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蕎麦湯ぶれいく

大島公園〜海岸線遊歩道を歩く

2013年3月8日

 7時に起きて風呂へ行く。
 昨日はかなり足元の悪いところを歩き回ったせいか、脚の腿や、ふくらはぎが筋肉痛を起こしている。湯船に入ったままマッサージ。今日も歩くぞ。

 資料を出してきて、今日のプランを検討する。この時期に大島にやってきたのも椿まつりの真っ盛りだからであり、椿を見たい。椿を見るとなれば島の北東部にある大島公園だろう。東の海岸には遊歩道が伸びているらしいから、この遊歩道を歩いて大島公園まで行ってみるという計画にした。うまくすれば、白い花の咲く大島桜も見られるかもしれない。

 8時朝食。メニューは和食だった。朝も新鮮な野菜を使ったものが食卓に並ぶ。うれしかったのはサンマのクサヤ。大島まで来て、やはりクサヤは欠かせない。半分に切った上の部分はワタを取らずにクサヤにしている。これが苦味があっておいしい。しかも柔らかくて頭まで食べられる。

 元町港からバスに乗ることにする。大島は、船が元町港を使うか岡田港を使うか、その日の天候の具合によって別れる。昨日は岡田港。今日も岡田港になるという。島の中心は元町港の方にあるから、元町港からの発着の方か何かと便利なのだが、それも天候や海の具合となると仕方ない。
 現実に今日の元町港の海は時化ていた。強い風が吹き、大きな波が岸壁に打ちつけている。ドックを歩いてみたが、強風で身体が持って行かれそうになる。海は白波が立ち、荒れた海が遠くまで続く。

 10時10分の大島公園行のバスに乗る。岡田港から午前便で帰る人も乗っているらしくバスはそこそこ混んでいる。
 やはり岡田港でほとんどの人が降りた。そして午前便でやってきた人が乗りこんでくる。

 泉津まで乗り、ここでバスを降りる。
 進行方向に自動車道をしばらく行ったところで、遊歩道に降りる案内板を見つけた。ここからクルマに邪魔されず、のんびりと歩くことが出来る。
 とはいえ、道は狭くアップダウンもかなりある。昨日、悪路を4時間位歩き回ったツケで脚が重い。それよりもっと悪いのが花粉症。歩いていて鼻水が止まらない。大島なら花粉はたいして飛んでいないだろうと思ったのだが、その考えは甘かった。
 先週まではまだ寒かったとのことだが、今日はもう春の陽気。歩いていると汗ばむくらい。途中で下に着ているものを1枚脱ぐ。
 道は時々左手に海が現れたり、山の中に入って行く感じになったり、あるいは林の中を抜けるようなところもある。松ぼっくりがたくさん落ちている。齧った跡があるのはリスがたくさん生息しているらしい。
 海が間近なところでは潮騒が聞えてくる。
 元町港の海は荒れていたが、こちらは静かな海面が広がっている。
 海を覗き込むと、透明度がいい。私が若い時にダイビング講習合宿に大島へ来た時には、あいにく海が荒れていて透明度がイマイチだったなぁ。あのときにもっときれいな海を体験していたら、ダイビングに夢中になっていたかもしれない。

 2時間近く歩いただろうか? 大島公園に上がる道の分岐点に来た。このまま歩き続けてもいいが、休憩がしたい。道を登る。

 遊歩道にも椿がたくさん植わっていて、椿の花も咲いている。椿の花と言うと、どこか大振りで花としてはボテッとした感じがあまり好きではない。真っ赤というのも、同じ赤でもバラのような細かい花びらがあるのとは違う。大味な花だなあというのが私の印象。

 ところが大島公園に行って驚いた。椿園という大きな庭があり、たくさんの椿が植えられていた。ひと言に椿といっても、その種類は多く、色も形も様々。「えっ、これが椿なの?」というものもたくさんあった。いやいや、椿に対する認識を新たにした。

 売店でアイスクリームを買って食べる。大島牛乳アイス。案外さっぱりしている。本当は牛乳が飲みたかったところだが牛乳は売っていなかった。観光客に売るほど乳牛はいないということなのか? それにしては名物に牛乳煎餅が売られているが。

 帰りのバスは14時40分。まだだいぶ時間がある。元気を出して遊歩道に戻り、続きを歩き出す。ここから先はどうやら道幅も広くなり歩きやすい感じだ。行者橋を越えたところで、引返すことにする。

 大島公園では、椿まつりの一環で、あんこ姿のおねえさんたちの踊りが始まった。観光客たちもたくさん集まっている。
 駐車場には観光バスがズラリと並んでいる。“河津桜と大島椿まつりコース”は伊豆の河津桜と大島の椿をいっぺんに見てしまおうというツアー。あるいは“熱海梅林と大島椿まつり”という組み合わせもある。もっと欲張った企画だと、“河津桜と伊豆大島と春を感じる房総フラワーライン3日間コース”なんていうものまである。どうやら東京近郊のツアー会社の企画ではなく、地方からやってきたツアーらしい。せっかく関東に行くのだから、一気に回ってしまおうということらしい。

 大島公園には椿だけでなく、やはり大島桜も植わっていて、きれいに咲いていた。花びらは白く、やや大振り。それでも、きれいだなぁ、これは。

 路線バスで岡田港へ。

 帰りは、港の屋台でサザエを焼いてもらうことに決めていた。25年前のスキュバダイビング合宿講習の帰りに、港の屋台で食べたサザエのつぼ焼きの味が忘れられないのだ。
 あのときは屋台がズラリと並んでいたものだが、今回行ってみると屋台は一軒だけ。話を聞くと、みんな店を閉めてしまい、残っているのはここ一軒だけなんだそうだ。
 サザエとハマグリを焼いてもらい、日本酒を貰う。大島の地酒かなと思ったら、秋田の酒。
 「大島では、米は採れないんですよ」
 そういえば、田圃を見なかったなぁ。

 日本酒を飲みながら、2日間の旅を思い起こす。今回もずいぶん歩いた。花粉症にやられ、かなり体力も消耗したが、また来てみたい。今度は三原山から大島公園に抜けるテキサスコースというのを歩いてみたい。

 快速線が走り出して間もなく、日本酒の酔いと2日間の疲れで眠り込んでしまった。

3月10日記





















静かなお喋り 3月8日

静かなお喋り

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