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蕎麦湯ぶれいく

早雲山〜大涌谷〜芦ノ湖徒歩の旅

2013年5月27日

 新宿7時28分発のロマンスカーで箱根へ向かう。今日は珍しく、旅行に行くというのに疲れが出たらしくて椅子に座った途端に眠くなってしまい50分ほど熟睡。携帯電話に入ったメールの着信音で目を覚ます。

 半年前、一年半前に続き、また箱根で一泊してくることにした。箱根は東京から近いし、交通の便がいいし、温泉は気持ちがいいし、風景はいいし、海が近いから食べ物はおいしいしと、何度でも来たくなる場所。地理も大分頭に入っているから安心感もある。

 これまた珍しくロマンスカーの運行に遅れが出たいうことで、箱根湯本到着が遅れた。今日の最初の目的地は早雲山。箱根湯本で降りて小涌園行のバスに乗り、終点まで行ってから施設循環バスに乗り換えて強羅まで出て、そこからケーブルカーで早雲山というルートを考えていた。そうすると箱根湯本から登山電車に乗り換えて強羅へ行くよりは強羅着が数分早い。とすれば、ケーブルカーも座って行かれるという作戦。またそれ以前に登山電車も混むから、こちらも座れる可能性は低い。おそらくバスは空いていて座れるだろうという読みもあった。それがロマンスカーの湯本到着が遅れて、ちょうどいいバスに間に合わないという事になってしまった。それでこの作戦は水の泡。

 ロマンスカーを降りた人たちは向かいの登山電車のホームに殺到していく。この時点で登山電車に座って行くことは断念することにした。
 ならばと、一旦改札を出たところにある[箱根カフェ]で朝食を買うことにする。ここのパンは半年前に来た時に買っておいしかったので、また食べたくなったのだ。惣菜パン、デニッシュとラタトゥイユを買う。

 登山電車はやはり満員で座れず。平日だからやはり圧倒的に高齢者が多い。そんな中、小学校低学年らしい男の子と幼稚園児を連れた高齢者が席に座っている。お孫さんを預けられた、おじいさんとおばあさんといったところか。小学生は運動会でもあって代休になったのかもしれない。

 強羅で降りたお客さんのほとんどが、そのままケーブルカーに移動する。というわけで、予想していた事だがケーブルカーも座れず。しょーがない。

 早雲山到着。ここでまたほとんどの乗客は大涌谷へ向かうロープウェイに殺到することになる。しかし私はここで、正しい観光客とはお別れ。ここからは別行動だ。今回は、ここから大涌谷まではロープウェイは使わず歩いて行こうという計画。

 まずは腹ごしらえ。登山電車の中では座れなかったので、自販機で缶コーヒーを買い、早雲山駅のベンチに腰を下ろし、買ってきたパンとラタトゥイユを食べる。

 今夜は、この早雲山駅の近くにある旅館に泊まることになるのだが、それは一周回ってきてから。駅の前にあるハイキングコース入口から登山開始。標識には大涌谷まで80分とある。ということは1時間20分。まあゆっくり行ったとしても一時間半もあれば着けるだろう。軽い軽いと思ったのが考えが甘かった。
 考え違いをしていたのは、早雲山〜大涌谷という間はあまり標高差がないだろうと思い込んでいた事。早雲山と大涌谷の間のロープウェイって、確か登って行くというより谷間を通過して行くというイメージがあった。それが思い違いだったことに気付かされることになるのは、あとになってから。早雲山〜大涌谷間のロープウェイは一度急な角度で高度を稼ぎ、そのあとで緩やかな上りになって谷底を見下ろすような形で進んで行く。どうやら私はロープウェイの上りの部分の記憶がスッポリと抜け落ちていたらしい。

 坂道を登れど登れど、道は平らにならない。ひたすら登るだけ。ドッと汗をかく。ついに途中でへたばってしまう。われながら情けない。しばし休憩。
 気を取り直して、またしばらく歩き出すと上り坂はようやく終わり、硫黄の臭いが漂ってくる。大涌谷が近い証拠だ。道はやがて下りになったが岩がゴツゴツして歩きにくい。そんな中を陽気な笑い声を立てながら四人の高齢者男女が逆コースを登ってくる。元気だなぁ。

 結局、大涌谷に到着したのは80分などという短い時間でなく、2時間ほどかかってしまった。体力落ちているよなぁ。

 一年半前、入院、手術をするまえに訪れた大涌谷にまたやってきた。ここはもうすっかり観光地。平日でも人がいっぱい。近年は外国からの観光客も多く、中国語がやたらと聞こえる。もちろんロープウェイで来る人も多いが、ツアー客の大半はバスでやってくる。このあたりは、もう日本ではないような錯覚を覚える。

 ここの名物は黒温泉卵。むかーし食べた事があるが、味は普通のゆで卵とあまり変わりない。だからまた食べてみようとは思えない。以前は気が付かなかったが、黒温泉卵ソフトクリームなんてものもあった。これは卵の味のするソフトクリームだろうか? 興味はあったがこれは試さずに、牛乳にする。なんといっても、こういうところで飲む牛乳は一番おいしいと相場が決まっているのだから。

 一息ついて汗も引いたところで、ここから芦ノ湖の桃源台までまた歩いて下ることにする。こちらは山道というのではなく、緩やかな遊歩道が下へと続いている。気持ちよく歩いていると、「秀明館参道石仏群」と書かれた標識を発見。寄り道してみることに。
 ここは日帰り温泉施設。今夜は早雲山に泊まるので、ここの風呂に入るのは止めて、奥のお堂にお参り。なるほど石仏がたくさんある。風呂と石仏、Utamさんはこういうの好きだろうなぁ。

 さらに下って行くと芦ノ湖が見えてきて、桃源台到着。ここの遊覧海賊船乗り場の横には猫がたくさんいて、半年前、一年半前に来た時には懐っこい猫が多くて楽しかった。とくに半年前は子猫が多くて、用意してきたカニカマがあっという間に無くなってしまった。今回は多めにに用意して行ったのだが・・・猫が寄ってこない。あんなにたくさんいたのに。それでも数匹の猫がいたので餌をあげる。ただし警戒心が強い。なかなか近寄って来ないし、餌は恐る恐る食べに来るが、懐く素振りは絶対にみせない。この半年の間に何かあったのだろうか?

 この時点で14時半。船で箱根町へ行ってみようかとも思ったが、宿から遠くなるし、今日はもう早めに宿に入ってゆっくりしたくなってしまった。ロープウェイで今日来た道を戻ることにする。

 桃源台から大涌谷。大涌谷から早雲山へとロープウェイを乗り継ぐ。確かに大涌谷から早雲山までは勾配が急だ。我ながらよくぞこの山を登ったものだと感心するほど。

 早雲山駅からほど近いところに、今夜の宿[華ごころ]はあった。ここは全八部屋だけの旅館。是非一度泊まりたいと思っていた宿だ。最近は露天風呂付き客室という宿が増えているが、この宿の特徴は各部屋の専用露天風呂が部屋とは別の場所に配置されていること。つまり一旦部屋を出て、専用の露天風呂まで行くことになるのだが、その広さたるや格別で、しかも他に誰も入って来る心配もない。自由な時を心行くまで過ごすことが出来る。しかも飲み物を注文すると、そこまで届けてくれる。何者にも煩わされず、のんびりと時間が過ごせる。これぞ贅沢というものかなのかもしれない。今回割り当てられた露天風呂は最上階にある天空の湯。景色抜群。解放感いっぱいだ。下の方にある露天風呂は森の露天風呂と名付けられ木々の中に囲まれたところらしい。今度来るときはそっちの露天風呂にも行ってみたいな。

 夕食は食事処で。
 食前酒は、さんざし酒。
 先付がワカメを摩り下ろしたものにウニを和えたもの。
 前菜はキス、アスパラ、白エビのフライ、そして食用ほうずきのおいしいこと(写真)
 お椀がハモと水ナス。
 お造りには地物らしいアジや、それにシャコも。それを普通の刺身醤油と中華風のタレの二種類で食べさせてくれる。
 煮物が小柱しんじょうと蕪。上品に炊けるなぁ。
 焼き物はアマダイの若狭焼だが、横に着いてきたトウモロコシの天ぷらがまたうれしい。
 そして最後の強肴が牛肉の酔興煮といものだが、これがまた柔らかくておいしいの。
 ご飯は浅利ご飯と、もずく汁。
 デザートがなんと、愛玉子(オーギョウチ)。中華デザートだぁ!
 大満足の夕食でありました。

 風呂は専用露天風呂も内湯も一晩中入浴可。寝る前と、夜中に入りに行った。満足満足。

5月29日記





















静かなお喋り 5月27日

静かなお喋り

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