November.30,1999 ジャパンカップ

        このところ、ジャパンカップって日本馬が強い。今年も日本馬にしたいところだが、なに、このメンツ。実力あるの13スペシャルウィーク(2番人気)だけ。しかも、外国馬は史上最強だっていうしな。

        データは当てにならず、居酒屋のにいちゃんはもっと当てにならず。ここまで五戦して、一勝四敗。こうなると、唯一の勝ちは、天皇賞でのステイゴールドの複勝を取っただけ。こうなると、また6ステイゴールドに頑張ってもらうっきゃない。う〜ん、5番人気か。人気でちゃってるな。この馬、人気でちゃうと走らないんだよな。

        結局、ステイゴールド、いいとこなし。4コーナーでダッシュかけたけど、6着。ボードに惜しくも載らなかった。ハズレ


November.23,1999 マイルチャンピオンシップ

        近所の居酒屋のにいちゃんは、かなりの競馬通だ。毎週万単位で勝負していて、これは自信ありとみると、数十万突っ込んだりするギャンブラーでもある。先日会ったら、何と菊花賞もエリザベス女王杯も取ったという。二連敗してしまって、今週こそは何としても取りたい。そこで、にいちゃんの店に出かけてみることにした。

        「ええっと、チューハイね。それから、いつものカマトロとキンメ」。カマトロは、まぐろのカマの部分の肉を、ほじくりだして刺身にしてくれるもの。当然、ちゃんとした刺身の大きさと形にはならない。薄く小さく切ったトロが出てくる。しかし、これが旨い。普通のトロより味がいいかもしれない。しかも、そんな訳だから格安。キンメは金目鯛の煮つけで、にいちゃん、金目鯛の仕入れにはうるさい。河岸で、脂の乗りのいいのを選んで買ってきてくれる。しかも、この煮かたが絶妙なのだ。いつもは、これだけだが、今日は教えを乞う日、もう一品頼むことにした。「あ、あとね、何か今日のお薦めは? やきはま? ああ、焼き蛤ね。じゃ、それもちょうだい」

        店は混んでいたので、にいちゅんの体がなかなか空かない。チビチビとチューハイ飲みながら競馬新聞を読んでいた。ようやく、にいちゃんが出てくる。にいちゃんは織田裕二似の、なかなかハンサム顔だ。「やっぱり、一番人気、6エアジハードが軸でしょう」「うんうん、僕もそう思ってた。問題はヒモだよね」「はっきり言って10キョウエイマーチ(3番人気)ですね。これで間違いなし」「あのさ、今年は4歳馬が気になってるんだけど、8アドマイヤカイザー(5番人気)来そうじゃない?」「4歳馬買うんだったら、5エイシンルバーン(9番人気)っすよ。あとは7歳馬だけど、3ダイワテキサス(10番人気)、あとね」「ちょっ、ちょっと待って、これでもう3点だよ、まだあるの?」「いや、この3点買えば十分っすけどね、念の為に15ブラックホーク(2番人気)と16ニッポーアトラス( 11番人気)、あとね」「まだあるの?」「いや、あと1頭保険っすよ。これさえ買っておけば安心。7ザカリア(7番人気)」「あの、1頭忘れてない? 9キングヘイロー(4番人気)」「へっ、評論家がいっぱい丸だの三角だの付けちゃって、いかにもって感じじゃないっすか。こんなのいらないっすよ」

        4コーナーから、予想どおりエアジハードがぐいぐいと延びてくる。「よおし、内ではブラックホークが粘ってるぞ!」。そのとき、またしても悪夢が・・・・・・。キングヘイローが外から猛然と突っ込んできて、ブラックホークを抜き去ったのだ。

        「にいちゃん、キングヘイローはいらないって、鼻で笑ったのに・・・・・・。」ハズレ馬券がポトリと落ちた。


November.15,1999 エリザベス女王杯

        データでいうと、毎年5歳馬が強いという。今回の出走馬18頭のうち、5歳馬は6頭。そのうちの3頭、3マイネエルザ(10番人気)、8ナリタルナパーク(6番人気)、9テンザンキラリ(11番人気)はまずケシ。すると残りは、2エガオヲミセテ(5番人気)、11ファレノプシス(1番人気)、17エリモエクセル(3番人気)ということになる。この中から、一番人気ではあるが、ひさびさのファレノプシスを思い切ってケシ。これはもう、エガオヲミセテとエリモエクセル、2−17の一点勝負といきたいところだが、ここで気になるのが、6歳馬6メジロドーベル(2番人気)の存在だ。結局、押さえにメジロドーベルも買っておくとして、上の馬券となった。

        4コーナーを回って、メジロドーベルがぐいぐいと出て行く。それに内っ側でエガオヲミセテが頑張っている。「やっぱり、メジロドーベルか。押さえで買っておいてよかった」。ゴール直前、メジロドーベルがトップ、それに続くのがエガオヲミセテ。2−6だ。ざっと3000円の配当になるはず。ぐえっへっへっへっ、200円買っているから6000円だ。「ようし、そのまま、そのままだ」。そのとき、またしても信じられない光景が。目の前をもう1頭、よぎったのだ。16番のゼッケンをつけている。4歳馬、フサイチエアデール(7番人気)。「な、なにい! こ、こらお前、でしゃばるんじゃねえ。くっ、来るなったらあ」。メジロドーベルとエガオヲミセテの間に割って入りやがった。終わってみれば、一着も二着も4歳馬じゃない。データ当てにならず。ハズレ。けっ!


November.8,1999 菊花賞

        先週のステイゴールドに味をしめて、今週も人気薄馬の複勝ねらい。ふっと、馬の名前を見ていって、ペインテドブラックが目についた。ローリング・ストーンズの『黒くぬれ』(Paint It Black)と、なんとなくゴロが似ているではないか。私が中学生のとき、自分でアルバイトした金で、初めて手に入れたシングル・レコードだった。この曲を聴くと、当時のことが思い出される。

        15頭中、9番人気。狙い目ではないか! しかも、長距離向きの馬であるという。今までより距離が延びる三千メートル。これはもう、貰ったようなものだ!

        スタートから、中段よりやや前。「うん、いいぞ」。以後、ほぼ同じ位置をキープ。「いいぞ、いいぞそのままだ!」。4コーナー回っても状況変わらず。「よし、そのまま、そのまま・・・じゃない。そっから行かんかあ!」。終わってみれば7着。ほとんど、三千メートルみんなと楽しく回ってきましたという顔してやがる。ハズレ

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