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蕎麦湯ぶれいく

2012年10月19日谷川岳

 上越館には、ほかに露天風呂もあるのだが、これは予約しなければならない。一部屋40分の制限でチェックインの際に予約する。最近は日が落ちるのが早いから、翌日にしてもらった。私は朝起きぬけに風呂に入るのが大好きなので、朝一番でとリクエストしたら、7時30分からの40分間という事になった。

 夜中に何回か目が覚めたが、そのまま眠り続け、何回目かに目覚めたときに時計を見たら7時19分だった。体内時計というのは実によく出来ているものらしい。

 フロントで露天風呂の小屋の鍵を借り、バスタオルを持って宿からちょっと離れた露天風呂まで歩く。

 空気は気持ちいいが、さすがに寒い。小屋で浴衣を脱ぐと寒くて堪らない。急いで湯船に浸かる。

 空を見上げると雲の合間にスカイブルーが見える。今日はいい天気に恵まれそうだ。

 ただ、朝の気温はあまりに寒くて、湯から上がると震えてしまう。湯に入っている分にはとても気持ちがいいのだが。今度来るときは、もう少し暖かい季節にするか、露天風呂は朝食後にしようかな。

 朝食は8時半。洋食と和食ができるとのことで、洋食にしてみた。これがただものではなかった。梅こぶ茶から始まって、レモンジュース、写真のようなスクランブルエッグやらチキンやらホタテやらチーズとトマトやらのプレート、ポトフ、ヨーグルト、お皿いっぱいのシーザーサラダ、クラムチャウダーにパン、デザート、ミルク。どれもおいしくて完食してしまった。お腹いっぱいだよう。

 腹ごなしもあって、部屋で寛ぐ。何が何でも観光に行きたがる人もいるが、もうこの歳になると、宿でのんびりするのが一番に思えてくる。最後の入浴に行き、部屋にあったドリップ式のコーヒーを淹れ、時間を潰す。

 この部屋にはロッキングチェアがあって、座ってみると実に具合がいい。私は昔から歳を取ったら、ロッキングチェアにひざ掛けで本を読むのが夢だった。もう一泊して、この椅子で本を読んでいたくなる。いや、帰ってから、いいロッキングチェアを探すとするか。

 宿のすぐ近くの国道にバス停がある。そこを10時49分に通るバスに乗って谷川岳ロープウェイまで行くことにする。10時35分にフロントへ行ってチェックアウト。女将さんと若い女性スタッフが、またニッコニコの笑顔で外まで見送りに出てくださる。別にそんなに丁寧にしてくださらなくてもと思いつつも、「いい宿に泊まったなあ」という充実感でいっぱいになる。

 バス停で待つことしばし。路線バスが近づいてくる瞬間は、いつものことながらうれしい。

 バスで15分ほど走ったところで、八ヶ岳ロープウェイ駅到着。ロープウェイのチケットを買い、乗り場に向かう。高価そうなデジタル一眼レフカメラと三脚を持った高齢者の姿がやたらと目につく。まあ、結構なことだが、私はとうていその気にはなれないなあ。ポケットに入る小さなカメラが一台あれば十分だ。おそらく旅の目的が私とは違うんだろう。あの人たちは写真を撮るのが目的。私は旅そのものが目的なんだから。写真を撮ることに振り回されたくはないというだけの事。

 ロープウェイで一気に天神平駅へ。さ、寒い。ここからさらにリフトがある。せっかくここまで来たのだからと、リフトでさらに上まで行ってみることにする。なんだか最近は旅行というとロープウェイやリフトに乗っているなあ。それに動物園や植物園。電車にバス。宿に温泉に食事。そしてなぜか猫。撮る写真も同じようなものが多いような。

 天神峠着。もっと寒い。紅葉は下よりは進んでいる感じ。しかしやたら寒いのと、時折雨が降ってくる。道も岩がゴツゴツしていて歩きにくい。あっさりギブアップ。早々に引き返すことにする。

 またリフトとロープウェイで下まで降りる。駅で貰ったパンフレットを眺め、一ノ倉沢まで行ってみることにする。一ノ倉沢までは車両通行止めにしていて、本来車も通れる道を歩行者に開放しているらしい。歩き出してみると、車は通っていないから安心して歩ける。いわば山の歩行者天国。道は広々しているし、そんなに急な坂もない。山のきれいな景色を眺めながらのんびり歩いて45分ほどで一ノ倉沢に着いた。ここもあと二週間もすれば紅葉がきれいなんだろうな。一息入れて、元の道を戻る。すすきが風に揺れてきれいだ。

 上毛高原行のバスの時間を調べると、まだ次のバスまで30分くらいある。食堂でコーヒーを買って飲む。食事もできるが朝食をしっかり食べてしまうと昼食は、いらなくなってしまう。以前はちゃんとお昼にはお腹が空いたのになあ。

 バスで上毛高原へ。16時22分の新幹線に乗る。これで今回の旅行は終了。帰りはお酒を飲んで東京までぐっすり寝る。お疲れ様でした。





















10月22日記

静かなお喋り 10月19日

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