釧路湿原展望台 2014年7月1日 一昨年は、旭川、札幌、小樽を廻り、去年は知床に行った。年に一度は北海道に行きたいという気持ちになっている。今年は釧路に行く事にした。宿泊と航空券をセットにしたものを利用すると比較的安く行けるので、今回は5月にインターネットで予約を入れておいた。 一日目は、釧路湿原を歩こうというプランを立てた。釧路駅から出ている路線バスで釧路湿原展望台まで行くとすると、釧路駅10時25分発の便に乗りたい。これを逆算すると羽田空港7時40分発のADO071便に乗って、釧路空港9時20分に着き、空港バスで釧路駅へという計画が一番よさそう。それで行きの飛行機はこれにした。 エア・ドゥに乗るのは初めて。インターネットでプリントアウトしたバーコードを持って、いつもの調子で保安検査場に行ったら、そのままでは入れなかった。チェックインの手続きが必要との事。知らなかった。 搭乗口からバスで飛行機まで移動。うわっ、小っちゃい飛行機。カワイイっちゃカワイイが。エア・ドゥのキャラクター、ベア・ドゥが付いている。これもカワイイ。 エア・ドゥの場合はとにかく狭いとは聞いていたが、乗り込んでみると確かに狭い。通路側の席の人が先に座っていたので前を通してもらおうとしたら、一旦立ち上がってもらわないと通れない。まぁ、座ってしまえば、トイレに行くくらいしか立ち上がる用はないのだし、一時間半程度のフライトならトイレに行くこともないだろう。 飲み物のサービスも無いだろうと思ったら、ワゴンがやってきた。オニオンスープをいただく。この紙コップにもベア・ドゥの絵が付いている。記念に持って帰りたいなぁと思ったのだが、テーブルに置いているうちに持って行かれてしまった。まっ、いいか。写真撮ったし。 釧路空港を出たところで待っていた空港バスで釧路駅へ。所要時間約40分。釧路駅着10時15分。バスターミナルでキップを買い、鶴居方面行きのバスに乗り込む。時間があったらJR釧路で駅弁でも買おうかと思ったが、駅弁を買っているだけの時間は無し。そのまま出発。バスは市街を抜け、やがて民家も見当たらなくなってきた所で、湿原地帯に突然といった形で入って行く。 釧路市湿原展望台は茶色の独特の形をした建物。ここにレストランがあるというので、まずは食事をすることにした。何しろ朝から機内で出たスープ以外に何も腹に入れていない。釧路で駅弁というプランも果たせなかったし。 [憩っと]で、牡蠣ラーメン。チャーシューもメンマも入ってなくて、具は牡蠣のみ。牡蠣とラーメンって合うんだろうかという心配も杞憂だった。これ、牡蠣のダシが出ておいしい。味は醤油味。牡蠣ときたら味噌味にしそうだが、これは醤油味。味噌味にするより、この醤油味の方が合っていると思う。食後、丹頂ソフト。丹頂鶴の形を模したソフトクリーム。これが、実においしかった。今まで食べたソフトクリームの中でもトップクラスのおいしさ。濃厚だ。 お腹がいっぱいになったところで、探勝に出かける。サテライト展望台というのがあるそうで、そこからの眺めがいいというので、サテライト展望台まで行って、グルッと近くを回ってくる2キロほどの周遊コースというのを歩いてみることにする。売店で熊ベルが売っていたので買う。去年、知床で購入したものが、最近あまりいい音がしなくなってしまったので、買い換えようかなと思っていたところ。キタキツネの人形が付いたカワイイのにする。腰につけて見たら実にいい音がする。構造上も知床のものよりよく出来ている感じ。腰で揺れるとキタキツネの人形も揺れる。 建物の横から木道を歩いてサテライト展望台を目指す。ここは実によく整備されている。アップダウンも少なくて、しっかりした木道が続いている。気持ちいい探索路だ。20分ほど歩いたところで、サテライト展望台に出た。ここからの眺めはまさに息を飲む。広大な湿地帯が、遥か彼方まで続いている。カメラに収めようにも、この広大さは無理だ。パノラマ撮影したとしても、どの位置もおんなじ。目に焼き付けるしかない。しばし呆然と眺めてしまった。周囲を一周して釧路市湿原展望台に戻る。 釧路に帰るバスは16時31分。まだたっぷりと時間がある。それで今度は湿原まで降りて、ビジターセンターまで湿原の道を歩くコースをやってみることにする。途中まではサテライト展望台へ行く道。それを途中の分かれ道で右に行かずに左へ。木道の道は、やがて下へ下へと下って行く。下まで降り切り、湿原へ向かっていく。ここはいくつか木道が壊れているところもあり慎重に歩く。やがて、釧路湿原探勝歩道に至る。ここを左折して、ビジターセンターを目指す。この道は木道ではなく、狭い道が続いている。周りの景色は、なんというのだろうか、サバンナという言葉が浮かんでくる。高い樹木が少なくて、アフリカの平原を思わせるような景色だ。突然ライオンやキリンや象やカバが出てきてもおかしくない感じ。人通りも少なく、なんだか不安になってしまう。まさに異次元空間に迷い込んだような体験ができた。 道はやがてまた木道が現れた。この先がビジターセンター。このあたりは、湿原に木道がいろいろ入り込んでいて、そこを探索している人もチラホラ見かける。、とりあえずビジターセンターへ行ってみようと歩いて行ったが、休館だった。あとから調べてみたら、火曜定休とのこと。 探索もしたかったが、バスを逃すと、あとはさらに2時間後になるので、元来た道を引返す。[憩っこ]へ再び入る。コーヒーを飲んでバスの時間まで待とうと思ったが、コーヒー400円、ビールは中瓶が600円。それじゃあとビールにする。歩き回った後のビールはおいしいなぁ。 16時31分のバスで釧路へ戻る。今夜はバスターミナルの事務所が1階に入っている、[スーパーホテル釧路駅前]に泊まる。以前は、ビジネスホテルといえば、狭い部屋に狭いベッド。小さな空間に、寝る場所さえあればいいだろうというコンセプトのところが多かったが、最近のビジネスホテルは快適さを追求しているといっていい。それだけこの業界も競争が激しくなっているに違いない。スーパーホテルは、去年、大阪で泊まって以来2回目。セミダブルのベッドは寝心地がいいし、ホテルマンの感じもいい。しかも、ここは温泉がある。時間によって男女入れ替えだが、18時に入れ替えまでまだ少し時間があったので、入りに行く。それほど大きな浴場ではないが、利用者も少ない時間帯だったのか、そんなに混んでなかった。昼間のウオーキングの疲れを癒す。 今夜は、30年前にオートバイで北海道ツーリングに来た時にも立ち寄った、元祖炉端焼きの店[炉ばた]へ行く事にした。なにしろもう30年前とあって、場所をまったく憶えてない。地図を持って探しながら釧路の繁華街を歩く。どうも地図が古いのか目印になるはずの建物が見つからない。不安にかられながら、ウロウロと歩き回るうちに、突如[炉ばた]の看板を発見。いやぁ〜、まったく記憶が無かった。ここだっけ? 入れればいいけどと、店の戸開けようとしたら、3人組の男性客が出てくる。これなら入れるかもしれない。中を覗くとカウンターだけの店内。そうだ、この店だ。空席がいくつかある。最初に座ろうとしたところは、喫煙客3人組の隣。ここはいやだなと、別の場所にしようとすると、「そこでお願いします」とのこと。まっ、仕方ないか。 炉端焼きに来たのだから、やはり何か焼いてもらいたい。ここのメニューは、値段が書いてない。時価ってことなのだろう。お店の人のお薦めは時鮭なのだが、どうしても目が行くのが、めんめ(きんき)だ。さぞかし高いだろうなぁと、「すみませ〜ん。めんめはいくらですか?」と訊いてみると、「5000円です」との返事。やっぱりなぁ。とりえず、アスパラのバター炒めと、厚岸の蒸し牡蠣を貰い生ビール。次いで店ラベルの冷酒を飲むうちに、少々気が大きくなる。実はこの日、予期せぬ臨時収入一万円が入ったのだ。「行くか」。「すいませ〜ん。めんめ、焼いて下さい」。中央の炭焼きの網に大きなめんめが置かれる。さすがにほかに、めんめを頼む人はいないようだ。ほとんどの人が時鮭。そういえば30年前に私が来た時も、私が注文したのは鮭だった。 しばらくして、焼きあがっためんめ到着。骨以外は頭も食べられるとの店員さんの言葉に、さっそくめんめに取り掛かる。絶妙な焼き加減で運ばれてきためんめはさすがにおいしい。釧路で、今主流なのは、炭火で自分で焼くスタイルの居酒屋。でも、やはり焼き加減と言うのは職人の世界。餅は餅屋、炉端焼きは炉端焼き屋だ。ここに来てよかった。めんめは凄く脂の乗りがいい。これはさすがにおいしい。特に頭の裏側の部分。おいしくてしゃぶりつくしてしまった。皮もすべていただき、残ったのは骨だけ。ご馳走様でした。口の中をさっぱりさせようと思って、最後に頼んだグレープフルーツサワーがこれまた絶品。グレープフルーツのツブツブが入っていて、適度なシロップが入っているようだ。 すっかり満足して、フィッシャーマンズワーフ近辺を冷かして、ホテルへ戻る。 寝る前にもう一度、温泉に浸かり、戻ってベッドに入ったら、昼間の疲れもあって、グッスリと眠ってしまった。 7月5日記 |