき

 ここで、お酒は芋焼酎の水割り。四度目の乾杯。

揚物 桜海老の春巻、さつまいも。やはり揚物には焼酎が合うね。

留肴 蛸の酢味噌和え。

 全体に軽い食事で、若い人や大食漢の人には物足りないと言う人もいるかもしれないが、私にはこのくらいで丁度。これ以上だと、ご飯まで食べられない。この後に出たご飯と味噌汁と漬物もおいしくいただけた。とくにこのご飯は、おいしく炊けているなぁ。おかわりしたほどだったけど、とてもお腹がいっぱいで無理。

 このあとデザートとして、洋梨のムース、キャラメルシフォンケーキ。さらに自家製だと言う桜アイス。このアイス、なんだかおっぱいみたいで笑ってしまった。

 ゆっくり食べていたら三時間も経過していた。最後の一組になってしまい、慌てて食事処をあとにする。

 この宿の特典はまだある。ロビーでナイトドリンクといって、アルコール類も勝手に飲めるコーナーがあるのだ。この宿は不思議なことに部屋はやや狭い感じがするのだが、ロビーがやたらと広くて、しかも落ち着く。飲み物は部屋に持ち帰ってもいいらしいのだが、ロビーの方がゆったりできるので、ロビーの椅子に座ってナイトキャップ。ウイスキーの水割りを作って五度目の乾杯。妹とあれやこれや話しているちに23時になって、ナイトドリンクのコーナーも店じまい。
 部屋に戻って、夜中に一度大浴場に行ったほかは、朝までグッスリ。

 翌朝は、このロビーで、今度は7時から朝シャン(朝シャンペン・・・スパークリングワインだけど)。酒好きの私たちには絶好の誕生日となった。
 明日からは、酒は少し節制しなくちゃ。

3月26日記


ウェルカムドリンクの抹茶と、くるみ餅


ベランダの部屋付き露天風呂。苔の庭がいい風情


不思議とゆったりくつろげる広いロビー


宿の近くを散歩。積もらない程度の雪がうれしい。


湯上りにルームサーヒスのビールで乾杯


八寸、その一。牛肉の味付けがおいしい


八寸、その二。姫さざえ、蛍烏賊など好物゛らけ


デザート。洋梨のムースに乗ったチョコが美味


アイスがおっぱいみたいで面白いからと
二つ並べてみました。ごめんなさい


ナイトドリンクコーナー。ほったらかして置いて
おいてくれるのがうれしい。おやすみなさ〜い


静かなお喋り 3月24日

静かなお喋り

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