街のCD屋さんMightyのコラム 合言葉は”音楽が好きだから…”
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VOL.41 3/31/2002
なぜか
世界で日本だけに行なわれている
CD(レコード)レンタル
〜エコノミック・アニマルのエゴイズム〜

80年代初頭、法整備の隙間をついて東京の学生がレコードをレンタルするアイデア商売を考えだした。ただレコードを貸すだけならば流行らなかったとおもうが、それは借りたお客が自分でテープに録音するという前提の上に成り立った商売でありレンタル料金の安さ&ウォークマンの普及もあって瞬く間に全国に広まった。本来ならレコード製作メーカー又はアーティストが”財産権・著作権の侵害”で裁判を起こし法律を整備すれは、それらの商売は露と消えるはずだった。
※レコードレンタルが倫理的・道義的に合法の商売であれば現在世界中で普及しているはずだが、
レコードレンタルは唯一日本だけしか現在も行なわれていない

しかし、レコードメーカーは、レコードレンタル商売を徹底的に潰す事が出来なかった、いやしなかったのである。アーティストも立場的な弱さ(対レコードメーカー)もあってかアーティスト個人の顔が見えるような発言もなかった。…なぜか…?

70年代までに家電ハードメーカーは、オーディオ機器販売戦略の一環として既存の音楽ソフトメーカーを傘下に入れたり、新しく子会社としての音楽ソフトメーカーを持っていた。(例:日立=コロンビア、松下=ビクター&テイチク、ソニー=CBSソニー、東芝=東芝EMI 他)

むろん、音楽ソフトメーカーの社長は家電ハードメーカーからの出向社長(本社に戻れば課長クラス)である。そこで、レコードレンタル問題が起きた。本来なら、ソフトメーカー社長は、血相を変えて”自社の権益を守るためレコードレンタルに異を唱えるはずだが…しなかった。その答えは…レンタルが広まれば一時的にも親会社の録音機の特需が見込めるからだ。ハードメーカーがソフトメーカーを傘下に取り入れたのは、音楽ソフトを売って儲けるためが第一の目的ではない。オーディオ機器を売りやすくするための戦略の一環としてソフトメーカーを傘下に入れたのだからソフトの売上よりもハードの売上が優先するのは当然の事であった。

その当時音楽ソフトメーカーで一部上場している会社も無く音楽ソフト業界は日本経済を代表する立派な業種といえるほどの規模ではなかった。一部上場の家電ハードメーカーにとっては、レコードの売上減少より録音機の爆発的な普及のほうがむろん大事だった。すなわちハード(音響機器)が売れればそれで良く、子会社の利益や”知的財産権”の保護など二の次だったのです。

家電メーカーから出向できているソフトメーカー社長も畑違いの音楽メーカー業界での成績を上げるよりも本業である家電機器の売上に貢献することによって早く本社勤務に戻りたいのが本音であったろう。

そして音楽ソフトメーカーの足並みが揃わない内に、レンタル業界の足並みが揃い協会ができるなど既成事実を積み上げ産業としての形態を整え始めた。そしてレコード協会に”供託金を上納するからレンタルを認める”ように働きかけてきた。なさけないかな、レコード協会は目の前の微々たる供託金欲しさにレンタルを”うやむや”の内に認め、《音楽ソフトのレンタル合否》を倫理的に白・黒付けるのを避け、レンタル業界からもお金を吸い上げるシステムを作り上げ、日本にしかない音楽ソフトレンタルが合法化した。

日本のレコードメーカーが欧米のレコードメーカーと同じく家電メーカー関り無く対等な関係であれば倫理を武器に潰すこともできたであろうが・・・

日本の国会議員たちは、レコードやCDをただの塩ビやプラスティックでできた3000円もする高い物品としか認識がなかったのであろうか?だたのプラスティック製品であれば”買うのも・借りるのも”あるのは分かるが、CDの中身は100%知的財産である。それを、複製されるのを前提としてレンタルし商売するのは、著作権者・レコードメーカー・実演者の利益・財産を侵害する事に他ならない。日本の国会議員たちは世界に範を示すため”ノー”と言うべきではなかったか・・・

知的財産権(著作権)を理解できる
国家・国民であるかが先進国・文化人であるかどうかを判断する基準の一つ
であると私は思うのですが…

※エンターテイメント(音楽)産業を国家産業の機軸と捉えている米国では、日本の音楽レンタルによって米国の知的財産が侵害されているとしてレンタル禁止期間を50年にするように事有るごとに働きかけています

ゲームソフトの場合はどうでしょう?音楽CDもゲームソフトCDも中身は”知的財産”なのに、ゲームソフトの方はレンタルもコピーも中古販売(プレステ)すら認められていない。その訳は、家庭ゲーム産業(ソフト&ハード)が日本経済を代表する輸出産業だからである。世界での日本企業(ソニー・任天堂・SEGA)権益を守るために国内でもレンタルもコピーも中古販売も認めていない。

やはり、新しく知的財産を創造したアーティストには、それなりの対価が払われ、その報酬・利益がさらに再投資され、さらにアーティストの創造意欲を高めるような好循環を生む環境を我々は守るべきではなかったか?
私には、音楽ソフトレンタルが我々セル業界と同じく音楽を扱う業種でありながら,音楽文化や音楽アーティストを侮辱しているようにしか思えません。

当に音楽を心から愛する人・企業ならば音楽を侮辱するような、レンタルなんか出来ません。レンタルしてる人・企業は、レンタルの荒利が良いところに目をつけて他業種から新規参入してきただけで、儲かれば何でも良かったのです。だから法整備がされて荒利が悪くなるとパット消えて無くなりました。

最近音楽ソフトが売れなくなってレコードメーカーが困っている話を良く聴きます。そんな話、レコード店側から見れば”笑止千万”です。売れなくしたのは、レンタルを認めたレコードメーカー貴方たちそのものじゃないですか?音楽ソフトをもっと売りたいのなら世界と同じようにレンタルを禁止にすれば簡単に済むことです。

エコノミックアニマル(政治家・企業)のエゴイズムによって
生み出された音楽ソフト・レンタル…
倫理より利益が優先する日本経済の体質…
世界に恥ずべき日本の文化だと私は思っています


※自分達が愛する音楽や尊敬するアーティスト達をレンタルするなんてレコ屋は道義的にできないはず。音楽とはそれなりの対価を払って買うだけの価値の有る素晴らしい文化であるというプライドがレコ屋には有る。レンタルが高い収益を出していた頃も新星堂・タワー・HMV…他、元来のレコ屋はレンタルに手を染めていないし、しようとも思わなかっただろうマイティも同じだ
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マイティの
”春ヴァージョン”の
ディスプレイ

桜の下でCDを選ぶ…”
風雅・野趣
楽しんでもらいたい

世界に誇れる
日本人ならではの
文化(センス)を
大切にしたい
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