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蕎麦湯ぶれいく

奈良俣ダム

2015年6月10日

 関東地方も梅雨入りした。この時期の旅行は天気予報と睨めっこ。今日明日の天気は、今日一日はだいたい晴れらしいものの、明日は曇のち雨という、やや不安を覚える予報が出ている。

 東京駅構内でサンドイッチを買い、8時4分発の上越新幹線に乗る。上越新幹線に乗るのは三年振り。車内販売のコーヒーを買うつもりでいたのだが、車内放送のアナウンスで、この列車での車内販売はないことを知り、ガッカリ。それならば、キヨスクなり自販機で缶コーヒーを買ってから乗ったのに・・・。

 車窓からは水を張った田圃が見える。田植えもほぼ終わったようだ。こうやって、ほぼ毎月一度旅行に出ていると、田や畑の移り変わりが見られて、季節を感じることができる。緑も濃くなってきたなぁ。

 9時19分、上毛高原駅着。駅の中のコンビニで缶コーヒーを買い、9時28分発の谷川岳ロープウェイ行のバスに乗り込む。乗客は、ほかにはご夫婦らしい高齢者が一組だけ。

 三年前の秋に、やはりこのバスに乗った。あのときは水上の手前、諏訪峡大橋のあたりで降りて、川沿いを歩いて水上へ行ったのだった。谷川岳ロープウェイには翌日に向ったのだったけど。

 途中、ゆびそ温泉でドッと人が乗り込んできた。このバスは後ろから乗って前で降りるシステム。乗り込むときに整理券を取らなくてはいけないのだが、ほとんどの人が、そのまま乗り込もうとする。一番後ろの席に座っていた私は、そのたびに「整理券をお取りください」を繰り返すこととなった。旅慣れてない人が案外多いんだなぁ。

 三年前、八ヶ岳ロープウェイ駅から一ノ倉沢まで歩いたことがあった。あのコースは道幅の広いゆったりした坂。とても気持ちが良く、もう一度歩きたくなったので再び歩こうというのが、今回の一泊旅行、一日目の目的。ロープウェイ駅でトイレに寄る。トイレから出て売店の方へ行ってみたが電気が消え、シャッターが下りている。「あれ? まだ営業は始まっていないのかな?」と思ったら、なんとロープウェイ自体も動いていない。外に出てよく見てみたら、昨日9日より来月1日までの23日間、設備点検のために運休とのこと。ありゃりゃ。

 しかしこっちは最初っからロープウェイに乗るつもりは無かったので一ノ倉沢を目指して歩くことにする。三年前より登って行く人の数が多い。有名になったのか、それともロープウェイが動いていないので、こっちに回った人が多いのか。

 三年前に来たときは天気がイマイチで、風が強かったが、今日はとても天気がいい。緑の濃い山々と青空を眺めながらのハイキング。気持ちいいですなぁ。山の上の方にはまだ残雪もある。そういえばちょっと涼しい。

 一度歩いたコースでもあり、あっという間に一ノ倉沢。今回は時間もあるので、ここからもう少し先の山の中まで入ってみようかと思ったのだが、道を雪解け水が川のように流れている。登山靴でも履いてなければちょっと無理。残念ながら諦めて、ロープウェイ駅へ戻る。

 帰りのバスもまた、ゆびそ温泉でたくさんの乗客が降りた。どうやら[湯の陣]という伊藤園グループのホテルの宿泊客のようだ。徹底した経費削減で、低料金でお客さんを集めている宿。チェックインしたときにはもう部屋に布団が敷いてあり、食事は二食ともダイキング。365日同一料金で8000円を切るっていうんだから、その手の宿が好きな人は集まるだろうな。

 水上でバスを乗り換える。出発までにまだ8分ほどある。さすがに朝のサンドイッチとコーヒーだけでは腹が減って来た。土産物屋で生どらやきなるものを売っているのを発見。何種類かの中から、マンゴーと栗を買う。冷蔵ケースから取り出してくれた冷たい生どらやきは、なかに生クリームがたっぷり。それぞれマンゴーと栗の果肉も思っていたよりたくさん入っていて感激。

 乗り換えたバスは、湯の小屋行き。なんとお客さんは、ほかに誰も乗っていない。しかも途中で誰も乗って来ず貸切り状態だった。びっくり。

 湯の小屋に着いたの14時27分。今日はここの[龍洞]という宿に泊まるのだが、チェックインは15時から。まだしばらく時間があるので[龍洞]の前を通り越してブラブラ散歩してみることにする。と、大きな標識が見えてきた。左に曲がる道があり、<奈良俣ダム>とある。ああ、バスの中から見えた、あの巨大なダムだな。急いで宿に入らなければならない理由もないしダムまで歩いて行ってみることにする。一応自動車が通る広い舗装道路だが、通る車はほとんどいない。トンネルがふたつあった。トンネル内もちゃんと歩道も作ってある。ということはここまで歩いてくる人もいるってことだろう。足元が見えず、不安なのでザックから懐中電灯を出す。やはり懐中電灯は旅には必需品だね。

 二つ目のトンネルを抜けたとき、いきなりダムが現れた。私はこのダムのことを知らなかったが群馬では有名らしい。ダムを見下ろす形で資料館が建っていて、売店兼レストランも営業していたから、観光地としても有名なのだろう。

 気が付けば、チェックインの時間を大幅にオーバーして16時すきにチェックイン。この宿のキャッチフズは「湯めぐりテーマパーク」。全部違うタイプの貸切風呂が18個。空いていればいつでも好きな風呂に入れる。部屋に荷物を置き、さっそく作務衣に着替えて、いざ湯めぐりへ。私の泊まったのは西館だが、とりあえず東館の方にある10個の風呂を見に行くことにする。いくつかは使用中になっていたので、残った中から、せせらぎ風呂を選択。川沿いの露天風呂で解放感がある。そして妙にこれが落ち着くのだ。湯が熱すぎず、ぬるすぎず丁度良くて、いつまでも入っていられる。ゆっくり浸かって出てきて、お休み処で生ビールを飲もうとしたら、一番気になっていた沢沿いの大露天風呂が空いている。ここはどうしても入りたかったのだ。ひとりで中に入り、広々としたお風呂に浸かる。目の前を川が流れ、上を見上げれば緑の先に青い空。ここまで来た甲斐があったなぁ。

 遊湯館に行って生ビールを注文して飲む。ふ〜、たまらないっす!

 18時夕食。
 生湯葉の枝豆ソース
 味噌田楽
 ラタトゥーユ
 鮎の塩焼き
 なまずの天ぷら・みぞれあんかけ
 上州黒毛和牛サーロインステーキ・トリュフバター添え
 赤木地鶏のサラマンダー焼き
 ご飯
 上州麦豚と里芋のけんちん汁
 香の物
 フルーツ

 ごま油風味の効いたラタトゥーユが一番のお気に入りだった。キーロインステーキもお箸で食べられるように薄く切ってあって、柔らかく、おいしかった。
 フルーツまでは食べられなかったのでお部屋にお持ち帰り。

 部屋はメゾネット・タイプで、上の階が寝室。

 夜中に二度ほど目が覚めて西館の風呂に。洞窟風呂という暗い風呂が気に入ってしまった。とても落ち着くの。スイッチを入れると湯船の下の小さなたくさんの色とりどりの電球がチカチカ光って、これがまた楽しかった。

6月12日記





















静かなお喋り 6月10日

静かなお喋り

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