決定力の謎



Wユース、対カメルーン戦の直後、サッカー好きの同僚に、 「決定力」という得体のしれない能力の正体はなんだ?と聞かれた。 即答できなかった。「決定力って鍛える方法はねえのかよ」と追い討ちをかけられる。 「う〜ん…」

例えば、自分がW杯アジア地区最終予選の最終戦に出たとする。勝つか、引き分けならW杯出場決定。 負ければダメ。得点は0対1、敗色濃厚な後半ロスタイム。
ここで、自分に決定的なスルーパスが出て、ゴール前20Mでキーパーと1対1になったとする。 つまり、そのシュートを決めればW杯出場、外せば負けだ。ここで、決定力が問われる。

精神的な部分は当然影響する。決めなきゃいけないというプレッシャーの中で、 キーパーと距離があるだけに一瞬いろんな事が頭に浮かぶ。早めに打つか、キーパーを引き付けるか。 早めに打つにしても、ループか、インサイドか、インステップかあるいはアウトに掛けるか。 結局判断が遅れて、思い切って出てきたキーパーに焦ったために、 中途半端になったシュートは枠を外れ、ホイッスル…。
決定力は、「ここ一番で冷静になれる」、 あるいは「プレッシャーの中でも思い切りが良い」という精神力か? 持って生まれた性格か?

決定力のなさに泣いているクラブチーム、代表チームは多い。 これを鍛える練習方法はないのか? 持って生まれた特殊能力であれば無理だ。

でも、同僚に聞かれて悩んだ末の俺の結論。

決定力は、結局「スキル」だああああ!

もっと言うなら、 シュートの精度(アシスト者がいるなら、ラストパスの精度も)を含めた ボールコントロールだ。 結局のところ得点っていうのは 「ゴールマウスに、キーパーが防げないコース(又は防げないスピード)でボールを蹴った結果」だ。 チャンスにゴールできないのは、 そういうボールコントロールできなかっただけのこと。
附随する要素として、 シュートコースを確保するポジショニングとか、 シュート直前にゴールやキーパーの位置を確認することは必要。
DFからの物理的プレッシャーの中で シュートを打つ練習を極めれば、 ちょっとやそっと緊張で足が縮こまってても得点できる・・・・・はず?

(16th Apr,1999)


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