迷いましたが、今シーズンもまたこのコーナーを継続することにしました。中央競馬秋のG1レース10回に、1回につき、1000円ずつ賭けていこうという企画。どちらかというと、競馬をネタにしてお笑いをやってみようという実験です。真面目に競馬をやっている人はごめんなさい。そういう企画ではないんです。


January.1,2005 有馬記念

「あけましておめでとう」
「今年もよろしくね」
「よろしくねって、お前のこのくだらないコーナーをまだ一緒にやってくれってことかい? はいよ。ところで秋のG1の話、年を持ち越してしまったじゃないか」
「ああ、いろいろと年末は忙しいんだよ」
「で、お前のことだから例によってデルタブルースの単勝だか複勝を買ったって言うんじゃな〜い? 残念〜! デルタブルースは5着でしたから! 有馬記念はずれ馬券斬り!」
「また波田陽区ネタかよ。波田陽区といえば、きのうのNHK紅白にまで出て斬りまくってたな。オレの買った馬券、まあ、当たらずも遠からずってとこだけどさ。今年の秋のG1もデルタブルースのおかげで黒字になったしね」



「ほう、珍しく馬連馬券かあ。10デルタブルースと、1着になった1ゼンノロブロイの組み合わせ一点勝負。惜しかったなあ」
「来てれば9.3倍の配当だった。でもデルタブルース、先行策からよく粘って先輩たちに付いていって、あそこまでやったと思わないか。まだ3歳馬だぜ。これからが楽しみだ。それじゃな、今年もよろしく」
「おいおい、オチはないのか?」
「ブルースって落ち込んだ心情を歌ったものさ。十分にオチが付いている」


December.20,2004 朝日フューチュリティ

「なんだよ、月曜の朝からカフェに呼び出して」
「これこれ」



「ストーミーカフェの単勝。ああ〜、残念だったなあ。ストーミーカフェは2着。どうして複勝にしなかったんだよ」
「人気あったからね。複勝だと180円しかつかない。180円じゃ面白くもない」
「欲張るなよ」
「先行策が裏目だったなあ。前半でもう少し押さえておけば末脚で1着もあったかもしれない。よく直線で粘ったけどね」
「お前、今期すでに黒字とはいえ、痛いだろう。複勝にしときゃよかったのに」
「ストーミー・マンデーなんだ」
「何?」
「知らないのかい? T−Bone Walkerの『Call It Stormy Monday』だよ」
「ブルースかい? 今期勝黒字決算決定になったのはデルタブルースのおかげだよな。ブルースさまさまだろ」
「いいかい。T−Bone Walkerは我々労働者の気持ちをうまく表現してくれてるんだ」
「ふーん」
「♪They call it stormy Monday あいつらは嵐の月曜日と呼ぶけれど
  But Tueseday’s just as bad 火曜だってひどいものだ
  Wendnesday’s worse 水曜はさらに悪く
  And Thurseday’s also sad 木曜も負けないくらい悲しい」
「なんだって月曜の朝から、お前のブルースを聴かされなきゃいけないんだよ」
「このあとだよ。
♪Yes the eagle flies on Friday ってわかるか?」
「鷲が金曜日に飛ぶってのか?」
「いいかい。10ドル金貨には鷲の絵が描かれている。つまり給料を貰えるってわけだ」
「ほう」
「♪And Sturday I go out to pray だから土曜には遊びに行くんだ」
「prayって、競馬に行くんだろ。それでまた摩るんだ、お前みたいに」
「オレは土曜は競馬しないよ。日曜、しかもG1のときだけ。それにしても粋な歌詞だと思わないか? 給料を10ドルコインの鷲に見立てて、給料が飛んでくるなんて。それに飛ぶのフライとフライデイが韻を踏んでいる」
「ブルースなんて、所詮お前と同じでダメな奴の歌じゃないか」
「そんなこと言うなよ。このあとがまたいいんだなあ。
♪Sunday I go to church 日曜には教会へ行って
 Then I kneel down and pray 跪いて祈るんだ
なっ? いいだろ。土曜に遊びに(play)行って、日曜に祈る(pray)んだ」
「来週こそ競馬が当たりますようにってか?」
「そういうことじゃないよ。でももう今月のオレのこずかいは無くなっちゃった。給料は今度の金曜。どうしよう。すまん、嵐の月曜なんだ。金貸してくれないか?」
「お前の鷲は飛んできたんじゃなくて、飛んで行っちゃったみたいだな」


December.13,2004 阪神ジュベナイルF

「おい、いるかい?」
「ノックは無用だよ」
「何言ってるんだよ。秋のG1第8戦、阪神ジュベナイルFの結果を聞きに来たにきまってるじゃないか!」
「ナイアガラ」
「何?」
「ストーンと豪快に落ち込んだ」
「何だと!?」
「百万長者と結婚する方法ってないかねえ」
「ひっょとしてお前、『ノックはお好き』だの『ナイアガラ』だの『百万長者と結婚する方法』だの、マリリン・モンローの映画の題名を口にしているところをみると・・・・」
「そう、買ったのこれ」



「モンローブロンドの複勝・・・・・13着ね。なんでこんな馬買ったんだよ?」
「『紳士は金髪がお好き』」
「バカ!」
「でも、興奮したなあ。案外、いけるんじゃないかと思って」
「うそつけ。さっぱりだったじゃないか」
「『お熱いのがお好き』」
「しょーがねえなあ。そんなに競馬とマリリン・モンローが好きなのか?」
「『荒馬と女』」
「そういう買い方するから、金を失うんだよ」
「『帰らざるカネ』」
「それを言うなら『帰らざる河』だろ」
「そう言わないで、慰めてくれよ」
「はいよ。おれが出来るのは、慰めてやることしか出来ないものなあ。『イブ(慰撫)の総て』」


December.1,2004 ジャパンカップ

「おい、ジャパンカップ、何買ったんだよ」
「♪It’s the last fair deal goin’ down」
「何だ、その歌?」
「知らないのかい? かのブルース史上伝説の男ロバート・ジョンソンの名曲『最後の勝負も勝ち目なし』じゃないか」
「ははあ、するとジャパンカップは、やっぱり負けたんだろ」
「まあ、その話はあとにしてだな・・・」
「ごまかすなよ。とにかく今年も外国馬は問題にならなかったな。まったく敵じゃない」
「今年のは特に前評判もあまりよくなかったし、最初から消しだったからね」
「大方の予想どおり1番人気のゼンノロブロイと2番人気コスモバルクがワンツーで入って、馬連で1040円。穴党のお前じゃ、こんな馬券買わんよな」
「買いません、買いません」
「やっぱり負けたな」
「おいおい、3着には何が来たか知ってるか?」
「えっ、3着? ・・・・・あああっ! デルタブルース!! 菊花賞1着で、お前が複勝買っていて、今期も一気に黒字にした馬。ひょっとして、またデルタブルースの複勝買ってたのか?」
「えへへへへ。複勝配当340円。これで3400円いただき。菊花賞配当の10100円と合わせて13500円。今期いまのところ3500円の黒字になる勘定だ」
「信じられん」
「先行馬なのにスタートで出遅れちゃったから無理だと思っていたのに、最後は頭差で3番手のポリシーメイカーを差したもんな。あれ、スタートさえしっかり飛び出せてたら、優勝の可能性もあったと思うなあ」
「おい、早く、当たったという馬券見せろよ」
「♪Every day I have the blues」
「何歌ってるんだよ、早く見せろよ」
「慌てるなって。これはB.B.キング先生の『エブリディ・アイ・ハヴ・ザ・ブルース』だ」
「ブルースっていうと、さては実は負けて苦しんでいるんだろ! 実ははずれて、家に馬券を忘れて来たとか言い訳するつもりだろ!」
「しょーがねえなあ。ほら、いつもオレはブルースを持っているんだ」 



November.28 マイルチャンピオンS



「あっ、スタート出遅れた馬ね。イギリスから参戦して、欧州G1を5勝もしているものだから、当然人気も出て3番人気」
「出遅れをを取り替えそうと、早くダッシュさせたのが裏目なんだろうなあ。第3コーナーでは2番手だったもんなあ。それが直線でズルズル」
「14着。ごくろうさん」
「あとから知ったのは、こいつスタート苦手なんだってね。よく出遅れるらしい。それでも今までは善戦してたらしいんだけどね。信じられないよな、差し馬だぜ。それをいくら出遅れたとはいえ、3コーナーで2番手にまで持っていくなんて無茶だ。騎手の気が知れない」
「ゲートインも嫌っていたよな、この馬」
「性格悪いんだろうな。いやんなるよ」
「単勝狙いか。残念だったな。来てたら6〜7倍くらいにはなってた」
「ああ、すでに今シーズンのオレの収支は菊花賞のおかげで黒。これでラクティさえ来てくれれば『楽でぃ』と思っていたんだけどな」
「な、なにーぃ。それがオチかあ」
「ごめん。今回は他に何も思いつかない」


November.25,2004 エリザベス女王杯


「6番人気メイショウバトラーね。残念でした8着」
「4コーナーまでトップ走ってたんだけど、逃げられなかったなあ」
「なんでメイショウバトラーだったんだい?」
「今年のエリザベス女王杯のテレビCM憶えているかい?」
「いや」
「明石家さんまが、テレビを観ていると競馬のCMをやっている。テレビとさんまの間に奥さんがいて、新居を買おうとおねだりしているんだけど、さんまは上の空でエリザベス女王杯の馬券を買うことにしか頭がいっていないわけ。で、気がつくと天守閣付きの豪邸を買わされているというオチ」
「それがどうした?」
「う〜ん、だからお城→お殿様→名将→メイショウバトラーって、単なる連想だったんだけどね」
「そんなことで馬券買ってどうするんだ」
「それにしても悔しいなあ。4コーナーまでは先頭を走ってたんだぜ。逃げ切れると思ったんだけどなあ。後続の馬に抜かれちゃった」
「コウゾクの馬に抜かれた? ハハハ、エリザベス女王杯だけに皇族には敵わない」


November.8,2004 天皇賞

「1着は、やはり1番人気だったペリエのゼンノロブロイ。強いよなあ。2着がルメールの乗った13番人気ダンスインザムード。どちらも藤沢和厩舎で外国人騎手。しかも、もっと驚いたのが、2着のダンスインザムードに続いて3着に入ったのが、9番人気アドマイアグルーブ。この2着3着は両馬とも牝だぜ」
「女の子強いねえ」
「強いねはいいけど、お前は何買ったんだあ?」
「これ」



「ツルマルボーイ。3番人気4着ね」
「惜しかったなあ。3着のアドマイアグルーブに首差だぜ。もうちょっとのところで複勝いただきだったんだけど」
「また複勝狙いかよ。まあ、今回は、もう少しだったのにな。それにしても今シーズンは複勝ばかり買ってるな。守りに入ってるのか?」
「そういうわけでもないけどさ。前回、デルタブルースは、デルタで三角だから競馬予想記号で△。連下、2着に入る可能性ありって記号。今回ツルマルボーイでマルだから、予想記号で○。本命に対する対抗だから複勝かなあと思ったんだけどね」
「ところがどっこい、複勝はボーイでなくてガール(牝)が独占しちゃったってわけね」


November.1,2004 菊花賞

「おい、お前が菊花賞で優勝したデルタブルースを買ったかどうか噂になってるぞ。なにせブルース好きのお前だから買ったんじゃないかってな」
「えへへへへ」



「やっぱり!! でも、これ、複勝じゃないか。あ〜あ、単勝買ってれば4510円ついたから、45100円の万馬券だっのにぃ〜」
「でも、複勝だって1010円。これで10100円。今期これでもうチャラだぜ」
「信じられねえ。お前みたいな買い方してて、採算合ってるなんてなあ。春は7万馬券取ったし」
「18頭だて8番人気。大外だし、まさか1着になるとは思わなかったけど、スタミナがある馬で、実は長距離向きなんじゃないかっていうんで、もしかして・・・・・と思っていたんだけどな。ダンスインザダーク産駒でもあるし」
「本当にそんな専門的なこと考えてたのかあ? 実はオチを何か考えてたんだろ!」
「そんなあ、オレはこれでも真剣に馬券買ってるんだぜ。このコーナーのオチはあとから必死で考えるの!!」
「ほんとかなあ」
「まあ、ときどきはオチ先行のときもあるけどさ・・・・・」
「デルタブルースだぜ、何か考えてたろ!」
「デルタってのは三角ってことだろ。デルタブルースはミシシッピー川とヤズー川に挟まれた三角州で生まれた元祖のブルース。競馬で三角といえば、予想記号△。これは、連下。2着に来る可能性ありって記号。だから単勝はなくて複勝と思ったんだけどね」
「ばか! デルタブルースってのはなあ、ほとんどギター一本で歌うソロなんだぜ。だから一人旅、1着単勝を買わなきゃ!」


October.27,2004 秋華賞



「グローリアスデイズの複勝。18頭だて7番人気9着ね。ごくろうさん。なんでグローリアスデイズだったんだ?」
「前日のテレビでこの馬を見ていたら、ばかに綺麗な馬だったんだよ。牝馬の戦いだから、どうしても美人・・・・・美馬を応援したくなるじゃないか」
「ところが、とんだじゃじゃ馬だったな。ゲート入りを嫌ってゲートの前で大暴れしてた。後ろ足で蹴り上げてたものな」
「あんなに入れ込んじゃっちゃあ、いい走りは出来ないよ。なんであんなにゲート入りを嫌ったんだろう」
「閉所恐怖症なんじゃないか?」
「馬にも閉所恐怖症なんてあるのかあ?」
「ところで、お前さっきからソワソワしているけれど、どうしたんだ?」
「実はさ、オレ、今日、午後から病院へ行かなくちゃいけないんだ」
「身体の具合悪いのか?」
「そういうわけでもないんだけどさ、緑内障をやってからここ一年で視力がやけに落ちてしまってね。眼科の先生が一応、脳の病気の可能性もあるから、一応、脳のMRI検査を受けてくれって言うんだよ」
「ああ、トンネルの中みたいなのに入れられて身体の中を見るやつね」
「ちょっと不安でね」
「大丈夫だって。ほとんどの人は脳の異変なんて見つからないってさ」
「いや、この検査ね、閉所恐怖症の人は受けられないんだって」
「お前、閉所恐怖症だっけ? グローリアスデイズじゃあるまいに」
「グローリアスデイズは気性が荒いだけなんだろうよ。まあオレは閉所恐怖症じゃないけど、どちらかというと苦手だな。それから、喘息の人も受けられないんだって」
「ゼンソク? ああ、それでグローリアスデイズも全速で走ってもダメだったんだ」


October.11,2004 スプリンターズS

「イチロー凄いよなあ。大リーガーの年間最多安打記録257本を抜き、262本! 80年以上この記録は破られたことがなかったっていうんだから凄いことだよな」
「おいおい、競馬のコーナーが再開したんだから、イチローの話題でもないだろうによ」
「イチローってクールな奴だよなあ。大記録を打ち立てたというのに、ちっとも偉ぶらない。アメリカ人だったら全身でうれしさを表現しているだろうに、イチローはまさにサムライ」
「わかった、わかった。お前ももっとクールになれよ。で、スプリンターズSはどうした?」
「もちろん、これよ」



「ワンダーシアトル!? 16頭立て15番人気で12着。最後方からのレースだったよな。スピードが勝負の1200mで、これじゃあ無理。お前、ひょっとしてこれ買った理由って・・・」
「そう、イチローの所属するシアトル・マリナーズから、ピンときてね」
「♪オレはイチロー シアトル・マリナーズのイチロー 年間最高安打記録達成したって・・・・・言うじゃな〜い でも、あんたのチーム、リーグ最下位ですから! 残念!! ハズレ馬券斬り!!!」


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