December.26,2000 有馬記念
「あっという間の有馬記念とは言うけれども、一年って早いなあ。どうしたい、取れたか?」
「いや、ダメだった。ハズレ」
「だって今回、まったく荒れなかったろう。テイエムオペラオーとメイショウドトウが人気通りワン・ツーで来て決まったんだから」
「あのねえ、もうボクにはもうアトが無かったんだよ。馬連で一点買いで入れても380円しかつかないんだよ。秋のG1収支マイナスになっちゃう」
「えっ!? いったい何を買ったんだ?」
「これ」
「ホットシークレットの単勝? そんな馬いたっけ?」
「ファン投票では217位。抽選で入ってきた馬」
「おいおい、そんなの無理だって」
「逃げ馬なんだよ、こいつ。有馬といえば、メジロパーマーの単騎逃げで、ぶっちぎりの1着ってレース思い出してさあ。陣営も、何が何でも100馬身くらい離して逃げるって宣言してたしね」
「スケベな馬券買うものだなあ、お前も」
「だって決まれば単勝で20〜30倍だぜ。収支チャラどころか、一発大逆転だもん。それがなあ、スタート失敗しちゃってさあ。逃げるはずが、後ろの方走ってるんだもん。ペースだってスローだったんだから、一気に前へ出ればいいのに、先頭にたったのがやっと3コーナーじゃあ意味ないんだよなあ」
「で、10番勝負の収支決算は?」
「ええっと、最初の秋華賞はケンになっちゃったから、投資金額9000円。ジヤパンカップの勝ち損で390円だけ返ってきただけだから、マイナス8610円」
「もうやめたら? こんなコーナー読んでくれている人も、ほとんどいないだろうし」
「いいや、やるぞう! [毎日更新]の穴埋めには便利だし」
「だからあ、もう穴狙いはやめろって!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・、えっ!?」
December.12,2000 朝日杯3歳ステークス
「♪ララーラー」
「おっ、ご機嫌じゃないか。当たったのか? この秋はずーっとハズレだったからな。いや、まてよ、ハズレたんだろう。ハズレて頭がバカになったんだろう。もとからバカだけどな」
「当たったよ!」
「なっ、何? ついに適中したのか!!」
「いや、ハズレたのが当たった」
「な、何だと?」
「だからあ、ハズレたと予想した君の推理が当たったの。馬券はハズレ」
「バカ! まぎわらしい奴だなあ、お前。で、何買ったんだ?」
「へへへへへ、これこれ」
「フォーユアラブの単勝だと? 確かこれ、16頭のうちの15番人気だったろう? 何でこんな馬の単勝なんて・・・!」
「3歳馬なんて、何が来るかわかんないって!」
「で、この馬、何着に入ったんだっけ?」
「先行馬だからさあ、大外の16番は、やはり不利だったんだよな。前走も大外引いちゃって不発」
「よくぞ、そんな悪いデータの馬を買ったものだなあ」
「それでも3コーナーまでは先頭集団にいたんだ」
「そうかよ、そうかよ。で、何着だったんだ?」
「惜しかったなあ、フォーユアラヴ」
「だから何着だったんだよ!」
「ええっとね、16着」
「じゅ、16着って、ベケじゃねえか」
「まあ、そういうことになるかなあ」
「ベケなんだよ、ベケ!」
「今度、ベケになる馬を当てるなんていう馬券売り出さないかなあ」
「バカ! いったい何だってフォーユアラヴなんて買ったんだよ!」
「知らない? ヤードバーズの1965年にリリースしたシングル『フォー・ユア・ラヴ』 ♪フォヨ―ラ―――ア―――ア―――ってやつ」
「知ってるよ、エリック・クラプトンがこの曲のアレンジが気に入らなくて、こんな曲をリリースするなら脱退するとキレちゃって、その通りに脱退しちゃった、いわく付きの曲だろ?」
「そう、今聞くと変な曲なんだよね。ハープシコードの音ばかり大きくて、ギターなんてふたりで弾いているのに、ほとんど聞えてこない。クラブトンがキレるわけだよね」
「そうそう、何故かボンゴの音が目立って走りまわっていたよな」
「そうだ、あの曲もドラムのリズムはドンタタ、ドンタだ!」
「あのさあ、前にも言ったけど、お前、このコーナー、別のコーナーと勘違いしてないか?」
December.6,2000 阪神3歳牝馬S
「今回も馬券公開なしか?」
「ああ」
「ハズレか?」
「ああ、今回はカスリもしなかった。大ハズレ」
「ダントツの人気だったテイエムオーシャンで決まったんだぜ。どういう馬券の買い方をしてんだよ」
「聞いてくれるな。なにせ3歳馬だぜ。まだ、その実力も開花し始めたばかり。どの馬が来てもおかしくないもんなあ。どこの馬の骨ともわからない奴を買えないよなあ」
「馬の骨じゃなくて、本物の馬なの!」
November.28,2000 ジャパンカップ
「よお、どうした。ジャパンカップ。取れたのか?」
「・・・・・・・・・・・・」
「どうしたんだよ。ここのところ『ねえねえ、見て見て、この馬券』ってうるさかったのに、今回はどうしたんだよ。ハズレたのか?」
「いや、当てたんだよ」
「本当かあ。じゃあ馬券見せてみろよ」
「いや、見せるほどのものじゃないからさ」
「ははあ、本当はまたハズレたんだな」
「まあ、そういうことでもいいんだけどな」
「ちょっと、その馬券見せてみろ! かせってば!」
「あっ、ちょっとよせってば!」
「どうれ」
「まったくもう、強引なんだから」
「何々? また5頭のボックス? しかもワイド。よくこんな恥ずかしい馬券買えたものだな」
「ジャパンカップってさ、外国の馬も入ってくるじゃない。わかんないんだよね」
「ふむふむ、1着の8テイエムオペラオーも買ってるし、3着の10ファンタスティックライトも買ってるから、一応適中してはいるな」
「まあね」
「でも、それぞれ1番人気と2番人気だから、ワイドじゃ390円しかつかない。1000円投入して390円じゃあ、610円の損じゃないか」
「うん、勝ち損だった。なんだか一番来て欲しくない組み合わせで来ちゃった。それでも2着に入った5番人気の13メイショウドトウは眼中になかったから、馬連にしなくて良かったのだけれど・・・」
「他に何を買ったんだ。ええっと、9番人気の5レーヴドスカーに、11番人気の15イーグカフェに、13番人気の16ステイゴールドって、これは狙いすぎじゃないか? とくにステイゴールドなんてまだ買ってるのかお前は」
「うん。人気なかったけど、この馬、人気のないときほど走るんだよね。3着までには確実に入っている。前走は大敗しちゃったけど、あれはスタートで不利があったしさ。それで今回は、大外の16番を引いちゃって、スタートと同時にトップ取って行ったのになあ。見せ場は4コーナーまで。あーあ」
「今年のお前の秋のG1は、見せ場ひとつないなあ」
November.21,2000 マイルCS
「ねえねえ、見て見て、この馬券」
「なんだよ、もう。このところ毎回おんなじ出だしじゃないか。今度こそ当たったんだろうな?」
「いや、ハズレた」
「もう、ハズレ馬券なんて見せてどうするつもりだよ」
「まあいいから、よく見てよ」
「なになに、5頭ボックスの馬連? やめろよ、もう。こういう買い方。んっ? げっ、18頭だてで13番人気だったのにもかかわらず1着でゴールした13アグネスデジタルを買ってたのか? よく、5頭の中に入れておいたものだなあ」
「うん、ずーっとダートでやってきた馬だったけど、テレビで追いきりの様子を見ていて、案外芝でも行けそうな気がしたんだよ」
「ほう、目の付け所がよかったな。そのくせにして、なんで1番人気で2着にきた11ダイタクリーヴァを買わなかったかなあ。買っとけば11−13で18050円もついたものを!」
「まあな。ちょっと欲出しちまったかな」
「それにしても、アグネスデジタルなんてアナ馬をよく買ったなあ」
「いや、アナログじゃないよ、アグネスデジタル」
「お前、最近、このコーナー、別のコーナーと勘違いしてないか?」
November.15,2000 エリザベス女王杯
「ねえねえ、見て見て、この馬券」
「うるさいやつだなあ。どうせまた、ハズレ馬券だろ」
「そのとおり、ハズレだ」
「お前、ハズレ馬券は載せないって言っただろうが」
「まあ、そうなんだけどさ、軸にした1フサイチエアデールは当たっていたでしょ」
「フサイチエアデールなんて一番人気だったじゃないか。来て当然だろうが」
「このエリザベス女王杯ってね、前年に同レースで連対した馬が2年連続して連対するというジンクスがあるんだよ。去年で連対したのはフサイチエアデールだけ。だから今回もフサイチエアデールで鉄板だと思ったのね」
「問題はヒモだよな。なんで3番人気だった2ファレノプシスを買わなかったの?」
「もうファレノプシスは終わったと思っちゃったんだな。このレースで引退だったしさ」
「甘い甘い、引退宣言した馬って侮れないんだぜ。引退後のハクを付けるために、陣営は必死でくるからな」
「それにしても、強かったなあファレノプシス。ファレノプシスって胡蝶蘭って意味だろ?」
「ああ、名前も綺麗だったよな。それにしても長く咲いたよな」
「そりゃあそうさ。胡蝶蘭だけに、ちゃんと世話をすれば持ちがいい」
October.31,2000 天皇賞
「ねえねえ、見て見て、この馬券」
「なんだよ、うるせえなあ――――――おい、またハズレ馬券じゃねえか」
「まあ、そうなんだけどさ。3着だぜ、トゥナンテ」
「あのなあ、今回お前が買ったのは単勝馬券。1着に入らなけりゃ、ただのゴミ」
「16頭中5番人気。いけると思ったのになあ。来てれば7〜800円ついてた。1000円だから7〜8000円になってたのに」
「ふう。ハズレ馬券は載せないと言ってたろう。ギャンブルにタラとレバはないの」
「だいたいさ、毎日王冠で勝った馬って、本当に強いんだよ。だから行けると思ったのになあ。やっぱりテイエムオペラオーとメイショウドトウには敵わなかったかあ」
「まあ、1、2番人気で決まった、順当なレースだったよな」
「複勝にしとけばよかったなあ。複勝でも280円ついた」
「ギャンブルにはケバもねえんだよ!」
「君ねえ、そういうケバケバした言い方よくないよ」
「・・・・・・・・・・」
October.24,2000 菊花賞
「ねえねえ、見て見て、この馬券」
「おっ! 菊花賞取ったのか? なんだよ。これはハズレ馬券じゃないか。当たり馬券しか載せないはずじゃなかったのか?」
「そうだけどさ、ねえねえ、この馬、ケージージェットって、ボクと同じ名前。恵司、ケージージェット」
「お前、相変わらず、そんな馬券の買い方してんのか?」
「まあまあ、聞いてよ。18頭だての12番人気馬だぜ。前走から9週も空いちゃってるから、本来なら買いとは思えないんだけれど、前日、テレビの競馬番組を見ていたら、馬体の張りがいいんだよ。まあ、1着は無理としても、3着までに入ればと複勝狙い」
「・・・・・・」
「もう、3コーナー手前まで後ろの方にいたから、『だめだな、こりゃ』って思ってたの。そしたら、4コーナーで前が開いたものだから、そこから一気。エアシャカールとトーホウシデンの2頭の争いには届かないとは思ったけど、エリモブライアンと3着争いをしたときには、『行けー! いっけー!』と叫んじゃったよ」
「でも、結局4着だろ」
「そうだけどさ、惜しかったなあ」
「あのなあ、ハズレはハズレ。競馬は取ってなんぼ」
「ロマンのない奴だなあ。競馬はロマンだぜ!」
「マロン・パフェでも甘栗でも食って寝ろ、バカ!」
October.17,2000 秋華賞
京都四歳オープン混合牝馬定量・曇・芝良・18頭
荒れてるなあ、今年の秋のG1。先週に続いて万馬券だよ。2着に入ったヤマカツスズラン(7番人気)はいいとしても、1着のティコティコタック(10番人気)って何? 当日前走に較べて20Kgの馬体重減だよ。買えないね。それにしても可愛い名前だよなあ。気になってはいたんだよな。馬連で30010円。
こうなってくると、バカバカしくて自分の買った馬券なんて公開できない。画像入れるとファイルサイズ大きくなっちゃうしさ。今回から当たった馬券しか載せないことにしよう。
今年みたいに、ダントツに強い馬がいない年は難しい。女心と秋の空。わかんねえんだよなあ、牝馬ってのは。これがさ、ヒシアマゾンみたいに、めっちゃ強いのがいると荒れないですむんだよなあ。それにしてもヒシアマゾンは見た目にもゴツくて牡馬と並んでも、ひけをとらなかった。すげー、体してたもんなあ。だから、ヒシアマゾンは買ってたけれど、決して好きじゃなかった。
やっぱりさ、牝馬って、可愛いけれど強いってのがいいよね。ノースフライトとかさ。ダンスパートナーなんてキレイだったもんね。これって女子プロレスみたいなもんかなあ。違う?
グチこぼしてても仕方ないか。今回、完敗でした。ハズレ。
October.3,2000 スプリンターズS
四歳上オープン国際定量・曇・芝やや重・16頭
今年は、なぜかスケジュール変わったらしくて、どうせG1が始まるのは10月中旬と思っていたので、10月第一週にスプリンターズSが行われると、直前になってから知って唖然。10月の一週目は名古屋へ行く予定をたててしまっていたのだ。
東京で前日売りの馬券を買っている暇はない。まあ、名古屋でなんとか買えるだろうとキオスクで競馬新聞を買って新幹線に乗る。まあ、武豊の乗るアグネスワールドが鉄板だろうし、ヒモは横典のブラックホークでほぼ間違い無いだろうけれど、ここは、牝馬とはいえ、ここ4戦負けなしで全て1着できている、調子のいい福永のビハインドザマスクで行きたいところ。だから、買うんだったらビハインドザマスクからアグネスワールドとブラックホークへの2点買いじゃあと思っていた。
ところがだよ。名古屋に着いてみれば、場外馬券場はちょっと離れたところにあるのが判明。土曜は、ほかにもいろいろと行くところが多かったために、買いに行かれず。日曜も時間なし。かくして、今年のG1初戦はケンとなってしまった。
東京に帰って、翌朝新聞を見て凍りついてしまった。なんと1着に入ってきたのは16頭中の最低人気ダイタクヤマト。競馬新聞の追いきり診断でも、唯一の評価C。力不足だとなっていた。いやあ、やってみないとわからないものですね。単勝でも25750円ついた。これは到底買えない馬券。ケンでよかった。