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蕎麦湯ぶれいく

小室山

2015年5月14日

 今年の一月に宿泊した伊東の宿[ラグジュアリー和ホテル 風の薫]。チェックアウト時に、次回利用するときは二割ほどの割引をしてくださるという優待券をいただいた。その有効期限が今月いっぱい。とてもサービスがよかったし、宿のスタッフのみなさんがとても感じのいい人ばかりだったので、もう一泊しに行きたくなった。電話を入れてみると、幸い今日なら空いている部屋があったので申し込んでおいた。天気が気になっていたが、うまいこと台風も温帯低気圧になって北へ抜けて行ったあと。五月晴れの旅行が楽しめそうだ。

 台風が南の風を持ち込んだのか、今日と明日は夏の陽気で、気温も30°を超えるらしい。これなら夏の服装でも大丈夫そうだ。

 玉子とツナのサンドイッチを買い、10時東京駅発の踊り子107号に乗る。コーヒーと一緒に食べたいので、車内販売のワゴンが回って来るのを待つ。途中、品川、川崎と停車して、車両にはお客さんが増えてくる。横浜に着く手前でワゴンが回って来たのだが、横浜駅のホームに列車が入ったところで、ワゴンは通路を通り過ぎて先の踊り場へ移動して行ってしまった。横浜から多くのお客さんが乗り込んでくるので、通路が邪魔にならないようにワゴンを移動させたらしい。またさっきのところまで戻ってくるだろうと待っていたら、乗客が落ち着いたところで隣の車両にワゴンが移動して行ってしまう感じだったので、慌てて呼びとめてコーヒーを売ってもらう。私など缶コーヒーでも構わないんだけど、それでもやっぱり車内で買うコーヒーの方がおいしいもの。

 11時42分伊東着。今回は小室山に行ってみることにしたので、伊東から二駅先の川奈まで行く。踊り子は川奈には止まらないから、ここから先は各駅停車に乗り換えなければならない。次の各駅停車は12時4分。22分の待ち合わせということになる。

 伊東からの各駅停車は混んでいて座れなかったが、なあに二駅くらいならどうってことない。川奈着12時12分。川奈駅から国道135号線の分岐へ。ここは伊東商業高校があるところ。帰りはここのバス停から伊東駅行のバスが出ているはずなので、ここに戻ってくることになる。

 ここがまた、小室山ウォーキングコースの出発地点でもある、つばき園の入り口。ここから山道に入る。道の左右に椿がたくさん植えられているのだが、残念なことに椿の見頃は2月中旬から3月いっぱい。5月くらいまで残っている種類もあるらしいのだが、見当たらず。残念なことをしたなぁ。富士見邸という建物があって、ここから富士山が眺められるとのことで行ってみる。今日はちょっとモヤがかかっているようで富士山の姿はよく見えなかったが、薄ぼんやりと、その輪郭は確認できた。雪がだいぶ溶けていて、少しだけ縦縞のように残っている。まっ、富士山は1月に来た時に十国峠まで行って、冠雪したきれいな富士山も見られたことだし、今回はいいや。

 その先が小室山公園。ここにはつつじ園があるのだが、つづじももう終わってしまったようだ。東京では今の時期でもけっこうきれいに咲いているし、甘〜い香りが漂っているのだが、やはり気候温暖な伊豆は、つつじの盛りも早いようだ。きっとGWのころは真っ盛りだったに違いない。そのころはたくさんの観光客で賑わっていたんだろうなぁ。

 小室山のふもとにある、小室山レストハウス[つつじ亭]で休憩。1月に伊東の街で見かけた、ちんちん揚げを定食にした、ちんちん揚げ定食を食べる。ようするにサツマアゲみたいなものだろうと思っていたら、サツマアゲと違ってフンワリしている。魚やイカをすり身にしたものに山芋を混ぜてあるらしい。これはおいしい。ツマミで取って、焼酎で食べたい味。あるいは、揚げたてのところを買って、歩きながら食べたいなぁ。

 小室山はリフトで頂上に登れるが、短いリフトで、なにもリフトに乗らなくても歩いて登れそうなので歩くことにする。しばらく登って行くと芝生の広場に出た。むっ、前方に恐竜の姿が! ここは恐竜広場。あちこちに恐竜のオブジェが置かれていて、まるでジュラシックパークにやってきたかのよう。顔を巡らすと、突然、Tレックスが目に飛び込んで来たりで楽しい。

 汗をかきかき山頂へ。ここは360°の視界が開ける展望台。伊豆半島中央の山並みや、相模湾がきれいに眺められる。天気さえよければ富士山もハッキリと見られるそうで、やはり椿が見ごろの2月か3月あたりに来たかったかな。

 元来た道を戻って伊東商業高校の前の国道135号線へ出る。ここは小田原から伊豆の東海岸を通り下田まで続いている幹線道路だから、バスの本数も多いだろうと思っていた。バス停に行ってみたら、案の定、この時間帯は1時間に4本ほどバスが来ている。10分ほど待って、やってきたバスに乗って伊東駅へ。

 [風の薫]は迎えの車は無く、伊東駅からタクシーに乗って領収書を取っておけば、あとで精算してくれるシステム。現在、16時をちょっと回ったところ。タクシーで宿に向ってもいいのだが、夕食は19時40分からを予約している。ということはそんなに早くから宿に行っても時間が余ってしまう。ということで、1月に来た時と同じく、宿まで歩いてしまうことにする。海岸線の道路を歩くのは潮の香りがして気持ちいいのだ。伊東の海岸に出ると、海岸線の先に[風の薫]の建物が見える。4ヶ月ぶりに戻ってきたことになる。

 ウェルカムドリンクのスパークリングワインをいただいてチェックイン。4ヶ月前に来たばかりだから勝手知ったる部屋の様子。落ち着くなあ。さっそく部屋のテラスにある露天風呂に入る。1月は少々寒いと感じられた露天風呂だが、今の季節は気持ちいい。目の前の海を通る船を眺めながらのんびりと湯に浸かった。さらに最上階の貸切風呂へ。食事時間を早い時間に選んだ宿泊客はお食事中だから、貸切風呂も利用者がいない。寝湯に浸かり、30分ほどの長風呂。

 湯から上がって恒例、湯上りのビール。この宿は冷蔵庫に入っている飲み物は無料。プレミアムモルツ、うまいねえ。

 4ヶ月経って、夕食の内容はガラリと変わっていた。
 食前酒セットも、1月のときは、みかんワインだのイチゴワインだったのが、椿ワインや桜葉ワイン。春らしくなってる。
 先付は、うどと九条ねぎの利休和え。ああ、胡麻和えだね。うど、大好き。
 前回、軽く酢で〆た鯖の握りものが出て、その加減が絶妙においしかったのだが、今回は鯵の握り。酢で〆たものと生のものの二貫というのも気が利いている。
 お椀は丸大根から、若竹碗に。冬から春へ。
 八寸。これもひとつも被っていない。しらすポン酢、鰆黄金焼き、明日葉煮びたし、鶏けんちん巻き、砂肝オイル煮、海老木の芽焼き、蕗当座煮、スナップエンドウ白和え、きびなご一夜干し。砂肝がやわらか〜く煮てある。こんなに柔らかくなるまで煮た砂肝って初めて食べた。きびなごなんていうのも刺身で食べることはあるけれど、一夜干しって珍しいなぁ。
 お造り三種。今回は鰹、金目鯛、ムツ。醤油も三種類で供されるのは前回通り。
 前回鰤しゃぶだったものは金目鯛しゃぶになっていた。豪勢!
 煮物は鰻美州巻き。尾州巻きとも書く鰻を大根で巻いて煮たもの。手間のかかることをするものだなぁ。
 おいおい、まだ出て来たぞ。鉄板が用意されて、もち豚味噌漬け。これを野菜と一緒に焼く。
 ご飯は山菜御飯だ。豚の味噌焼きには、ご飯が合うんだよねぇ。お腹がいっぱいだというのに、ついつい食べてしまった。
 〆は、前回と同じ名物和風杏仁豆腐。
 ごちそうさまでした。

 22時から、バーでフリードリンクのサービスがあるというので出かける。夜の海を眺めながら、モスコミュール、バランタインのオンザロックを一杯ずついただき、いい気持ちになって部屋へ戻って、眠りに就いた。

5月16日記





















静かなお喋り 5月14日

静かなお喋り

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