夢の途中



21世紀最初の高校選手権を国見高校が取った。 ここんとこ九州の中でも、福岡県勢や鹿児島県勢に押されていた感のある長崎県人としては、久しぶりに溜飲を下げる思いだった。

ところで、やっぱり国立競技場っていう言葉には、何か独特の響きがある。 甲子園みたいなもんなんだろうな。 あこがれて、どんなにあこがれても遠い遠い存在だったり、 大きなひとつの目標だったり、 夢をかなえる第一ステップだったり・・・。 人によって感覚は微妙に違うかもしれないが、 サッカーをやってる高校生だったら、誰もが夢見る場所だ。 俺が今ひとつ横国に愛着が持てないのは、家から遠いこともさることながら 国立に対して「ナショナルスタジアム」っていう意味以上の何とも言えないあこがれがあるからだ。

う〜ん、やっぱり高校サッカーはいい。 もちろん高校野球だって面白いんだけど、高校サッカーを見ながら最近よく思うのは「世界につながってる」ってこと。 「こいつらはサッカー選手として成長していく過程で、これからも世界と戦っていくんだなあ」ってことをよく思う。 プロのチームのスカウトが見に来てるのは当然だが、トルシエをはじめ、いろんな世代の代表監督が見に来ていた。 優秀な選手たちには、プロサッカー選手になるという卒業後の「職業」が待っていると同時に、 日本代表として世界と戦うという別の役割もある。 フル代表の選手は全てプロだから意味がない話かもしれないが、「日本代表」は職業ではない。 そしてさらに、日本代表として世界と戦うだけでなく、中田のように「世界で戦うのが職業」にもなりうるわけだ。

最近は野球選手もメジャーリーグ志向を強く出したり、オリンピックの種目になったりしているから、 野球が必ずしもドメスティックとは言えないが、サッカーに比べると「日本代表」というイメージは希薄だ。 サッカーにはW杯という世界最大のスポーツイベントがあるからだろう。 世界という大きなが垣間見えるから、高校サッカーにはワクワクするんだ。

( 8th Jan,2001 )


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