中田のドリブル編



金田さんも感心していた中田のフィジカルの強さ。

フィジカル、フィジカル、お願げえ、フィジカあああル♪(O.ニュートンジョンより)

特にドリブルのときに追いすがるDFを振り切る場面が多い。 顔を上げた姿勢での、重心が低いドリブルのボディバランスのよさはよく言われている。 しかし、それに加えて際立つのは「体の入れ方」のうまさだ。 体の入れ方は大昔の実践講座でも書いたが、 手を横に広げて相手をとおせんぼしながら、 肩を相手の肩の前に入れる、と同時に腰を相手の腰の前に入れる。 もちろん、サッカー選手は競り合うときには殆ど無意識に体を入れようとする。 しかし、トップスピードのドリブル中だと、 スピードと(切り返しも含めた)ドリブルの方向だけで勝負するのが普通だ。 サイドからエンドラインに沿って切り込むときのドリブルは体を入れる形になるが、 これはあくまでドリブルの方向の問題。 また、シュートやパスを出すときにフィニッシュで体を入れることもあるが、これは体勢が崩れてしまう。

中田のすごいところは、トップスピードのドリブル中で体を入れていることだ。 ショルダーチャージや手を使うくらいは誰でもやるが、 中田はドリブルしながら、 DFが背後や横からプレッシャーを掛けてくる方向を予測して (というより気配を感じてるんだろうが)そこに先に体を入れている。 おいおい、それはボールを奪う方(DF)がやることだろうがあ! 名づけて「先手必勝ドリブル」!!

この先手必勝ドリブルは、 DFにとって常に中田の背中を見ることになり(というか、それが目的)、 止める方法はバックチャージしかない。 中田が相手のファールを誘い、しかもイエローが多いのはそのためだ。 さらに、昨夜の試合では気合が入ってたから 体を入れるついでにDFをはじきとばしていた。 名づけて「パトリオット(迎撃型)ドリブル」!!!(爆)

いずれにしても、ボールにばかり気を取られていてはできない芸当といえる。

「本物だった・・・やはり本物だったああ!!」(丹下段平の声で)

(17th May,1999)


←お帰りはこちら