街のCD屋さんMightyのコラム 合言葉は”音楽が好きだから…”
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VOL.06 8/05/2001
90年代を代表するレーベルavexと
J-discの功罪
〜芸術(音楽)の大量消費化の後に残されたものは〜

1990年以前のレコード業界は、市井に自然発生したオリジナルを持ったアーティストを見つけ出し、そのアーティストを業界インフラをもって育て資本力によって宣伝広告して売る。それが市場に受け入れられれば、レコード会社も利益を得る・・・こうゆうパターンが基本でした。

しかしながらデビューさせたアーティストが必ず売れるとは限らず10に1つの”当たり”があればよい方で、1つの当たりの利益で”外れ”た9このマイナスをカバーするのが当たり前でした。つまり、”外れ”が続けば会社もつぶれるヤクザな業界でした。※育ててるアーティストがブレイクするのに何年もかかるのも普通でした。

ところが90年代以降に登場したavexとJ−discは、いままでにない新しい売り方で成功を収めました。それは、マーケッティングを重視し”今”大衆に受け入れられる音楽しか作らない、デビューさせない…という戦略でした。

先ずは、”こうゆうアーティスト(ユニット)を作りたい”という机上の企画があり、それあったアーティストを探しユニットを組ませてデビューさせる。そしてマスメディアを操作して、いきなりブレイクさせて投資を短期に回収する。ダイナミックな資本主義(大量生産・大量消費)理論の音楽市場での展開でした。それまでの音楽業界は見た目は派手だが、中身は親会社の家電業界に付随した江戸時代的ビジネス・システムを因習する地味な業界でした。

この2社の登場以後、レーベルの独立・移動やアーティストのレーベル移動なども活性化し、SONY社が業界初の上場企業となるなど音楽業界がビック・ビジネスになる業種として世間に認知されるようになりました。

そしてTVドラマ主題歌ブーム・カラオケBOXブーム・口当たりの良い楽曲も手伝って90年代前半はビーイング系・J−discの大ブーム、90年代後半には小室哲哉とのタイアップ・パラパラブーム・浜崎あゆみの発掘などでavexの大ブームが来て業界に大量の新規顧客と多大なる利益をもたらしました。

が、しかし…大量生産・大量消費の宿命としてヒットを出し続けなくてはならないのですが、最近では新人アーティストが必ずヒットするとは言えない状況(にたりよったりのアーティストで新鮮味がない)にあり、音楽の大量生産・大量消費も最終段階に入りつつあります。

元来、音楽は芸術なのです。大量生産・大量消費のような使い捨てにされるべき商材ではないのです。でも、多数の音楽ファンによってJ-discやavexの提案する楽曲が享受され、この2社のシェア率を業界のトップの位置に押し上げることになりました。。その影で本来の芸術的なアーティストを発掘し育てデビューさす会社のシェア率(パワー)が下がり、業界では会社の統廃合・外資による買収などが嵐のごとく進んでいます。

このままでは、道楽なレーベル(元来芸術は道楽)が無くなり、変わった音楽(=良い音楽)や将来性のあるアーティストが登場する環境が激減し、勝ち残り寡占化した既存メーカーがよりいっそうビジネスライクなカラオケ用の楽曲を大衆に押し付け、ある日気が付いたら大量の顧客がこの業界から去ってしまったことに気付くことになるのではないでしょうか・・・。そこで、”下手物食い”の一音楽ファンとして声を大にして叫びたい!!

〜音楽は芸術だ!
 そして芸術(オリジナル)な音楽を私は聴きたい〜

          出て来い変な音楽!変なアーティスト!応援するぜ

最後に会社案内を追記しておきます。
J-disc(旧:ビーイング)※チューブ・B’zは別格なので除外してます。
1983年大川栄策の『さざんかの宿』以来7年ぶりにミリオンセラーを記録した『踊るポンポコリン』(1990年)で業界に姿を見せた謎のプロデューサー長戸大幸氏によって作られたのがビーイング(後にJ−disc)。

ビーイング系アーティストの特徴は、先ずアーティスト名が意味不明で読みずらい(ZARD.T-BOLAN.WANDS他)。楽曲は、いきなりサビから入る(最初の15秒でその曲の良さを分からせる)。業界の常識に反してマスコミ・プロモーションをしない売り方を開発(ZARD.大黒摩季)。コンサートもしない(できない)。それから…突然現れて、突然消える…(アーティスト名の意匠登録は事務所側にありアーティストは自分の意思で行動できないから=足腰が無い)。

ピーク時にはシングルTOP10の内7曲をビーイング系でしめた事もあったが、現在は倉木麻衣一本の当たりである。

avex
80年代末に『スーパーユーロビート#1』の発売でスタート!(その以前に他社の『ザッツ・ユーロビート』シリーズが流行っていたが、それをパクり乗っ取った)。バブル期に英国系ディスコ”ジュリアナ”と提携し『ジュリアナ東京』シリーズのダンス・オムニバスCDがブレイク!ブームが社会現象化し認知される。

その後、小室哲哉を傘下に迎えtrf・グローブ・安室奈美恵(東芝から移籍)他を手掛けさせスーパー・プロデューサー・ブームを演出成功!SONYを抜いてレーベルNo.1の売上を誇る。

小室ブーム終焉後もELTの持田香織を女子中・高校生のリーダー的存在に育て上げ、現在は松田聖子・中森明菜・安室奈美恵以来のスーパー・アイドル浜崎あゆみ(金の成る木)を握る。しかしながら、浜崎あゆみ以後はベクトルが右肩上がりのアーティストが育っていない。

avex系のアーティストの特長は、キャラクターの良い女子のボーカルとコンポーザー兼ギターの男性が一人いるユニット形態が多い。(バンド形態にするとベース・とドラムのコストが高くつくのでいらない)。
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93年に
avexの大阪事務所ができた時
”なんかくれ!”と電話したら
このステッカーを送ってきた。

当時、avexは人員募集しており、
その時、私も募集に応じていたら
今頃、重役か大阪営業所所長…
だったかも!しくじった
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