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蕎麦湯ぶれいく

源氏山公園七福神めぐり

2014年9月11日

 8月はどこへ行っても混んでいそうなので、9月になったら残暑を逃れて、どこか高原の避暑地に行こうと計画していたのだが、今年は早くも8月下旬から秋を思わせる陽気になってしまった。例年だとお彼岸までは暑い日が続くのだが、今年はどうしたことだろう。これじゃあ高原は涼しさを通り越して、寒そうではないか。しかも寒冷前線が南に降りてきていて、あまり天気もよさそうにない。これでは高原に行っても寒いばかりか雨の心配もある。さあて、どうしよう。天気予報を見てみると、どうやら南に行けば寒冷前線の影響を受けにくそうだ。当初は長野、山梨、群馬、栃木あたりのどこかから選ぼうと思っていたのを、急遽、伊豆に変更することにした。

 東伊豆は去年の同じ時期に行ったから、となると西伊豆、南伊豆、あるいは中伊豆がいい。インターネットを見ているうちに、伊豆長岡という地名に引っかかるものを感じた。踊り子号で行くと、修善寺のひとつ手前。以前、修善寺には何回か行ったことがあるが、伊豆長岡は素通りしていた。伊豆長岡かぁ。行ってみようか。こうしてまたインターネットで伊豆長岡を調べることに没頭。よさそうな旅館も見つかったし、散歩コースもある。よし、伊豆長岡にしよう。さっそくインターネットで宿に予約を入れた。

 12:00東京発の、踊り子115号の切符を買ったのだが、朝から雨。気分が落ち込んでくる。東京駅を起点にして旅行に出る場合は、いつも東京駅まで歩くことにしている。少し早めに出て東京駅で弁当とお茶を、ゆっくりと選んで買い、余裕を持って列車に乗り込みたい。とすると、家を出るのは、11:10ごろかな。その時点で雨が降っていたら地下鉄で東京駅に行くことになる。10:00になっても雨は止まない。しかもやや強い雨。もう歩きは諦めた10:45ごろ、突然に雨は止んだ。ラッキー! これなら歩いて東京駅に行かれる。

 予定通り、11:10に出発。雨が降る中の出発じゃあ気分が落ち込んでしまうけど、雨はすっかり止んで、心が浮き立ってくる。東京駅の改札を通り、ノースコートへ。ここの[ニッポンの駅弁]の弁当がお目当て。パッと見て目に飛び込んできたのが、リストランテホンダのタリアータ弁当。野菜がたっぷり乗っておいしそう。これを今回の駅弁にしよう。1250円。

 ホームの自販機でレモンティーを買う。修善寺方面へ行く踊り子号は車内販売が無い事は一昨年に体験済み。食べ物、飲み物は購入してから列車に乗り込まねばならない。車内は、やはり平日は高齢者ばっかり。12:00発ということで、みなさん駅弁を広げていらっしゃる。私もさっそくタリアーノ弁当を取り出す。今回の料理名は正しくは、牛肉のタリアータ、彩り野菜と黒にんにく添え、十穀ごはん。バルサミコ酢か容器にたっぷり入っていて、これをかけて、「いただきま〜す」。これだけたくさんの野菜が入っているのはうれしいなぁ。思わずワインを買ってくればよかったと思ったけど、昼間からアルコールは飲まないことにしているので、我慢、我慢。

 伊豆長岡までは2時間弱で到着。旅行に出るにはちょうどいい距離だ。あまり遠いと、行きはいいけど、帰りが億劫になってしまう。修善寺に向かう踊り子号を見送って、改札を出る。宿のチェックイン時間は15:00から。まだ1時間近くある。駅からはタクシーかバスを使うことになるが、地図を見る限りにおいては宿まで、そんなにたいした距離にも思えない。ぶらぶら歩いて行く事にする。狩野川にかかる千歳橋を渡る。縁起のいい名前だ。橋から下を覗くとカヌー教室をやっていた。若い頃、カヌーって憧れたよなぁ。今からは、もうちょっと体力的にキツそう。興味のある事は若いうちにやっておくべきだった。

 今宵の宿、[香湯楼井川]はすぐに見つかった。でもまだチェックインには時間がある。この宿の裏手に小高くなっているのが源氏山公園。その公園と周辺には七福神が祀られ、七福神めぐりが出来るようになっている。時間つぶしと、夕食前の運動を兼て、この七福神を廻ることにする。福禄寿の長温寺と、恵比寿神の湯谷神社は宿から北側。そこをお参りして引換えし、[あずまや]の脇から源氏山公園に入る。山の中を、弁財天、寿老人、大黒天、毘沙門天と回り、はて、もうひとつの布袋尊が見つからない。これはあとから、源氏山公園ではなく、宿の南側だったと知ることになるのだが、15:00も回った事だし宿へ行く事にする。七福神の像を見て歩くのも楽しかったが、長温寺の境内と、源氏山公園の石段のところどころに置かれた石仏を見るのも楽しかった。

 [香湯楼井川]の前まで戻ると、宿の人が迎えに出ていて、名前を尋ねられた。案内されて館内へ。ロビーは暗く落ち着いた照明。なんだかホッとする感じがする。座り心地のいいソファーに案内され、宿泊カードにサイン。鍵を受け取る。

 部屋は余計なものを置かない広々とした座敷。照明も工夫されていて落ち着いた演出が施されている。部屋の奥に大きなソフアー。このソファーが硬めに作ってあるのだが、座り心地がいいるさらには横になるとこれまた身体が沈み込まずに、寝心地バツグン。このソフアー、欲しくなってしまった。

 とりあえず大浴場へ。風呂は最上階。ガラス張りで伊豆長岡の街が一望できる。露天も付いていて、解放感いっぱいだ。

 夕食まではまだ少し時間があるので、リラクシングサロンへ。ここでは足湯に浸かりながら、飲み物がいただける。アルコール類は有料なのだが、係の人を呼んで生ビールを注文。私は今まで足湯というものに興味が無かった。だって、せっかくの温泉なんだもの、肩まで浸かった方が気持ちいいではないか。それが、ここの足湯を使ってみて考えが変わった。足湯に浸かりながらビールを飲んでいると気持ちがいい。長時間ゆったりできる。足湯っていいものですねぇ。それとBGM。波の音がかぶさるヒーリングミュージック。すっかりリラックスできた。

 17:45 夕食。旅館の夕食はとにかく量が多い。絶対に食べきれないのだが、この旅館は食事の量が少ないプランがあったので、それにしてもらった。それに、伊豆の旅館というのは総じて、金目鯛に伊勢海老に鮑がご馳走だと考えているところが多い。私も以前はそういうものをありがたがっていた傾向があるが、さすがにもうそれほど魅力を感じなくなってきた。金目鯛の煮つけなどは、東京のランチタイムでも食べることができる。ここの夕食にはそういったものは出ない。和洋合わせた創作料理が出される。これが量も軽めでおいしかった。ビールは足湯に浸かりながらいただいたので、夕食にはスパークリングワインを注文した。食前酒、ご挨拶の一皿(海老とチキンのゼリー寄せ)、前菜(蛸のマリネ、茄子田楽など)、お造り、焼物、メイン料理の鮭のパイ包み焼き、松茸の茶碗蒸し、きのこ鍋。いつもは満腹で食べるまで至らない、おいしいご飯に、味噌汁、漬物までおいしくいただけました。デザートの白桃プリンでお腹いっぱい。料理少な目プランにしてよかった。

 食後に、この日のハイライトが待っていた。三つある貸切風呂を50分間利用できるのだ。私の予約したのは白を基調としたHAKU。時間になったのでフロントで鍵を受け取り、貸切風呂へ。鍵を開けて中に入って驚いた。脱衣所が結構広いスペースになっていて、ソファーが置かれている。しかも、ソファーの前のテーブルには氷の入った容器が置いてあって、地ビールとミネラルウォーターが入っているではないか。たまげた。風呂は半露天風呂。湯に浸かってのんびりしていると屋根にバラバラと雨の音。やがて雷が聴こえてきた。それもちょっとした演出効果でうれしい。この無理用貸切風呂の予約は宿に到着順に好きな時間帯が決まる。もし今度またこの旅館に泊まることがあったら、早くチェックインして、夕食前に貸切風呂に入りたいな。

9月14日記





















静かなお喋り 9月11日

静かなお喋り

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