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蕎麦湯ぶれい

大山登山

2013年11月21日

 Face Book 仲間が日曜日に大山へ行ったそうで写真を公開していた。阿夫利神社下社の紅葉の様子があまりにきれいなので、「行ってみようかな」という気になった。

 大山へ行ったのは、中学校の遠足。バスで行って、こま参道の石段を上り、ケーブルカーに乗って阿夫利神社下社へ行って、東京方面を高いところから眺めて帰って来た。考えてみたら、もう45年くらい前の話だ。あれで大山にも登った気になってしまっていて、近場の山だというのに今まで行っていなかった。

 今朝は6時の目覚ましで起きた。仕度をして6時半ごろに家を出る。

 日比谷線、千代田線を乗り継いで代々木上原から小田急線の急行に乗る。まだ7時台だというのに混んでいる。小田急沿線のハイキングに行こうとしている行楽客もいるが、大半は通勤客。やがてラッシュ状態になる。ええっ!? ウソだろ、下り線だよ。ふ〜ん小田急線沿線にも会社はあるということなんだな。

 それにしても混んでいる。私は座れたが、これから仕事に行こうという人たちが立っていて、遊びに行こうという私が座っているというのはちょっと申し訳ないような気になってくる。隣に座っている人も高齢者だが、やはりひとりでハイキングに行くらしい。大きなリュックから箱根の地図を取り出して眺めている。それはいいのだが、この人、リュックを足元に置いているのだ。これだけのラッシュ状態になってもそのまま。これは立っている人に迷惑だと思う。なぜ自分の膝の上にリュックを乗せないのだろう? 地図を見るのに邪魔だというのかもしれないが、こんなに立っている人がいる。地図なんて見ている場合じゃないだろう。あるいは、網棚だって上にあるのだから、そこに乗せればいいのに。

 8時過ぎに伊勢原に到着。バス停に向かうと、大山ケーブル行きのバス停の前にはもう列ができている。最後尾に並びバスの到着を待つ。しばらく待つうちにバスが到着。乗り込んで、なんとか席を確保。私のあとにもかなりの人数が並んだらしくて、バスもラッシュ状態で出発。路線バスだから当然地元の人も利用しているバス。途中で降りる人もいて、なんだかこれもこれから遊びに行く身としては申し訳ないという気になる。

 終点で降り、こま参道の石段を上る。両脇の土産物屋、茶店、料理屋はまだ時間が早いせいでほとんどどこも閉まっている。料理は豆腐料理が名物らしい。それと、いのしし鍋。しし鍋なら両国の[ももんじや]でおいしい江戸前のものが食べられるから、なにもここで食べることもないしなぁ。

 ケーブルカーは9時から運転開始。ちょうど9時ごろに駅まで着く。大半の人はケーブルカー駅に向かう。また混みあったケーブルカーに乗りたくなかったのと、今回の目的は登山なので、下から歩いて登ることにする。阿夫利神社下社に向うには男坂と女坂があり、男坂の方がきついらしい。ここでまた残った大半の人が女坂に向かう。ならばと男坂に足を進める。これが登り始めてすぐに後悔することとなった。男坂はほとんど急な石段。前のめりになって目の前の石段につかまりながら、這いつくばるようにしないと登れないところがある。涙目になって登る。

 休み休み30分近くかけて登り切り、到着。ここから阿夫利神社下社へ行き、その横から大山登山を開始するのが普通のルートだが、ここから見晴台へ抜けて、雷ノ峰尾根を通って大山山頂へ向かうルートを行く事にする。こちらの方がどうも人が少なそうだ。見晴台への道はそれほどアップダウンも無く気持ちのいい道だった。20分ほど歩いて見晴台へ。ここからは東京方面の展望が開けている。三脚にカメラを据えて撮影している人も多い。

 しばし休憩して、ここから大山へ向かう。高度が上がるにつれ展望が広がっていく。そしてわかってきたのがこの大山というところは、東京方面だけではなく、左に東京、そして右へ向かって横浜、三浦半島、江の島、相模湾、真鶴半島から伊豆半島、そして天気さえよければ大島まで見えるという絶景のポイントだということ。これは贅沢だ。すっかり高尾山が人気になってしまったが、山の中を歩くならあちらの方が楽しいかもしれないが、上からの眺めは大山の方が楽しい。こちらも人出は多いから、近年は人気になって来たのかもしれないが。

 そこそこ険しいが登りやすい道になっていて、お昼頃に大山山頂へ到着。ここから双眼鏡持参で眺めている人も多し。「東京スカイツリーも見える」と言っている。「裸眼でも見えますよ」と言われたが私の視力ではついに確認できず。年は取りたくないものだ。

 茶屋があって、食べ物や飲み物も売っている。とん汁や山菜そばが500円、カレーライスが600円で、焼おにぎり2個で300円は、この場所を考えれば安いだろう。

 帰りは阿夫利神社下社の裏手へ抜けるルートを下る。さすがにこちらのルートは大勢の人が登ってくる。ちょっと下ったところから、今度は海側ではなく反対方向が見える。富士山だ! 大山というところは凄い。北も南も展望が利く。

 誤算だったのは、この下りルート、道幅は広いが足場がちょっと悪い。用心しながら降りる。横を山ガール、山ジジイ、山ババアが私をスイスイと追い抜いて行く。悔しいけど仕方がない。これは鍛え直さないとダメかも。

 やっとの思いで阿夫利神社下社へ到着。ここからの眺めは中学校の遠足で来たときの風景を思い出すもの。しかしなんといっても紅葉だ。なんて見事な紅葉だろう。人が集まってくるのも無理のない話だ。

 腹が減ったので、パンフレットで見たきのこカレーというのを食べたいと思ったのだが売っていない。パンフレットを見直すと、販売するのは、今年は11月23日から12月1日の9日間だけと書いてある。まだやってないのか。それなら山頂でとん汁でも食べてくればよかった。

 帰りはケーブルカーに乗ろうかと思ったが、また混んでいる様子。ええい、ここまで来たんだ。歩いて降りようと、今度は女坂を下り始めて再び後悔。もう私の足は、大山からの下りで私の足と膝はもう限界に達していた。膝がガクカクして足が前に降りるのを嫌がっている。それでも騙し騙しゆっくりと降りていく。

 途中、大山寺を通る。ここの石段近くの紅葉がまた見事。上の阿夫利神社下社よりもきれいかもしれない。男坂は急なだけであまり風景は面白みがないが、女坂はいろいろと風景が変化して楽しい。やはり女坂を歩いて登り、阿夫利神社下社の横から正規ルートで登って、帰りは雷ノ峰尾根ルートというのがベストなんだろう。

 涙目になりながらケーブル駅へ到着。ここからのごま参道の石段が恨めしい。嫌がっている膝をなだめながら、手すりに掴まりながら降りる。

 バス停に着いてみると、これまた長蛇の列。バス会社の人が臨時便を出すと説明している。10分置きにバスが来て、伊勢原駅までピストン輸送だ。それでもバスの中はラッシュ状態。私は上手い具合に前のバスが満員になった手前で切れたので、次のバスに座ることができた。足がガクガクだったから、これは助かった。

 伊勢原駅で電車に乗る前に腹ペコに耐えられず、駅そば[箱根そば]によろめくようにして入って、かき揚げそば。370円。

 乗った快速急行もけっこう混んでいる。最初は座れずに立っている。膝が「座りたーい」と言っている。

 地下鉄に乗り継いで帰宅。洗濯機を回し、湯船にお湯を張り入浴剤を入れて入る。私の足、ご苦労様でした。

11月22日記





















静かなお喋り 11月21日

静かなお喋り

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