「あ・・・っ、やぁ・・・っ」

アリオスに貫かれ、ルヴァは何度も頭を振った。
ぐちゅぐちゅと水が泡立つような音が繋がっている部分から聞こえる。
そして、身体を打つ肉の音も。

「・・・んっ、アリ・・・オ・・・ス、もう・・・っ」

もう何度目になるのかすでに分からない結合にルヴァは悲鳴を上げて泣き出した。
だが、興奮したままのアリオスはそれに構わずガンガンに腰を打ち付けてくる。

「もう・・・、だめです・・・。できませ・・・ん」

「まだ大丈夫だろ?ルヴァだって、ほら・・・」

辛くなってきたことにルヴァはぼろぼろと涙を落とした。
そんなルヴァにアリオスはゆるりと萎えることをしらないルヴァの分身を撫でつけて、耳元に囁いた。
ひいっと悲鳴を上げるルヴァの最奥をアリオスは気遣いを見せることなく突き上げる。
その動きにルヴァは大きく背を仰け反り、あああっ!と高い声を上げてまた白く粘つく液体を放って絶頂を迎えた。
ぴくぴくと身体が痙攣する。
ルヴァは達したが、アリオスのモノは今だに硬いままでルヴァの中にあった。

「も…ぅ、お願い…ですから、抜いて…っ」

そう口を開いた瞬間、アリオスがルヴァの足を抱え上げた。
自分を跨ぐ姿勢に持っていきたいらしいが繋がったままでそんなことをされたらたまらない。

「アリオス、動かさないで・・・、もう、ダメです・・・ぅ」

「大丈夫だから、ちょっと腰をあげてくれ」

あげてくれという割には自分でルヴァの腰を持ち上げ、アリオスはルヴァの身体を自分の腰を挟み込むように足を開かせた。
相変わらず身体は繋がったままだった。
アリオスが身動きするたびにルヴァの最奥を硬いモノが抉る。

「はぁ、あ、んっ・・・・もう・・・ダメです・・・」

ゆるく突き上げられ、ルヴァは最早目を開けておくこともできなくなっていた。
ぎゅっと固く目を瞑り、息も絶え絶えの状態でされるがままに身体を揺すられる。
だが、もうダメだという言葉とは裏腹にルヴァの身体はまた新たな快楽を訴えていた。
何度も欲望を吐き出したはずのルヴァのそこはアリオスに揺すぶられるうちに再びその形を変えてきている。
アリオスの指がそれに触れる。


「また勃ってきたぜ。お前のここ」

ルヴァのそこは何度かの吐精ですでに濡れている。
いやらしく光る皮膚を撫で上げながらアリオスはまた緩い抽挿を開始した。

「ああ…っ、イヤっ」

アリオスがルヴァのそれを扱く手の動きを速める。
それと同時に繋がった身体を突き上げられ、ルヴァの身体はがくがくと震えた。

「なあ、ルヴァ?俺と繋がって辛いだけか?嫌か?」

身体が熱い。
貫かれた奥も、アリオスが触れる敏感な皮膚も、全てが快感へと直結していた。
イヤだなんて本当は思っていない。
勝手に口をついて出るだけだ。
もっと、もっと奥深く貫いて欲しい。
どこからがお互いか分からないくらい繋がって、脈打つ心臓の鼓動さえも同じリズムになるまで一つになりたいと望んでいた。
どくんっと大きく心臓が跳ねる。
ルヴァはアリオスの腰に自ら足を回し、その動きに合わせて腰を振りながら、ぎゅっとアリオスの胸に縋りついた。

「い、いい・・・です」

囁くように紡がれた言葉にカカシの眉が上がる。

「す、すごく、気持ち・・・いいです・・・ぅ」

ルヴァがそう応えた途端にアリオスの動きが速く、激しくなった。

「うっ、あっ、ひ・・・んっ、あぁっ、やぁ・・・・あっ」

「俺のこと好きだから、だろ?」

「は、はい・・・・。んっ、ぁ、だ、駄目・・・っ、そこ、ヤ・・・ッ」

「可愛い・・・ルヴァ。ここがいいのか?」

「ぅ、ふ・・・・っ、いぃ・・・です、でも・・・駄目・・・ぇ、もぅ・・・で、ちゃいます・・・・ぅ」

喉から引き絞るような声でルヴァは我を忘れて素では決して口に出来ない恥ずかしい言葉を口にした。
快感に頭が痺れて目の前がぼうっとする。
気がついたら、アリオスの動きにあわせて勝手に腰が動いていた。
いや、それは違う。
アリオスにあわせてじゃなく、アリオスを促すように激しくルヴァから腰を振った。

「・・・すごく、幸せだぜ、ルヴァ。・・・めちゃくちゃ、気持ちいい・・・。俺も、イッ・・・・」

がくがくと激しく揺さぶられて、ルヴァは前後左右もわからなくなっていく。。
それはもう限界に近いことを示していた。

「あ、あぁあ、あっ、ひ、あ・・・・・・・ッ」

感極まった声と共にルヴァは白濁を吐き出し、その瞬間にきつくアリオスをしめつけた。

「くっ・・・・・」

アリオスの喉から短いうめき声があがると同時にぐったりと力を失ったルヴァの内部に激しく叩きつけられた。
その熱い迸りにルヴァは薄く目をあけたまま、無意識に身体をぶるっと震わせた。
達した熱いものを体内で感じて、ひどく満ち足りた気持ちになり、ルヴァはうっとりと目を閉じた。
その後、ごぽっと水音を立ててルヴァの中からアリオスの熱いものが引き抜かれた。
そして、しばらく体に残っている甘い余韻に互いに酔った。
全てが満たされた感じがする空気が二人を優しく包む。
アリオスはルヴァの隣に寝転がり、細い体にぎゅっと抱きついて鎖骨あたりにぴったりと頬を寄せた。





× × ×





「ありがとうな。これってバレンタインのお返しだったんだろ?」

笑いながら優しくルヴァの髪を触れ、アリオスはそう聞いてきた。
その言葉にルヴァはかあっと全身を朱に染め、照れながらも口を開く。

「あの・・その・・・・・そういうつもりは・・・・。あっ、でも・・・半分は・・・・」

あなたを喜ばせたかったんです・・・とぼそぼそとルヴァは言葉を紡いだ。
そんなルヴァにアリオスは物凄く愛しさを感じてこめかみに口づけた。

「嬉しかったぜ、お前の気持ちがすごく。それに最高にヨかった・・・」

その科白にルヴァは耳まで真っ赤にすると俯いて、アリオスの胸に顔を隠した。
そんなルヴァをアリオスは優しく抱きしめた。

「本当にありがとうな・・・・」

「いいえ・・・私もバレンタインの時・・・・嬉しかったですから・・・だから・・・」

「本当に可愛いな、お前は・・・・」

ルヴァの腕がおずおずといった感じでアリオスの背中に回される。
そんなルヴァの行動や言葉がアリオスを引きつけてやまない。
本当に可愛くて、可愛くて。
そして、愛しくて、愛しくて仕方ない。
アリオスはそっと腕を解き、照れて胸に顔を埋めていたルヴァの顔を自分へと向けさせるとそのままルヴァの唇と自分の唇を重ねた。


「ん・・・・ふぅん・・・・・」

唇を重ねるとその隙間から甘く濡れた可愛い声がルヴァの唇からこぼれ落ちる。
いつ聞いても心地よい声にアリオスは酔いしれる。

「あなたが好きです・・・アリオ・・・ス・・・」

「俺もだ、ルヴァ」

唇を離したと同時にルヴァは濡れた瞳で見つめてきながらそう告げてきた。
その言葉にアリオスは嬉しそうに微笑むとルヴァの髪を優しく掻き上げ、額に口づけを落とした。
アリオスの優しい行為に微笑みを浮かべるとルヴァはアリオスの首で腕を回した。
そして、恥ずかしそうに真っ赤になりながらアリオスの耳に囁く。

「あのですね・・・。お返しはこれじゃないんですよ・・・」

「ん?まだ何かあるのか?」

「それは・・・ちょっと今は無理なので・・・後でお渡ししますね・・・」

あんまり大したものではないんですけど受け取って下さいねと続けてルヴァはそう囁き、その後アリオスの頬に軽く口づけを落とした。
そして、そのまま情交の疲れからか、すーっと眠りに落ちていった。

「ったく、お前って奴は・・・・」

そんなルヴァに苦笑しながらアリオスはその愛しい身体をぎゅっと抱きしめた。
そして、何を目が覚めたら何をくれるのかを楽しみにしながら同じように眠りに落ちていった。
そんな二人の寝顔を優しく月明かりが照らした。




この時、ホワイトデーはもう既に終わっていた・・・。















つづく