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蕎麦湯ぶれいく

切込湖・刈込湖ハイキング

2018年5月16日

 本格的登山なんてのは、もうとっくに「無理」と諦めているが、軽いハイキング程度ならと思ってはいた。ところがそれすらもう私には向いていないと思えてきた。軟弱ハイカーを自任していて、急な坂道は上りだろうと下りだろうと大ッ嫌い。できるだけ平坦な道ばかり選んで歩くようになってきた。
 ネットで日光周辺のハイキングコースを調べ、龍王峡コースや戦場ヶ原周辺のコースは「初級」となっていて、実際に歩いてみると、ほとんど平坦だし歩きやすかった。最後に残った「初級」コースが「切込湖・刈込湖コース」。これを歩いてやろうというのが今回の旅の目的。
 ところが出発前日になって、どうも嫌な予感がしてきた。ひょっとしてこのコースは小学生の遠足が気軽に歩いているようなところとは違うんではないかという胸騒ぎがした。ネットをさらに調べていると5月でも残雪があったり、ぬかるんでいたりする個所があるという記述を見つけた。これはちゃんと登山靴を履く必要がありそうだ。4年前に買って一度だけしか履かずにそのまんまになっていた登山靴を出して来た。

 9時半に[森のホテル]をチェックアウト。
 温泉寺から源泉が沸き出している横を通って、ハイキングコースへの上り口へ。道は狭い上にぬかるんでいる。登山靴を履いていなかったら、この時点で引っ返していたかもしれない。ところが幸か不幸か登山靴を履いてきてしまっている。「こんなぬかるみ登山靴ならものともしないぜ」と道に入る。と、狭い山道の上り坂が続いている。早くも挫折しかかりながら、「これは最初のうちだけで、そのうち平坦な道が続くようになるさ」と自分に言い聞かせて登る。
 突然に自動車道が現れた。な〜んだ、ここまで自動車で来られるんじゃないか」と思うと、ちょっとガッカリした気分になる。
 気を取り直して自動車道を渡り、再び山道へ。さらに上り坂が続く。途中で振り返ると湯元の町が見える。
 ふうふう言いながら登っていくと、小峠というちょっと広い場所に出た。どうやらここまでが一番キツいところらしい。ベンチがあったので休憩を入れてから出発。
 どう考えたって、この険しい上り坂が続くコースと戦場ヶ原のお散歩コースを、同じ「初級」でくくるのは納得ができない。

 まだしばらく上り坂が続いたりしたが、やがて平坦な道も現れ、そして道は下り始めた。この下り坂というのが曲者で、慣れてないと上りよりも歩きにくく時間がかかる。若い時は足取りも軽かったのに、今は一歩一歩慎重に下りるから時間がかかる。

 刈込湖に到着。静かな山の中の湖。しかしよく考えると、去年平坦な道だけで行った西ノ湖の風景と似ている。どうせ来るなら楽な西ノ湖のほうがいいやと思ってしまう。

 刈込湖から左に湖を見ながら進むと、隣の切込湖。きれいだけど、苦労して来るほどのものじゃないと思い始めたころに、絶景が現れた。これが涸沼(かれぬま)か! いや、この息を飲む景色をどう説明したらいいのだろうか? 幻想的な、今まで観たこともない景色としか言いようがない。写真も撮ってみたが、とうていその場で肉眼で見た景色にはならない。圧倒されて声もなく見つめているだけだった。

 急な上り坂を登って山王峠。キツい。
 そこからはひたすら下り坂が続く。これが慎重に慎重に下りるものだから、上りよりはるかに時間がかかる。
 いや〜、あの涸沼の絶景は戦場ヶ原の「貴婦人」どころじゃない。はるかにすぱらしい。人があまり行かないのは、やはり行くまでにそこそこ大変だからだろう。涸沼周辺が荒らされないためには、これ以上道路を整備したりしない方がいいと思う。私もこんなに苦労するくらい何なら、もう二度と来ないだろうけれど。

 光徳へ抜けて[アストリアホテル]前のバス停に辿り着く。現在14時32分。コースタイムよりかなり時間がかかってしまった。次の東武日光駅方面は14時37分。あと5分。ホテルに入り何か冷たい炭酸水を売ってないか捜す。売店があったので行ってみたら冷蔵庫にサイダーが売っていたので購入。バスが来たので乗り込み、サイダーの蓋を開ける。私にしては速いピッチで、むせながらも一本飲み干してしまった。

5月18日記


温泉寺へ続く参道


湿原を抜ける


山道を登る。遠く山には残雪が見える


小峠で休憩。これから刈込湖へ


ようやく平坦な道も現れたが道に残雪も


刈込湖。人っ子一人いない山の中の湖


左に湖を見ながら歩く


無゜ン躁的な涸沼(かれぬま)。写真では伝わりにくい


少しズームアップしてみる


喉がカラカラ。買ってきたサイダーを飲む


静かなお喋り 5月16日

静かなお喋り

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