トルシエの評価(1)

投稿者名: いいとしのグリフ
投稿日時: 2002/04/20(Sat) PM 2:39
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私のトルシエの評価は一貫して高い。

ブルキナファソにおいての業績を’98アフリカ選手権レポートで知ったころから
現在にいたるまで。
(注:ブルキナファソは開催国として素晴らしいフットボーを見せベスト4)
この間唯一の汚点といえるのは、南アフリカの監督業で、’98W杯2分1敗、勝ち点2
でのグループリーグ敗退だ。(ぬけたのはフランス、デンマーク)
がこれは、彼の監督としての失敗というより、あの時期に監督要請を受けたことに起因する政治的失敗と言える。
というのも、すでにこのチームは「前回のアフリカ選手権優勝(1996:南アフリカ開催)で
ピークを向かえたチーム」(確かモロッコ監督談)であり、1998年W杯予選を勝ち抜いたとはいえ、
次第にその力が崩壊しつつある状態であったこと、それをたった3ヶ月で(あの複雑な社会を含めて)
まとめあげたうえでチームを若手中心に再構築する、なんてことはとても難儀であったに違いないから。

私はむしろ、ブルキナファソでもっと早く監督をはじめていたのなら(予選に間に合っていたら)
98W杯では、今年のセネガルのように素晴らしいチームを披露することができていた、
と思っている。おっと、セネガルのことを誉めるのは時期尚早であった。

では、彼の日本での功績だが、ほぼ考えうるパーフェクトに近いチームを作り上げた
といっていいぐらいだ。4年前に比べると飛躍的に強い。
そもそも日本人の代表監督は誰もがちっともチームを強くすることはできなかった。
日本には誰もいなかったと言うべきかも知れないが。もっと早くこの事実に気づいて
ほしかった、JFAには。

そしてその不毛な中で飛躍的に日本代表のレベルを大きく引き上げる功績を残した監督
(コーチ)は必然として次の3外国人に絞られる。
クラマー、オフト、トルシエ
である。
この3人の顔はヤタガラスのある神社の山の岩石に彫像ぽくを彫りこんでおいていいぐらいだ。

そして、この3人に共通することは単純である、
”(世界の)フットボール(環境を含む全て)はどういうものか”
ということをていねいにかつ効率よく教えてくれたことだ。
またそれをミッションとして来日し、よく行動した、といってもよい。
とくにクラマー、トルシエの日本のサッカーに与えた影響は大である。
そして翻って日本人にはそれができなかったといえよう。外国での経験があるものないものも。
またそういう流れを止めた力もあるのであろう。大いに自省すべしである。

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うー疲れた、以下続く。


トルシエの評価(2)

投稿者名: いいとしのグリフ
投稿日時: 2002/04/28(Sun) AM11:57
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フランスW杯を終え、2002年へのタートを切った日本代表に明るい未来はなかった。
少なくとも私にはこれといったものが何ひとつ感じられなかった。
「岡ちゃんレポートの内容はどうだったのだろうか」、と気にはなっていたのだろうが、
どんなに素晴らしいレポートであろうと、それをなんらかの建設的な行為に結びつけるべく
土台が日本にはないような気がしていたのである。
失意の中、回復力がないまま病状に任せ時間に任せだらだらとすごし、ネット上や紙上では
反省というよりはむしろ否定的な(未来に対しても否定的な)意見のみ氾濫する。
日本全体がある闇(不安)に覆われているような状態であった。

果たして日本がこの暗闇に入り始めたのはいつからだろうか。
それは、おそらくフランスW杯予選の第2戦、国立での韓国戦で、1−2の逆転負けを
食らったときではないだろうか。
このときから心の一部にひっかかりだした闇の気配は3ヶ月後のジョーホールバルでの奇跡的勝利の瞬間
一時的に心を離れはしたのだが、そのあとすぐ再び前にもまして覆い始めたのだった。
たとえば
「こんなラッキーで出れたって、どうせ本番の世界相手では勝ち点1が精一杯だな」
と。

シンガポールで得たアジア3位はまさしく、不屈の努力と”幸運の女神の最大限の手助け”を
もってしての3位であったが、誰が見てもそれ以上ではなかったからである。
(つまり実力1,2位ではなかった)
畢竟”初出場”それだけであった。

この勝利後も徐々に闇が濃くなりつつあることを知らず、日本は岡ちゃんにせっせと黒いクレヨン、絵の具を
渡していくのだが、いかに岡ちゃんがコーチとして優秀であろうと、素晴らしいい頭を
もっていようと、監督経験がない彼に、日本をヨーロッパレベルまで引き上げることなど、
とてもできないに決まっている。
夜を迎えた以上、陽が昇るまでの時間を待たなければならないのだった。
それはいつなのだろうか。太陽はいつ現れるか。
丑三つ時といえるフランスW杯直後は、1m先も、いや、10cmの先も見えないほど漆黒の闇が
われわれに訪れていたのだった。

1998年の9月10日、奇しくもナカタがユベントス戦でセンセーショナルなデビューを行う直前、
トルシエは日本代表監督に就任し、そして日本サッカーにおける第二次夜明け前が終了したのであった。

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以下続く。

トルシエの評価(3)

投稿者名: いいとしのグリフ
投稿日時: 2002/05/05(Sun) PM 3:57
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正式な就任前に初来日したトルシエは日本に着くなり、
Jの試合を見学に行っている。
浦和のホームゲームで相手は磐田。先に横浜国際競技場を見学して
からのため、浦和に着いたのはすでに浦和が2点リードで後半に
入ったころで、予定時間より大幅に遅れてのJ初観戦であった。

私は、この新指揮官が持ったであろう日本への第一印象に
大いに興味があった。はたしてJのレベルに対してどう思ったのか。
(実際この試合は両者持ち味が出ていて好ゲームだった)

また、当然ながらこの新しい指揮官自身へも興味があった。
どのような発言をする人なのか、どんな人柄なのだろうか。

そしてTVのインタビューで

「残念ながら、後半途中からの観戦になったが
 両チーム非常にアグレッシブに攻め合っており、
 教えてもらうまで私にはどちらが勝っているチームか
 わからなかった」

という発言に対して”こやつできる”と思ったのであった。


今調べると正式には
「ちょっと驚いたのが、浦和は2−0でリードしていたにもかかわらず
 攻め続けたという点なのですが、ゴールを狙うというのはリスクが
 高い部分がありまして、もし後半のギリギリの時間にジュビロが
 2−1としていたなら、また違う試合になっていたのではないかと
 思います。ただし、ゴールを狙うというスピリットは非常に大事だと思います。」

http://sports.yahoo.co.jp/soccer/2002c/webnews/ws616.html


この発言は、後半残り30分で2点リードしているようなチームは、
リスクをおかして攻める必要がない、もっと守備的(安全)に進めるべき
ということを意味している。
しかし、この言葉が代表監督の日本への第一印象となるともっと
大きな意味を持つのではないだろうか。

トルシエが指摘した(抱いた)日本の問題は、しっかりと勝つサッカーが
根付いていない、ということにある。おそらく、去年できたばかりの
埼玉スタジアムの芝なみの戦術の弱さというか、国際レベルでは
到底通じない脆弱さがあることを言っているのではないだろうか。
(当然、当時将来の埼玉Sの芝が弱いことを知っているわけ無いが)

が、そのことを指摘するには非常にやんわりとした言い方で、
まだ就任前の人としては当然の遠慮をわきまえたインテリジェンスがある、
かつユーモアが感じられる表現とも感じられた。

さらにトルシエ自身への印象については、日本がベンゲルに未練を
持っていることや、クライフ信者が多いことをちくりと皮肉るなど、
なかなかしゃべりのセンスもあるという感じがするではないか。
(詳細は昔の情報で改めて確認したりしているが)

まずまずは、いけそうだな。これが私のトルシエへの第一印象であった。

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またまた続く。

おいおいこんなペースでどうするんか、W杯終わってまうよ>自分


トルシエの評価(4)

投稿者名: いいとしのグリフ
投稿日時: 2002/05/21(Tue) AM 2:51
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それはトルシエが赴任してから約1ヶ月後だった。

君はアジアユースの悲劇を知っているだろうか。
清雲監督のU19アジアユース大会、@チェンマイのことをだ。
小野、本山、稲本らが揃う最強世代の実力を存分に見せてくれたあの大会のことをだ。

もっと詳細にメンバーをあげれば、
GK
榎本 達也 横浜マリノス
曽ヶ端 準 鹿島アントラーズ
櫛野  亮 ジェフユナイテッド市原
DF
手島 和希 横浜フリューゲルス
鶴見 智美 筑 波 大 学
石川 竜也 筑 波 大 学
中村 祥朗 鹿島アントラーズ
加地  亮 セレッソ大阪
飯尾 和也 ヴェルディ川崎ユース
金古 聖司 東福岡高校
市川 大祐 清水エスパルス
辻本 茂輝 横浜フリューゲルス
MF
稲本 潤一 ガンバ大阪
酒井 友之 ジェフユナイテッド市原
小笠原満男 鹿島アントラーズ
本山 雅志 鹿島アントラーズ
遠藤 保仁 横浜フリューゲルス
中田 浩二 鹿島アントラーズ
小野 伸二 浦和レッズ
古賀 誠史 横浜マリノス
FW
高原 直泰 ジュビロ磐田
小林 康剛 鹿島アントラーズ
播戸 竜二 ガンバ大阪
平松 康平 清水エスパルスユース
大島 秀夫 横浜フリューゲルス

監 督
清雲 栄純

という監督を除くとちょっと凄いメンバーだ。

そしてそれは10月20日、本山の超ファンタスチックな2ゴールで始まったのだった。
続く3試合、全編これスペクタル満載の攻撃サッカー。
深夜眠いのをこらえ(なぜ深夜だったか今は謎)目薬をさしながら見るのだった。
あぁ当時サッカー好きのおじさんたちをこれほど狂喜させるものがあっただろうか。
無上の喜びだった。少なくとも韓国と当たるまでは。

リーグ戦
日本2−2中国
日本6−2イラク
日本4−0カタール
日本1−2韓国

決勝トーナメント
準決 日本4−2サウジアラビア
決勝 日本1−2韓国

くっそー李東国に2回も決勝ゴール決められ
2連敗するとは。。。

日本を攻略するのは楽だった。ディフェンスの裏に高いボールを上げればよい。
あとはボール支配率もくそもなかった。2回に1回はシュートまでもっていかれ
そのうちに1点とられるのだ。DFはイモだ、ザルだ。誰かなんとかしてくれ。
清雲のアホう、ど阿呆。トルシエやってくれ、頼む、この世代も見てくれ。
と誰もが叫んだ。

しかし、一方では、トルシエに任して大丈夫かよ、という声もあったのも確かだ。
清雲よりはいいに違いないが、もしこの世代を台無しにしたらその影響は大きすぎるぞ。

今までの根拠なし的な期待のかけすぎを少し後悔しはじめ、トルシエのいうことが
どこか胡散臭く思われる雰囲気が出始め(代表×エジプト戦)、トルシエが
なんらかの結果を出さねばならぬ事態になったちょうどこの頃、はたして、それは
絶好のタイミングで訪れるのであった。

11/23 日本アルゼンチン修好100周年記念と謳われた国立でのU21の試合である。
日本は押し込まれながらも前ユース世界チャンピオン アルゼンチンに対し五分の戦いを
演じ1−0で快勝したのだった。今ではいいところは少ししか思い出されない。が、
紛れもなく、それは快勝だった。フラット3という実に危なっかしいシステムながらも
強豪相手に0封という、しっかりしたディフェンスだったのだ。

まさにこの一戦により人々の不安は一時一掃されたのだ。そして今も根強くサポートする
第一次トルシエ派が形成されることになるのであった。

(得点は中村俊輔の芸術的ループ。明神は、なんと小野と交代で出場)

1ヶ月後、JFAの要請により突如トルシエはU19の監督に就任し、U19、U21、代表と
3世代を見ることになるのだった。何の苦労もなくだ。まさに”棚ボタ式”にトルシエの
手の中に黄金の卵が落ちてきたのだった。

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次からは時間軸にこだわらず、思いつくまま書いて行きます。

トルシエの評価(5)

投稿者名: いいとしのグリフ
投稿日時: 2002/05/21(Tue) AM 4:07
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監督にはいくつかのパターンの監督が存在する。

思いつく限りで分類すると
1.戦術派
2.教育派
3.コーディネート派
である。

コーディネート派はおもにヨーロッパ、南米のサッカー先進国に
おいて活躍の場がある。強国の代表チーム、強豪クラブなどである。
このタイプは選手、チームのバランスを取る力があり、選手や
クラブ全体に対してうまくモチベーションを与えるのがうまい。
その結果短期間でチームを見違えるように変えることができる。
よくも悪しくもであるが。。。

戦術派
独特の戦術を唱え、理想のチーム像をうまくイメージしコツコツと
チーム作りを行う。サカツクタイプである。このタイプは教育派でもある。
戦術というと3−4−3とか4−4−2とか、はては3バックとか
4バックとか極端に数を言う人がいるが、トルシエが言うようにそれはファクタの
ひとつに過ぎない。はっきり言えばそうした数字はスターティングポジション時の
数に過ぎない。本来の戦術派とは、いくつかの戦術のもとに必勝チームを作ろうと
するタイプである。
どのように堅く守備をするか、守備から攻撃へのパターンはどうするか、攻撃から
守備のパターンはどうするか、引き分けをねらうときはどうするか、など目的別に
応じて細かく戦術を唱えそれに順じて最適な動きができるチームを自分の信念とも
いえるやり方で実現するタイプである。

教育派
チームの基礎を作る。驚くような効果的練習法を創造したりする。だいたいは宗教的とも
思われるようなフットボー哲学を持ち、無垢な人つうか選手を啓蒙して、ひたすら
チームの素材を良品質にする。最新の世界的流れも情報としてよくつかみ、将来像を
しっかりイメージしたチーム作りを行うことができる。スタッフを含め、周りのサポートを
使うのがうまく選手だけでなく、関係する人すべてがなんらかのよい影響を受ける。
しかし残念ながら本人が最大の結果を手にすることは少なく、将来、名戦術派監督が
来て初めて最終的な完成が得られることが多い。

さて、日本にはどのタイプが理想であろうか。
そしてトルシエはどのタイプであろうか。

日本に適しているのはいつの時代でも教育派の監督である。
これはクラブの監督にも代表監督にも言える。
なぜなら日本のサッカーの遅れは相当なものであり、ヨーロッパレベルにおっつくまで
なんとか努力したとしてもリアルタイムで遅れが発生してしまうからだ。
それほど地理的な劣勢はでかい。どこの国も国懸かりで人材を育て、その中から
未来の選手がどんどん生まれている。そうした選手や、優秀な監督がそばにいるかいないかは、
かなり影響力に差あるものなのだ。
だから、できるだけ身をもって示せる、まだ動ける年齢の監督がいい。
素人には実際に手取り足取りでないと伝わらないのと同じだ。

トルシエは何派だろうか。
アフリカでの実績を考えると、コーディネート能力、教育能力が
優れているように見える。そして教育派には珍しく、短期間で
結果を出している。(ブルキナファソ)。これは、コーディネート力が
ほどよくバランスして備わっているためと思える。

このように考えると、3年半でグループリーグを勝ち抜けるチームを作るという
目標を掲げて、それを前提として選んだ監督としてはかなりフィットしている人物と
私は思う。

最後にちょっと関係ないけどトルシエの特徴を挙げてみる。

1.多くの選手たちにチャンスを与え、それに見合った起用を試みる。
2.フラット3という戦術(世界唯一)を提唱している。
3.期待している選手がふがいない場合ぼろくそ言う。
4.ぼろくそ言った選手にもチャンスを与える。
5.リーグで好調な選手を呼ぶ。
6.まめに試合を観戦する。
7.手振り、身振りで教える。
8.アジテータである。名アジテータと言ってもよい。
9.若い世代を好みよく代表に上げる。
10.戦術にマッチしない場合、力のある選手でも呼ばない。
11.スター選手には特権を与えない。(むしろ不利)
12.選手にやたら外国行きを勧める。
13.協会と好んで対立する。
14.メディアと好んで対立する。(おそらくメディアをいつも冷やかしている。)
15.運がいい。不思議なツキを持っている。



トルシエの評価(6)

投稿者名: いいとしのグリフ
投稿日時: 2002/05/21(Tue) AM 4:37
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トルシエはフランス人である。えっ誰でも知ってる?
そう、しかし、その割には「フランス人の特徴はこうだから・・・」という
表現をあまり目にしない。
だから、ふと、フランス人の特徴から見たらどうだろうか? と私は注目する。

が、残念ながら、フランス人の特徴について となると、ゼーマンが
Number誌上で語ったものと日本人ヨーロッパ史作家 塩野七生さんが日産の
ゴーン会長について語ったものしか知らない。
次の2点である。

1.フランス人は創造力が豊かである。(ゼーマン)
  これは対フランスに勝つ方法をゼーマンが語った文章中に出てくる表現で
  創造力が豊かだといろいろと余計なことまで試合中に考えるらしい。
  だからすごく大事な試合の中でも集中していない瞬間がある。といっている。

2.フランス人は中央集権的である。(塩野氏)
  なにかのエッセイで書いてあったもので、ゴーン氏(日産)の大胆な
  リストラや工場切りなどの”再建”策は、この特徴がよく出ているらしい。

それぞれをトルシエにあてはめて検証すると、
創造力、クリエイティブなところは、まずユニークなディフェンスシステム、
フラット3の発案。また、500ページからなる本の存在。(仮に頭の中のみとしても)
異常なほどのユーティリティプレーヤへのこだわり、などが思いつくが、
もっとすごいのは創造力の源の材料集めに努力を惜しまないことである。
国内、国外試合を見に行くことはもちろん、これはといった選手は必ず代表に呼んでいる。
おそらく選択肢が多ければ多いほど彼の創造力は発揮され、刺激され
よい結果を導くことができるのであろう。しかし、新しいもの好きとか、わざと
人の反対をしたがるようなところも、無きにしもあらず という感じだ。

中央集権的ということについては話の本筋からずれるが、紅ジャケじゃなくて
エメジャケのカントナはずしを思い出す。
なぜカントナをはずしたか?

もし代表にカントナがいると
1.権力が分散する。(ピッチ上では監督以上の権力)
2.選択肢がせばまる。(カントナ中心にせざるを得ない)

これではジャケ自身やりたいことが大いにせばまってしまう。
よってジャケはカントナによって選択が狭まる状況を排除し、
もっと自由に可能性を広げることを選択した。つまりカントナ無しの
チーム作りを始めた。
結果としてジダン中心ともいえるチームにはなったがそれは当初から
カントナ→ジダンのシナリオがあったわけではなく、あくまでも
可能性を広げてチームを練り上げた結果としてデシャン、ジダンを
中心にしたチームができたのだと思う。

さて、トルシエは中央集権的か。
言わずもがな、というところであろう。
クラブの監督は、なぜトルシエが自分たちに協力を要請しないのかと、
不思議に思っている。
理由は、「フランス人であるから」だろう。おそらく。

トルシエにとってクラブは代表へ良い選手を提供するための学校の
ようなものなのだろう。彼自身、クラブへは「選手の強化と好素材の発掘を
期待している」というようなことを言っている。
日本のクラブが代表を強くするためには骨惜しみなく協力するのは当然だ
ぐらい思っているに違いない。

だから彼にとって不満は、むしろ彼が思っていたより協力的でないことかもしれない。
それはJリーグだけではなく、JFA、メディアに対してもだ。

日本は戦後民主主義のおかげで、これほど権力を欲しがる人間には慣れていない。
そのわりには日本ってけっこうカリスマ性に弱いことがよくわかったりする。

トルシエの評価(7)

投稿者名: いいとしのグリフ
投稿日時: 2002/05/24(Fri) AM 3:06
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トルシエが最初に迎えた国際大会は、この年(1998年)の暮れにタイで
開かれた”アジアのスポーツの祭典” アジア大会(サッカーの部) である。
アジアではアジア選手権とほぼ同列に扱われるグレードと言ってよい。

ここでトルシエは実に思い切ったメンバーで臨むのだった。
つい2週間ほど前に素晴らしいサッカーを演じたU21、
つまりシドニーメンバーをまんま用いたのである。
アジアをなめてんじゃないか、そんな声が多く聞かれる中、
自信ありげに堂々とトルシエは活躍を約束し、タイに向かったのであった。
そして、日本全体を一気に失望させる結果をもたらした。

////////////////

代表メンバー

監 督 トルシエ
コーチ 山本昌邦 サミア ; GKコーチ 望月一頼

GK
榎本達也
南 雄太

DF
宮本恒靖 戸田和幸 金古聖司 山口智 古賀正絋
中谷勇介 手島和希 市川大祐

MF
石井俊也 明神智和 中村俊輔 稲本潤一
小野伸二 古賀誠史

FW
広山望 福田健二 高原直泰 山下芳輝

**** 結果 *****

1次リーグ

C組:
12/1 日本 5 − 0 ネパール
12/3 日本 1 − 0 インド
12/5 インド 1 − 0 ネパール

1位:日本(6),2位:インド(3)

////////////////

2次リーグ

2組
韓国(A組2位),UAE(E組1位),クウェート(G組2位)

12/7 日本 0 − 2 韓国
12/7 UAE 0 − 5 クウェート
12/9 UAE 1 − 2 韓国
12/9 日本 2 − 1 クウェート
12/11 日本 0 − 1 UAE
12/11 韓国 1 − 0 クウェート

韓国(1位),クウェート(2位)が 決勝T進出決定

日本なんと2次リーグ敗退(泣)

////////////////
以下 参考

準々決勝
12/14 ウズベキスタン(1組1位) 0 − 4 イラン(3組2位)
12/14 中国(3組1位) 3 − 0 トルクメニスタン(1組2位)
12/14 韓国(2組1位) 1 − 2 タイ(4組2位)
12/14 カタール(4組1位) 0 1PK3 0 クウェート(2組2位)

準決勝
12/16 イラン 1 − 0 中国
12/16 タイ 0 − 3 クウェート

3位決定戦 12/19 中国 3 − 0 タイ

決勝 12/19 イラン 2 − 0 クウェート

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クライフが教育について語った文章中に、

「常に上の世代とやることによってフィジカルへの対処能力が
備えられ、一段と技術がアップする」*注

というようなことがあったが、まさかアジア大会という大きな大会で
それを行なうとは唖然とするではないか。

そしてさらに、この大会は日本の弱点を再確認することになった。

1.連戦により体力が無くなる。またその時の激弱さ。(スタミナ不足)
2.数段技術が落ちる相手に大事な試合で負けるという精神力のふがいなさ。
(UAE戦の敗北)
3.アウエー戦の弱さ。(ピッチ状態、暑さなどへの適応力)
4.韓国への苦手意識。もしくは韓国との力の差。
5.軸になる人間がいないための精神的弱さ。
6.FWの決定力不足。
7.DFを始めとするフィジカルの弱さ、1対1の弱さ。
8.守って引き分けという戦略的狡さができない。
9.ディフェンシブにプレーしてカウンタで点を取る省エネもできない。
などなどである。

しかし、これらは一年前のW杯予選のビデオを見ると一目瞭然の弱点ではないだろうか。
なのに、西洋人の恐ろしさというか、わざわざ再確認を行なっている。
「私の日本代表に対する欠点の認識は間違っていないな」
というところだろうか。

そしてこの欠点を補うべく、さっさと世界ユースチームを3ヶ月で教育して
素晴らしいチームに仕立ててみせるのだった。
まさに「プロの教育者」ではないだろうか。

*クライフの発言 「美しく勝利せよ」より
「たとえばファンバステンやビチュヘのような選手が成長するには、屈辱や敗北感を
味あわせる必要がある。昔はジュニア選手を年長チームと対戦させたり、レベルの
高いチームに混ぜたりした。ハイレベルな試合の中で、少年たちはしごかれ、身体で
学んでいく。これほど厳しい学校はない。
才能ある若手にこそ、挫折を経験させなければならない。挫折は、その選手を成長
させる最大の良薬だからである。」


トルシエの評価(8)

投稿者名: いいとしのグリフ
投稿日時: 2002/05/29(Wed) AM 3:52
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サッカーの戦いには2種類の形式がある。リーグ戦とトーナメント戦である。
W杯においては、グループリーグと決勝トーナメントになる。
それぞれ戦い方は違う。なぜなら勝ち上がり方式が違うからだ。
リーグ戦は勝ち点方式の総当たり戦で、トーナメントはノックアウト形式である。
ノックアウト方式は負けたら終わりだからわかりやすい。複雑なのはリーグ戦の方だ。
そしてJFAとトルシエの当面のというか4年間の最大目標はグループリーグで
2位以内に入ることである。

おそらく、トルシエは3年半もの間、グループリーグの勝ち抜けについて、悩みに
悩んだことだろうと思う。とくに昨年12月の抽選後は何度となく計算し、シミュレーション
したことだろう。
ということで私もそれを理解すべく考えてみる。

まずグループリーグにおいては次のケースを前提に確かな目的を持って戦うことになる。
a.必ず勝たなければならない試合。攻撃的。
(点を取りに行くしかない。取ったら? 点差にもよるが時間帯で異なる動きが必要)。
b.大差で勝たなければならない試合。超攻撃的。休む暇なく攻めまくる。
c.引き分け以上をねらう試合、勝ちなら上出来。守備的、カウンタねらい。3バック、4バック融合。
d.負けてはいけない試合。内容などどうでもいいから引き分けをねらう。超守備的。5バック必須。
e.負けてもよい試合。サブを使ったりレギュラーの黄色累積やケガを防ぐ。やや退屈でもよい。
f.負けた方がよい試合。(トーナメントの相手を見ての2位ねらい。)むずかしい。福西を出すか。
イナとのコンビで。
g.負けても少差にしなければならない試合。DFはレギュラー、服部、明神先発、その他はサブ使いか。

このように簡単に分けても7ケースほどあり、時によって試合途中でも他の試合結果次第で
目的を変えなければいけないことも発生する。また選手の怪我や退場、相手側の選手の退場などで変ることもある。
なんつうか動的に組み合わせが発生するも含めたりするとパターンは相当な数になるかもしれない。
いや、なぜパターンやその数を気にするかというと、当然陣形や戦い方をそれに合わせる必要が
あるからだ。つまりそれごとに変えて臨まなければ自ずとねらった結果が得られないからである。
また、これも当然ながらその目的に合わせ、戦い方を巧みに変えることができる能力が
選手個人個人にあらかじめ備わっていなければならない。
えーとなると、どうだろう、過去のつまらぬ試合がいかに有効かと思い出したりするのでは
ないだろうか。

それは別としても、こうしたことも考えるとチームがこのような動的変化にも逐次対応できる
となるには、それを前提とした相当な訓練が必要だろうことが想像つくかと思う。
またさらに、ユーティリティをもつプレーヤがいかに効力を発揮するかもわかると思う。

さて話を変えて、数字を中心に勝ち抜ける目安を考えてみる。
リーグ戦は4チームの1回総当りであるからそれぞれの3試合の結果で決まる。
勝ち点は 勝ち:3、引き分け:1、負け:0 である。
グループの中で多くの勝ち点をあげた順に2位までが決勝トーナメントに出場できる。
勝ち点が同じ場合は得失点差が大きいほうで決まる。

つまりこの戦いでは3勝をあげるか2勝1分は無条件で抜けるがそれ以外は、相対的な
条件によって順位が決まるということだ。そのため大変微妙な戦いが要求される。

1.3勝 : 無条件に1位抜け
2.2勝1分 : ほぼ1位であるが、ごく少ない確率で得失点差で2位もある。いずれにしろ抜け。
3.2勝1敗 : 1位か2位の可能性が高い。ごく少ない確率で得失点差で3位もある。
4.1勝2分 : 2位、または3位。どこかが2勝すると2位確定。
5.1勝1分1敗 : 3位または2位。大変微妙な位置。
6.1勝2敗 : もっとも3位らしい数字。同じ勝ち点3でも3分より3位がはっきりしている。
7.3分   : かなり微妙な位置。普通に考えると3位だが、前回のパラグアイは2位。
8.2分1敗 : 3位か4位
9.1分2敗 : 4位か得失点差で3位
10.3敗 : 4位

Hグループを考えるとチュニジアの3敗を前提にしたほうがいいかもしれない。
この場合、先に2勝したらまず勝ち抜けである。最悪2勝1敗の3スクミでの得失点差勝負も
あるが、最終戦に引き分けねらいができるチームが有利であることは間違いない。
また、1勝1敗で最終戦チュニジアと当たる場合、つまり日本も有利である。
なぜなら2勝しているチームは3スクミを避けるため、ひたすら引き分けをねらうから。

次に1勝2分もほぼ大丈夫かと思われる。この場合は2勝1敗より有利かもしれない。
日本の場合はロシア×ベルギーが引き分けない限り抜けることができる。
もしロシア、ベルギーがお互い1勝1分同士での最終戦勝負で分けるなんてことが
あるとしたら恐すぎる。
いったい、チュニジアから何点とるかで決まるかよ、フツウ。
(ファンからしたら願ってもない状況やね、つうか生きた気がしねー)

問題は1勝1分1敗で抜ける確率である。この場合勝ち点ではなく、おそらく得失点差で
決まることになる。
日本においては1分1敗で最終戦だからしゃにむに点を取りに行かなければならない。
これも願ってもない攻めなければいけないパターンだが、果たしてプレッシャーに勝てるか。
が、しかしどんなに頑張っても、ロシア×ベルギーで談合が行われたりした日にはアウトである。
(談合:日本、チュニジアに対し2勝したほうが負ける、または両者引き分け)

以上から私の結論としては1勝2分以上の結果が必要になる。
つまり緒戦のベルギー戦は絶対負けられない。ここに勝ったらほぼ勝ち抜けは確定する。
もし引き分けた場合は、次戦のロシアに対し引き分け以上が必須となる。
(が、ロシアに引き分けたらほぼ勝ち抜けが確定すると思う)
さて、緒戦、ここでの戦いかたは?
おそらく”カメルーン戦@コンフェデ方式”で行くか、”昨春の対スペイン方式”で行くかであろう。

次のロシア戦だが、今は予想できない。ベルギー戦の結果次第で大きく戦い方が変ってくる。
が、仮にそうだとしても、上記前提を考えると自ずと決まってくるとは思うが。。。

補足:ベルギー戦に負けても勝ち抜けの目があることはある。ロシア戦に勝つこと、だ。つうかそれのみ。
   この場合は超攻撃的でいくしかないでしょ。だからかえって危ないすよ。
   しかし超攻撃に行かずに必勝の試合を勝つなんてできるんかよ。ウルトラむずい。
   例に出すと、岡ちゃんのときの前回W杯のクロアチア戦がこの状況だった。
   今いえるのは、あの試合はもっと点を取りに行かなければならなかったということだ。
   しかし所詮結果論だが。

トルシエの評価(9)

投稿者名: いいとしのグリフ
投稿日時: 2002/06/07(Fri) AM 3:30
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トルシエの評価は、日本国内より外国での方が高いように思える。
海外プレスのいい評判の記事のみ が都合よく伝えられている からなのだろうか。
いや、違うと思う。

たとえば、ドゥンガや???(忘れた)やストイコビッチなど日本を離れている名プレーヤーが
トルシエの功績をよく認め、その手腕を誉め称えている。(言葉の節々にそれが感じられるので)
このことは、外国のプレスが好んで高い評価を与えていることも影響しているというより、
本質は、彼ら自身が雑音のない中で、その試合内容の変遷を冷静に見ているからだと思う。
彼らが気にしていた日本のメンタル面、勝利への執着心への弱さが、徐々に克服されていることを見、
日本は確実に良化していると確信したのだと思う。(彼らも変えようと試みていたことだが)
そして、それは、フラット3がどうのこうのとか、FWが点を取るとか取らないとかより、
ずっとず〜っと大事なことだったに違いない。

さて、だからじゃないが、トルシエを知るには、その試合をじっくり見ることで充分ではないだろうか。私らも。

また、トルシエは日本だけではなくアジアにも影響を与えてきたと思う。
考えてみれば、韓国がヒディングを招聘したのも、トルシエの日本での劇的効果に驚き、
どうしても、それにあやかりたいと思ったからではないだろうか。
アジア的にもトルシエはようやった。(時期的に過去形になりつつある)

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えーこのシリーズもなんとか日本の緒戦までに終わらんと思って書いてきたけど、
ついに書ききれず、尻切れとんぼ的になってしまった。残念す。
ほんとに一杯あったんだけどなぁ。

あんど、実は、あとどうしても書きたいことがあり、しつこいけど、
それを明日の夜に書こうと思う。
うーん、なんとしてもロシア戦の前には終わらないとね。

(昨日はリトバルスキーも誉めてるとか書いたけど、今日のNumber誌上で
しっかり否定していた。彼はもう半分日本人なんだ。。。)

トルシエの評価(10)

投稿者名: いいとしのグリフ
投稿日時: 2002/06/08(Sat) AM 4:23
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”あとどうしても書きたいこと”、それはフラット3について、だ。
な〜んだ、って感じ だろうか。
まぁ自分なりの解釈っつうことで聞き流してもらいたい。

自分なりにトルシエによって良化されたものは何か、と問うた時、
まず思うのがディフェンス力の強化である。だがそれを語るには
フラット3はどうしても避けて通れないじゃないすか。

さて、監督は就任して初めに何をするか。必ずDFに手を入れる。
入れないとしたら、へぼ監督と言っていい。
なぜDFか。
サッカーは相手より1点多く取らなければ勝たないスポーツだが、逆に1点
多く取られると負けである、からして、早い話DFが堅いと最小得点を
取ることで勝てるからである。効率がよい、計算できる。そして、なんと
点を取らなくとも0点に押さえると勝ち点1が得られる。いや不思議なスポーツだ。

例に漏れずトルシエは就任してすぐ画期的?DFプランを発表する。
つまり”フラット3”なるもので、ファンを驚かしたのである。
以来3年半もかけてフラット3という戦術に磨きをかけてきた。
とにかくDFに呼ばれると、このシステムを理解することから始めるのだから、
代表に呼ばれた10人ほどのDFはすべてフラット3を学んだことになる。
そして、これがトルシエの日本強化の第一章の始まりだった。
明日のためのその一、フラット3。

実は私は別にこれがフラット2でもよかったのではなかったかと思っている。
なぜか、というと、とにかくトルシエは少ない人数で守ることを身につけさせい
と思ったからである。
DFの基礎として少人数で守ることを覚えなければならない。
後ろが薄くても守れる力があれば、つまり守る効率があがれば、攻撃にそれだけ
多くの人間をかけることができる。

日本の欠点はフィジカル面といわれる当たりの弱さであるからして、
どうしても「ボールの争点には人数を多くかけていくしかない」、という
古代からの命題をかかえている。単純に考えれば運動量で相手より多く
いるように見せかける分身の術頼みだが、その運動量が常に相手を上回るとは
限らない。強国の体力は相当なものである。つまり強国相手にそんなことはほぼ不可能な
ことであるし、さらに相手が超スピードを持って動くとなると、その瞬間
日本のDF陣は でくの棒化 してしまう。
つまりアジアレベルではいいが、世界を相手ではだめなのである。
さあその不安をどうやって払拭するか?
頭を使うしかないぜ。(秋田的 頭 ではない)

そして頭を使った答えがフラット3である。

1.人数の不足分は、オフサイドトラップで補う。
2.このオフサイドトラップを武器にDFラインをできるだけ高くもち中盤を薄くする。
3.DFの弱さを表に出して、中盤から前のMF、FWにディフェンス意識を持たす。
4.相手のFWを低い位置に釘付けする。
5.なるべくサイドに目を向かせることで個人の受け持つ範囲が広がる。
6.あらかじめスペースを見せているので、相手のねらいがわかりやすい。
7.センターバックが賢くなる。

などがメリットかと思う。

がしかし、単なる3バックと違ってフラットであるがため、

8.4バックに移行しやすい。
9.両サイドのMFを下げると5バックに移行できる。

というメリットも隠れているのだ。そしてこれこそが本当の目的である。
トルシエも見たであろう、98W杯フランス×パラグアイのパラグアイ戦法。
あれこそが、日本がフランスのような強国に勝つための唯一の方法なのだ。
そしてその守る力の基礎となるものがフラット3の克服だった。

このように、教育の一環として始めた第一章であるが、思いのほかヒットして
いつのまにか、いつか第二章4バックにしようと思っていながら行きそびれてしまった、
というのが実状なのではないだろうか。いや、そう私は信じている。
(冗長させたアジアもよくない。が、アジアレベルには実に有効)

さらにサッカーを知らないマスコミが、フラット3の是非を毎回のように
問うているうちに、このフランス人も煽られ、切れて、ついにへそが
曲がってしまったのであろう。
いつのまにかお試しであることを言い出せず、フラット3でW杯まで行くということに
意固地になっている。
しかし、トルちゃん、もういい。
もうフラット3で充分みんな強くなった。みんな悩んで大きくなった。
もうジャブはおしまいだ。今は”明日のためその二”のストレートを繰り出すべきだ。
いやそれだけでなく、”明日のためのその三”クロスカウンター を見せてくれ。お願い。

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はぁ、しかしもしロシア戦が4バックだったら
「ブラフを3年半もかけてやるなんて、やりすぎとちゃうだろうか。」
とつぶやいてしまうだろう。

(*明日のためのその三クロスカウンター、それって秋田のヘッドかい)


トルシエの評価(11)

投稿者名: いいとしのグリフ
投稿日時: 2002/06/08(Sat) AM 4:52
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トルシエは野心家である。ボラも野心家である。ヒディングもエリクソンも・・・。
彼らを見ていると、中国の戦国時代の政治家、戦術家を見ているような気がする。
一国で実績を上げ、そして他国へ自分を売りつける。
彼らにとっては名声をあげるための通過国であるのかもしれないが、その国は
非常に多くのものを得たりする。まったく不思議である。人間は、おそらく、
その人が予想する以上のものなのであろう。

そしてそのような人を語るのは楽しい。勝手に想像して書いているだけで。

トルシエはおそらく自分の夢であるプレミアのクラブの監督を目指し、今後も
いろいろな国やクラブで実績を出す人だと思う。
そして、いつか苦手な戦術面、采配面に磨きをかけ、戦術派の名監督になることであろう。
彼が自分には小国が合っている、と言っているのは謙遜であり、まだ敵を作りたくないからだと思う。
いずれ、強国、名門クラブの監督を引き受け、最高のものを得ることもあるかと思う。

日本ではその才能を、一番愛していたのは、マスコミや評論家でなく、一般サッカーファン
なのではないだろうか。
いつか、トルシエに外国で会って話す機会が仮にも偶然にもあったなら、日本の話をし、
日本が強くなったのはあんたのおかげや、みたいなことを話したいものだ。

=終わり=