「指じゃ……やっ、いや……ですっ。もっと…ちゃん、と……っ、アナタのが……ほし…っ」

ぐすぐすとしゃくり上げながら言ったルヴァにアリオスは満足げな表情で口づけた。
じゅぷっと大きな音を立てて指が引き抜かれ、かわりに熱いカタマリが押し当てられた。
感じ慣れた熱い感触に体が期待して酷く疼いた。
しかし、それはすぐに挿し入れられずにじれったくぬるぬると双丘の間を滑った。

「んっ、あっ、い、やっ。焦らさない、で……っ」

今にも泣き出しそうな顔でアリオスを見上げ、はやく欲しいとルヴァはねだった。
その淫らな表情にアリオスはごくりと喉を鳴らし、渇いた上唇をぺろりと舐めた。
自分の我慢が限界まできているのを感じ、アリオスはルヴァの内部へ先端をぐぐっと押し当てた。
徐々に押し込まれる質量にルヴァは切なそうに眉尻を下げる。
喉から込み上げてくる声は声にならないらしく、開かれた唇からは唾液だけがとろとろと流れた。

「……くっ」

小さくうめき、ルヴァの中に全てをうずめてしまうとアリオスはそのままルヴァの体を囲うように覆い被さった。
ふぅふぅと息を吐いているルヴァの唇にそっと自らのそれを重ねる。
ルヴァはアリオスの首に力無く腕をからめると自分から積極的に舌を差し出した。
絡められた舌。
何もかも奪い合うように唇を合わせながらアリオスの腰がゆっくりと動きはじめる。

「あっ、あぁっ、ア、リオス……っ、もっと……っし、て…ッ」

ぎゅううっと残っている力で必死にアリオスにしがみつき、ルヴァは恥も何もかもかなぐり捨てて自らも腰を揺すった。
ぐちゅぐちゅと結合した部分からもれる音にさえ興奮する。
おかしくなっているという自覚はあったがもう止めることはできなかった。
アリオスはルヴァの求めに応じるように激しく腰をつかった。
二人の腹部の間にあったルヴァ自身はその動きに擦られてひっきりなしに蜜を零していた。

「あっ、あ……んっ、ぁっ、イ……ッ」

「は…ッ、すげー、キモチイイ……」

いつもよりも熱い内部にきゅうきゅうと締め付けられる。
その締め付けにたまらなげに眉根を寄せ、うっとりと目を閉じたアリオスは呻くように言った。
そして、さらに深く、激しくルヴァを突き上げた。

「ア、リオ、ス……。あっ、ああん、もう……イク……っ」

「愛してるぜ、ルヴァ……んっ……」

「ああっ!!」

熱くそう囁き、角度を変えて熱い内部の一番いいトコロを続けて突く。
すると、ルヴァはびくびくと体をしならせ、アリオスをくわえこんでいる箇所をきゅうっと強く締めつけながら達した。
甲高い嬌声をあげるルヴァの口の端を粘っこい唾液が伝う。
その様を見ながらアリオスはルヴァの中にブランデーよりも熱い白濁を放った。





× × ×


 



その後、何度も何度もルヴァが意識を失うまで思う存分体を重ねた。
おかげで二人の体は互いが放出したものとルヴァの内部に入れて溶けたチョコででベタベタになっていた。
もちろん情交が行われていた床も。
アリオスは今までにないほど乱れ、激しかったルヴァに満足そうな表情を浮かべながらベタベタになったその体を風呂に入れた。
そして、体全体はもちろん内部も丹念に優しく丁寧に洗い流し、綺麗にした。
その後、自分の体も洗い流した。

「これでよし、と」

意識のないルヴァの体を風呂から出してタオルで丁寧に拭き取った後、ベットへと運んだ。
自分の体はろくに拭かずに。
この時点、二人は何も身に纏っていなかった。
ベットの上に静かにルヴァの体を横たえ、窓から差し込んでくる月の光に浮かぶ白い肌に散らばっている赤い痕を見つめた。
それがとても綺麗でついつい誘われてしまい、アリオスはルヴァに覆い被さるとその痕に唇を落とす。
まずは首から肩にある痕に。
それから痕を追って下へと唇を移動させていった。
途中、痕よりも赤い胸飾りを啄んだりした。

「…んっ……あっ……」

意識がなくても敏感に反応するらしく、ルヴァの体は与えられる刺激にピクピクと跳ねた。
そして、唇の間から甘い声が零れた。
そんなルヴァの反応にアリオスはくすっと笑うとぐいっと強い力を込めてルヴァの足を持ち上げて、左右に大きく広げた。
持ち上げた太股にも赤い痕が無数に散らばっていた。
そこにも唇を寄せた。
しかし、先ほどまでの啄むだけのものではなく、強くより赤い痕を残すかのようにきつく吸い付いた。

「あっ……やぁ……」

与えられる刺激の強さに無意識にルヴァの体が逃げようとした動きを見せた。
それを許さないようにがっちりとルヴァの足を掴んでアリオスはしつこいくらいに唇を落とした。
その度に後口がパクパクと口を開き、可愛らしく喘いだ。

「ルヴァ……」

可愛らしく喘ぐ口にアリオスは誘われて口付ける。
そして、そっと舌をその内部に差し込み、深い口づけをした。
その刺激が強烈だったのか、ルヴァの体が思いの外大きく跳ねた。

「ああっ…ん……っ」

体が跳ねた衝動と自分の口からあがった高い声にルヴァは覚醒したらしくうっすらと目を開けた。
そんなルヴァに気づいて、アリオスは舌を内部から抜き、にこっと笑ってちゅっと音を立てて後口に軽く口付けた。

「ア、アリオス!!……な、何をしてるんですか…!?」

「何ってキスだろ?」

足の間からアリオスの行為を思いっきり目の当たりにしてルヴァは全身を真っ赤に染めて口をパクパクさせた。
その反応を見て、アリオスは楽しそうに笑った。
もうすっかり酔いも冷めているらしく、いつものルヴァになっていた。
恥ずかしかったのだろう、瞳には涙が潤んでいた。
もう何度も肌を合わせているというのにいつまでも初なルヴァ。
そんなルヴァがアリオスは好きで好きでたまらなった。

「ああ、こっちにもしないとな」

そう言って、持ち上げていたルヴァの足をおろし、今度は唇に口付けた。
アリオスの口付けに眉をハの字にしてルヴァは更に真っ赤になって照れながらシーツを身に纏った。
これ以上恥ずかしい姿を見せたくないと言わんばかりの行動だった。

「ア、アリオス……もう…あなたって人は……!!」

「顔真っ赤だぜ、ルヴァ」

ふふっととろけそうな顔でアリオスは笑ってからかうようにそう言うとシーツごと一緒にぎゅっと愛しい体を抱きしめた。

「そうだ、ルヴァ!チョコの味はそうだった?美味かったか?」

「………」

「どうだったんだよ。なあ、ルヴァ?」

甘えるような声で耳元で執拗にそう問い、アリオスはルヴァの片耳を甘噛みした。
その声と行為にルヴァの体がピクンと跳ね、噛まれている耳はこれ以上ないくらい赤くなっていた。
美味しかったかなんて解らない。
ブランデーの強さに狂わされて解らなくさせられてしまったのだから。
ただ甘かったとほろ苦かったいう印象は残っていた。
甘かったチョコがブランデーのせいでほろ苦くなった。
ほろ苦くした熱い液体はまるで媚薬のようだったと思う。
アリオスが自分のことを想って準備してプレゼントしてくれた事実はとても嬉しかった。
愛してくれていることを目に見える形にしてくれたことが。
けれど、そのチョコによって翻弄され、激しく乱れに乱れまくった自分のことを思うと何とも言葉を失ってしまう。
穴があったら入りたいぐらい恥ずかしかった。
その恥ずかしさをアリオスは察してくれてもわざとそれを逆手にとる。
このまま返事を返さないでいれば何度も何度もしつこいくらいいつまでも問いかけられることは深くつきあっていて身に染みて知っていた。
ルヴァは観念して顔を見られないように自らの腕をアリオスの首に巻き付け、真っ赤になったまま口を開いた。

「………ですっ…」

「ん?」

「……まるで…あなたの…よう……でした……」

恥ずかしさのあまり声が微かにしか発することが出来ず、その上言葉がとぎれとぎれにしか出てこなかった。
どう言っていいか解らず、考えついて出した答えはそうだった。
まるであのチョコはアリオスのようだったと。
普段はどこまでも自分を甘く優しく愛してくれる。
しかし、肌を重ねるときのアリオスはあのブランデーのように熱くさせる。
唇で、指で、アリオス自身で・・・。

「俺を殺すなよ、ルヴァ……」

思っても見なかった言葉にアリオスは本気に殺されそうになった。
胸を打ち抜かれたような感じにくっと笑うとルヴァの耳元で呟いた。
真っ赤に照れている姿がもう可愛くて可愛くて、愛しくて愛しくて仕方ない。
思わず力を込めて抱きしめてしまう。
自分の想いを伝えるように。
ルヴァはそんな腕を受け入れるかのように抱かれていた。

「アリオス……」

「ん?どうした?」

ふいにルヴァはアリオスの名を呼ぶと隠していた顔を見せた。
アリオスはそんなルヴァに首を傾げて尋ねた。
その問いにルヴァは花のような可憐な微笑みを浮かべた。

「来月、楽しみにしていて下さいね。あなたに私のようだと思って貰えるものを贈りますから」

「………」

「受け取って下さいね」

極上の笑みを浮かべて告げられた言葉にアリオスはくらっとした。
そんなアリオスにルヴァは静かに口付け、

「愛してます」

と真紅の言葉を告げた。
その言葉はどんなものを贈られるよりも、アリオスにとって甘く、とっても嬉しいものだった。
バレンタインに貰ったのは俺のほうかもしれないなと思った。
思いもかけないルヴァからの贈り物にアリオスは今までにないくらいに顔を綻ばせた。
そして、ルヴァを色違いの瞳に写し、

「俺もだよ、ルヴァ」

と告げて、深く口付けた。
そして、そのまま再び体を重ねた。
甘い空気に翻弄されて二人は熱く溶けていった。
朝が来るまで・・・・。



× × ×



「あれ?ルヴァは???」

「知らないけど休みらしいぜ。良くわかんねーけど」

「ふ~ん、珍しい」

甘く熱い時間の代償と言うべきか?
その日、ルヴァは執務を休んだのは言うまでもなかった・・・・。






【終わり】












大変長らくお待たせしてすいませんでした。m(__)m
やっとアップできました。(TwT)
何かエロエロですいません・・・(^^;
甘々って言っておきながらどこが?と言いたいくらいのはなしになってしまいました。(苦笑)
こんな駄文ではございますが読んで下さってありがとうございます。
不甲斐ない者ですが今後ともよろしくお願いいたします。m(__)m

ちなみに今回のテーマは「異物混入」でした。
えへへっっvvv