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蕎麦湯ぶれいく

2012年9月13日下田海中水族館

 6時すぎに目を覚ます。お茶を飲んで、ぼんやりと外の風景を眺め、7時近くなってから露天風呂・満天の湯へ。旅館に泊まると、早起きをして、朝一番で風呂に行くことが多い。誰もいない風呂にひとりで入るのが好きだからだが、ほかに泊り客がいないという珍しいめぐり合わせ。急いで風呂に行かなくても、風呂場はひとりだ。とはいえ、やはり早朝の露天風呂くらい気持ちのいいものはないのだけれど。

 昨日入ったのは夜遅くだったから、周りの景色は何も見えなかったが、今朝は周りの山々がよく見える。まだ早いが、心なしか少しずつ色づき始めているような気がする。
 涼しい空気を深呼吸。
 湯船から出て着替える時に自分の身体を眺めてみると、昨日体重を量ったら2キロほど増えていたこともあるのだろう。腹部に肉が付いてきたような気がする。腹部ではなく、腕とか脚に肉を付けなきゃ。体力落ちてるものなあ。

 朝食も部屋まで持って来てくれた。
 まずは宿の庭で採れたという夏みかんのジュース。女性は割と難なく飲むそうだが、私はちょっと一口飲んで、このままではダメ。シロップを入れて飲んだ。でもこれで目が覚めた感じ。
 茶わん蒸し、アジの干物、豆乳豆腐、蒲鉾など、ご飯が進むおかずばかりで、ついつい食べ過ぎてしまった。う〜、苦しい〜。

 食後は、残るもうひとつの風呂、化粧の湯へ。こちらは檜の風呂と、露天。昨日入った庄屋の湯もよかったが、こちらの方が落ち着く感じだ。

 昨日から、三種類の風呂入り、大満足。しかも独占だもんなあ。

 9時45分にロビーに下りて、コーヒーを飲む。そういえば、コーヒーを飲むのは久しぶり。最近はアイスコーヒーばかり飲んでいたからなあ。

 10時15分に送迎車が来て、下田駅に送ってもらう。また30分のドライヴ。

 下田駅から下田海中水族館行きのバスが出ている。歩いても行けそうだが、これに乗る。ほどなく下田海中水族館到着。いつだったか、かなり昔に一度来た記憶があるのだが、もう忘れてしまったなあ。なんだか天気の悪い日だった記憶がある。今回はとてもいい天気に恵まれた。

 アシカショーとイルカショーがほどなく始まるというので、館内の水槽をブラブラ見ながら、マリンスタジアムへ。アシカもイルカもよく芸を仕込まれている感じ。待機していなきゃいけないときはジッとしている。しかもお客さんによく見えるように水槽の客席近くにいて、静かにしている。それがなんで合図がわかるのか、次の芸を始めるとなると飼育員のところにサーッと近づいていく。お客さん参加のコーナーもあり、拍手と笑いに包まれる楽しいショーだ。

 次にアクアドームで魚の餌付ショーが始まるというのでそちらに移動。イワシが群れをなして泳いでいるのだが、そこにウェットスーツを着た飼育員が入って行ってミジンコのようなものを撒くとブワーっと寄ってきてたいへんな事になっている。
 さらに隅の方で眠っているカメやネコザメを捕まえてきては、お客さんに見せてくれる。
 ネコザメはおとなしくてカワイイ。

 ネコザメといえば、別の小さな水槽に小さなネコザメが入れられていて、触ることができる。もちろん人間が手を突っ込んで触ろうとすると、イヤイヤイヤイヤと逃げるのだが狭くて浅い水槽なので触られ放題。ネコザメに対してセクハラ放題(?)ができる。痴漢か!?

 そのあとは海上ステージでのイルカショー。イルカが飼育員を押して海上を泳ぐところは、『ジョーズ』でサメに噛まれて女性が水上を座ったままで移動するシーンをちょっと思い出す。嫌な連想だね。

 このあと、ボートに乗ってイルカの近くまで行ってみようと思っていたら、これからドルフインフィーディングという、イルカの調教体験ができるアトラクションが始まるというので、そちらに参加することにした。飼育員さんの説明を聴き、合図によってイルカがヒレを触らせてくれたり、鳴いたり、腹を見せたりする。もちろん芸をしてくれたあとは餌をあげるのだが、この餌のイワシが鮮度がよくて、このまま生姜醤油でこちらが食べたいくらい。
 楽しい体験になった。今度来るときは、シュノーケルでイルカと泳ぐアトラクションに参加してみたいが、その前にきちんと泳げるように体力を整えておかねば。いまだと溺れてしまいかねない。

 再び下田駅へ戻る。ちょうど上り電車が出るところで、それに乗る。
 喉が渇いていたので、駅で、しずおかお茶コーラなるものを買う。液体の色を見ると濁った緑色をしていて、いかにもお茶という感じだが、飲んでみると、さすがにお茶の味はコーラによってすっ飛んでしまっている。
 今年の夏は、コンビニで炭酸の入っていない紙パックの乳酸飲料入りのコーラとか、紅茶入りのコーラも飲んだが、日本茶とはねえ。

 伊豆高原で降りて、タクシーで今宵の宿[クラリス]。ここはオーベルジュとは謳っていないが、いわゆるオーベルジュといっていいだろう。ちょっとしたイギリス風の庭園の中に、ホテルのフロントを兼ねたレストランが建っていて、そこに行くと、庭園を抜け、ちょっと坂を上がったところにある建物に案内してくれた。

 インターネットで予約を入れるときに、せっかくイギリス風の庭園のホテルだからと、一室だけあるブリティッシュ・コージー・ルームを予約した。家具や内装がイギリス風で、このホテルに合っているなと思ったからだ。

 荷物を置いて、散歩に出る。
 伊豆高原というところは別荘地として発展したところらしくて、駅までの道すがらは、レストラン、ミュージアム、不動産屋などが立ち並んでいる。ちょっと軽井沢や清里にでも来たような気分になる。引退した今となってはこういうところに住むのも選択肢ではあるのだが、やっぱり私は都会の方が自分に合っている気がする。

 伊豆高原の駅まで行き、そのまま海岸へ向かう。吊り橋には去年来た時にも行ったが、今回は吊り橋の手前で海岸に降りてみた。ここはかつて毎年のように夏になるとやってきたところで、シュノーケリングを楽しみバーベキューをやった。今来てみると、険しい道を降りることになるこの場所によくぞ来ていたものだと思う。ここをビーチサンダル姿で昇り降りしてたんだもんなあ。今じゃ絶対に願い下げだ。

 伊豆高原駅まで戻る途中で、今日も猫に遭遇。それも二匹。夕方ともなると、今やそれほど暑くないから猫も散歩に出てくるらしい。写真を撮らせてもらうが、今日はもうたくさん写真を撮ったから、下に載せる候補からは外れそうだ。

 またタクシーで[クラリス]へ戻る。夕食前に風呂。大浴場は無く、各部屋にバスルームと露天風呂が付いている。イギリス調の部屋に突然露天風呂というのも面白い。

 18時30分。レストランでフレンチの夕食。泊り客はみんなふたりずつ。老夫婦らしきカップル、若いカップル、若い女の子二人連れ。小さなレストランの小さなテーブルにふたりずつ向き合ってコース料理をいただく。前菜は、このホテルの庭をイメージした盛り合わせ。鮑のウニソース、スズキのポワレ、牛ヒレのステーキなど、おいしい、おいしい。

 食後、「ぜひ、お好きなDVDをご覧ください」と、言われる。棚から『レミーのおいしいレストラン』を借りる。五月に泊まったオーベルジュ・アルカナはあえてテレビを置いてなくて、DVDを観たいならハードとソフトを届けると言われたが、確かに世間を忘れた一夜を過ごすならテレビのバラエティやニュースショーでもないだろう。
 部屋にはホームシアター・システムも導入されていた。これでピクサーの名作を楽しむ。

 23時、観終わって就寝。

 夜中に一度目が覚め、露天風呂に入ったが、あとは朝までグッスリ。





















9月16日記

静かなお喋り 9月13日

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