【SWEET KISS】

2月14日はバレンタインと聖地でも認識されていた。
好きな人に愛とチョコを贈る日だと。
だから、この日、甘い匂いと共に甘い空気が聖地の至る所に存在していた。
そんな空気に縁遠そうな感じがするルヴァの私邸にもその空気があった。
しかも何処よりも甘く濃密な空気が・・・。



× × ×



「柄じゃねーけど、これをお前にやるよ」

「アリオス?」

もうそろそろ就寝といった頃、アリオスはルヴァのもとに訪れ、綺麗にラッピングされた小さな箱を差し出した。
ルヴァはきょとんと目を丸くして驚き戸惑った。
そんなルヴァを抱きしめて、箱を手に触れさせた。

「あっ。そういえば今日はバレンタインでしたね………」

「受け取ってくれるよな?」

アリオスが耳元で囁いた言葉にルヴァは頬を赤らめ小さく頷き、きゅっと箱を握った。
素直に返事を返してきたルヴァに満足げに微笑みを浮かべるとアリオスはちゅっと音を立てて、こめかみに口付けした。
そんなアリオスに耳まで赤らめながらルヴァはぼそっと初々しい感じで口を開いた。

「あ、ありがとうございます、アリオス。あの…その…嬉しいです……」

「可愛いな、お前は本当に…」

真っ赤に照れてとぎれとぎれに言葉を綴るルヴァ。
そのあまりの可愛さに顔中の至る所に口づけをして、アリオスはルヴァのターバンを外し、愛おしげに柔らかな髪を撫でた。
自分より大きく優しい手が髪を撫でることにルヴァはうっとりとして瞳を細め、身体をアリオスへと傾けた。
その仕草が殊更愛おしくて、アリオスはぎゅっとその身体を強く抱きしめた。

「愛してる……」

熱く、甘い響きでそう囁いてアリオスはルヴァをそのまま寝台へと押し倒した。
ルヴァの手にあった箱がその拍子に床に落ちた。
それをアリオスが拾い、そして箱を開けた。
その瞬間、甘い匂いが広がった。
匂いに煽られるかのように甘い時間が始まった・・・。



× × ×





「んっ……ふぅん………」

お互いの口の中を行ったり来たりするアリオスがルヴァにあげた丸いボールの形をしたチョコレート。
それがいつもより口づけを甘くする。
互いの口内の熱さにチョコが溶けていたから尚更だった。

「ルヴァ…」

「………!?}

熱を孕んだ声で名を囁いてアリオスはチョコに歯をたてた。
するとチョコは真っ二つに割れ、中からとろっとした液体がルヴァの口の中へと零れ落ちた。
その零れた液体がルヴァの舌にほろ苦さと熱さを感じさせ、そして喉へと流れ落ちていった。
喉を通った途端、ひりっと焼き付くような感じを受けた。
その途端、ルヴァはぎゅっと瞼を閉じる力を強くした。
チョコの中に入っていたのはブランデーだった。
しかも結構度の強い。
その強さにルヴァはむせる感じを受けて顔を歪ませるがアリオスはそれを気にかける様子を見せることなく、新しいチョコを口に入れてキスを再開していた。
そして、そのチョコも歯で割られ、中に入っていたブランデーをルヴァの口へと流し込んだ。
その量はほんのわずかだった。
だがしかし・・・

「あっ……はぁ………」

2度喉が焼け付いたように感じてから体があついと感じ始めた。
明らかな体調の変化。
まさか酔ったんだろうか?
たったの少しのブランデーで・・・。
ルヴァは浅い呼吸を繰り返し、胸元をぎゅうっと握りしめた。

「どうした、ルヴァ?」

アリオスは唇を放し、少し上から見下ろす形でルヴァを凝視したまま問いかけた。
その顔には心配の色などかけらも浮かべられておらず、それどころか口元にはうっすらと笑みさえ浮かべられているように見えた。

「だ…大丈夫です……ただ少し熱くて……」

奥歯を噛みしめるようにして言い、ルヴァはどうにか笑みを作った。
しかし、実際には大丈夫だなどとはとても言えない状態にまで陥っている。
体の芯が熱い。
体中全部ほてっていて、呼吸がだんだんと乱れていくのが自分でもわかる。

「ルヴァ?」

低く、熱っぽい声で耳元で名を呼びかけられ、びくっとルヴァの体が揺れた。
その途端に襲いかかってきた衝動。
それをやり過ごすためにルヴァは自らの体を強く抱いた。
ガタガタと体が勝手に震えることに酷く困惑した。
身の内をかけめぐる衝動はひどく淫らすぎてどうしようもない。
アリオスが目の前にいなければ今すぐにでも下肢に纏っている下着に手を差し入れてしまいそうだった。

「どうした?」

クッと笑いながらアリオスは違う色をした双眸でルヴァの瞳を覗き込んだ。
その目に危険なものを感じ、ルヴァは咄嗟に逸らした。

「…あの……ちょっと……すいません……」

ロレツまであやしくなっている舌をどうにか動かし、ルヴァは言った。
いつも飲んでいるアルコールとは全く違う。
全身を溶かすように酔わせてる感じにこのままではいけないとルヴァは感じた。
水でも飲んで、もしくは風呂に入って酔いを醒まそうと思った。
そう思ってアリオスの身体をトンと軽く押して起きあがり、いつものように踏み出した。
しかし、その足はまるで自分の意志に従ってくれない。
よろける体。
歩き出したいのに膝が笑って言うことをきかない。
ルヴァは立っていることができずに床に膝をついた。

「ああ、ずいぶんと効いてるみたいだな」

ゆったりと近づいてきてアリオスがそう言った。
アルコールが効いているせいか、ぼんやりとかすむ目を向けるとその顔は楽しげに笑っていた。

「ア、リオス……」

苦しい息の中で名を呟くとアリオスは悪戯が成功した時の子供みたいな顔をして言った。

「ちょっと度がきつかったみたいだな、お前には。身体が思うように動かないんだろ?でも、たまにはこんなのもいいだろ?」

アリオスの言葉にルヴァは後頭部を強打したかのような衝撃を受けた。
アルコールにめっぽう弱いことを知っていながらわざわざ強いものをチョコに入れたのかと思うと何とも言葉が出ないほどだった。
たまには・・・とは一体?
アリオスの真意が計りきれず、ルヴァは困惑した眼差しを向けた。

「なかなか手に入らない上物なんだぜ、そのブランデー。一度お前に味あわせてやりたいと思ってたんだ。美味かっただろ?」

にこっと意味深に笑うアリオスにルヴァはぺたんと床に尻もちをついた。
床に手をつっぱるようにして体を支えるとアリオスはそっと服の上から胸を撫でてきた。
たったそれだけなのに自分でもびっくりするくらい体が跳ねた。
まるで火をつけられたようにその箇所だけ熱く感じた。




「………ッ」

自分の体が明らかに変わっているのを感じ、ルヴァは固く目を閉じた。

「何かすごく効いてるみたいだな」

耳元でアリオスはそう囁いて笑った。
その息遣いにさえ、体が小さく痙攣する。

「…アリオ、ス……ッ」

「大丈夫だ、ルヴァ。心配するな」

優しく微笑んでそう囁くとアリオスは服の上からゆっくりとルヴァの胸をさすった。
ゆったりとした動きにルヴァは顔をそらせて息をのんだ。

「いつものように愛してやるから。お前も望んでるんだろ?証拠に服の上からちょっと触っただけでこんなに固くなってるぜ」
 
そんなことを呟きながらアリオスはルヴァの勃ちあがっている胸の尖りをしつこく指先でなぞった。
服の上から撫でられているだけだと言うのにどうしようもなく体がひくついた。
アリオスにいわれた通り、いつも以上に体中が敏感になっていた。
ほんのわずかな刺激さえも快感に変換されていた。
そんな自分に羞恥心を感じてルヴァは瞳に涙を浮かべて、首を力無く横に振って否定する。

「ぃ……いやっ、です……っ」

その声は涙混じりでありながら甘く、アリオスを煽るだけだった。
もうどうしようもなく愛しくて、早く繋がりたくなる。
半ば無理矢理ずるっとルヴァの服をたくしあげ、むき出しになった平らな胸にアリオスが唇を寄せた。

「ぁっ」

ルヴァは声を上げたのと同時にがくんと腕は体を支えきれずに崩れ落ち、背中が冷たい床についた。
ちゅく、ちゅ、とミルクを飲む仔猫のようにアリオスはそこを吸い、指で転がし、あいている手で立てられている足の内側を撫でた。

「んっ、や……っ、ぁっ、あっ」

びりびりと体中に走る快感にルヴァはたまらず体を捩る。
ルヴァはそらされた首筋に唇を寄せ、アリオスは耳元に熱い息を吹きかけるように囁いた。

「いつもよりずっと敏感になってるぜ。もともと感じやすいのに更に・・・」

「もう……っ、やめ…っ」

やめて下さいと最後まで言い切るより早く腿を撫でていたアリオスの手が中心に触れた。
下着の上からそっと触れられただけだと言うのに恐ろしいほどの快感がルヴァの脳髄を突きぬけた。

「ひゃあ……っ」

思わず甲高い声をあげる。
その声に恥ずかしさを感じて、真っ赤になると慌てて唇を噛んだ。
赤面し、涙を浮かべるルヴァを見つめながらアリオスは指をルヴァ自身の形をなぞるようにもどかしく動かした。
この行為に未だに羞恥し、真っ赤になって涙を零すルヴァがとても可愛くてついつい焦らしてしまう。
もっと恥ずかしがって泣いて見せて欲しい。
早く自分に全てを委ねて乱れて欲しい。
相対する心を抱きながらルヴァを翻弄する。
そんなアリオスの思惑にはめられているかのようにルヴァはたくしあげられた服を掴んで堪えようとしていた。
しかし、それでも間に合わず厚い布地を口に含んで食いしばった。
唾液で布がだんだんと湿っていく。

「んっ、ん、ふ…っ、んっ」

ルヴァの口からくぐもった声がもれる。
アリオスはそんなルヴァの頬に滑るような口づけを優しく与えた。

「ルヴァの可愛い声が聞きたい……」

アリオスは愛しげな眼差しを向けて優しくルヴァの髪を撫でた。
そして、顔中についばむような口づけをした。
ルヴァ自身を焦らすような指の動きは維持しながら。
アリオスの優しさと意地悪さにルヴァの瞳から大粒の涙がこぼれ落ちた。

「ん……ふ、ぅっ、んっ、んんっ」

うめきながらもルヴァの腰が揺れる。
じれったい刺激に我慢できなくて、勝手に。
しかも淫らに。
行為を強く求めるように腰を揺らしている自分が恥ずかしくて仕方なかった。
いくらアルコールが効いていて、身体が熱くて仕方なくてもまだ理性が強く残っていた。
理性も、何もかも消えてしまったら楽になれるのに思うのだがそうできない。
アリオスに見られている。
そう思うだけで恥ずかしくてどうしようもなく、そして気持ちよくて涙が止まらなくなっていた。

「こんなの銜えてないで、どうしてほしいのか言ってみろよ。もどかしくてたまんないんだろ?言えたらその通りにしてやるから」

アリオスの笑みは優しげで、それでいて邪悪だった。
ずるっと口に含んだ厚い布が引き抜かれ、ルヴァは小刻みに体を震わせた。
先ほどまで焦らすように動いていたアリオスの指は中心に触れたまま、ぴくりとも動かなくなってしまっていた。
布ごしに体温だけが伝わってくる。
さっきまで口に含んでいた服がルヴァの顎に触れた。
じっとりと湿った生暖かい感触をひどく淫らだと思った。
ごくんとルヴァは喉を鳴らしてうつむいた。

「このままでいいのか?」


アリオスは笑ってそう問うとルヴァ自身から手を離した。
あっ、と思わずお預けをくらった子供のような声がルヴァの口からもれそうになった。
声はおしとどめたものの、目にはきっとそんな色が浮かべられているはずだ。
ルヴァはきゅっと唇を噛んでからかすかに震える唇を動かした。

「……って、くだ、さい」

「何?」

無情に返され言葉にルヴァはじわっとまた涙を浮かばせた。
その涙が粒になって流れ落ち、こめかみを滑っていった。
ルヴァはまた唇をきゅっと噛み、羞恥心を押し込めるように固く目を瞑って言った。

「ちゃんと……触って……くださ、いッ」

かあっと頬に血が昇るのがわかった。
目を閉じているからアリオスがどんな顔をしているのかはわからない。
けれど、きっと笑っている。
嬉しそうに・・・。 

「こうか?」

笑いを含んだ声でそう聞かれるとアリオスの指が下着の中に入ってくるのを感じた。
たったそれだけなのに全身が期待にうち震えた。
ぬるっと自身を滑る指先。

「ぁ……っ」

アリオスの大きな手のひらに包まれたそれはぐちゅんと淫らな音を立てた。
そして、ゆるゆると扱かれた。
その行為に体温が一気に上昇していく。
アリオスは感触を楽しむようにゆっくりと手を動かしている。
ルヴァはアリオスの腕を強く掴んで縋り付いた。

「んっ、あ、あぁっ、ぅっんっ、んぁ…っ」

徐々にルヴァは快感の頂点へとのぼりつめていく。
アリオスがもたらすゆるやかな波に飲み込まれながら・・・。
その波にうっとりとルヴァは目を閉じた。
次の瞬間・・・

「ひぁ……ッ」

アリオスは手を動かす早さをいきなり変えた。
ぐぢゅ、ぐちゅんと音を立てながら先走りの液が飛び散る。

「あっ、ああっ、あっ、いや……っ、だ、め……ですっ」

物凄い早さで追い立てられ、ルヴァは体を強ばらせた。
ぎゅっとアリオスの腕を掴んで耐えるがままならず、そのままあっと言う間にルヴァは背中をしならせてアリオスの手の中で弾けた。
くたっと四肢を投げ出し、ルヴァは荒い呼吸を繰り返した。
目の前が涙でぼやけて何も写せなかった。

「気持ちよかったか?」

アリオスが笑って問いかけてくる。
ルヴァはその問いに答えられずにただ目をしばたたかせた。
すると、ぽたぽたと目尻から涙がこぼれ落ちた。
その涙をアリオスは唇を寄せて拭った。
そして、濡れていない方の手で額に張り付いた前髪を優しくどけた。

「まだ体熱いか?」

優しげな声で訊ねられたが、その言葉が何とも卑猥に感じてルヴァは顔を真っ赤に染めた。
アリオスの言う通りだった。
一度達したと言うのに体は満足するどころか、まだ芯の方で燻っている何かを消せずにいた。

「大丈夫だ。ちゃんとしてやるから安心しろ」

アリオスはルヴァの耳朶を甘噛みしながら熱っぽく囁いた。
その刺激にルヴァはぴくんと小さく体を跳ねさせた。
敏感な反応にアリオスはくすっと笑うとそこに息を吹きかけ、ルヴァの最奥へと手を伸ばした。
そこにある蕾にぐぶっと音をたててルヴァが放ったもので濡れた指が突き立てる。
ルヴァはその瞬間、声にならない悲鳴を上げた。

「……すごいぜ、ルヴァ。慣らす必要なさそうなくらいにぐちゃぐちゃに濡れてる」

「ぃや……っ」

アリオスの吐き出す言葉の恥ずかしさにルヴァはふるふると首を振った。
アリオスはその様を舌舐めずりしながら見つめ、一気に3本まで指を増やした。

「あっ、あぅっ、あ、ああっ」

ぐちゅぐちゅとそこを思うままにかき回され、ルヴァはたまらない快感を覚えた。
内部の性感帯を軽くかすめられるたび、水に打ち上げられた魚のようにびくびくと体がはねる。

「ふっ、ふぁっ、あ、アリ……オ、ス……っ」

「気持ちいいか、ルヴァ?ああ、そうだ。こっちの口にもこいつを味合わせてやらないとな」

与えられる快感に打ち震えていたルヴァにアリオスは楽しげに笑みを浮かべてそういうと翻弄していた指をずるっと引き抜いた。
そして、残っていた最後のチョコをその指で摘み、ルヴァの後ろの口に押しあてた。
ルヴァはアリオスの言葉と行為に遅い反応を返す。


「いや!!そんなの…いれちゃ…やです……!!」

そういって拒否の言葉を口にするが、後ろの口は押しあてられた丸いチョコを美味しそうに頬張ってしまった。

「……くっ…ん…!」

そんなに大きくないものだが、今までに感じたことのない異物感にルヴァは眉をしかめる。
チョコは熱い内部のうねりに飲み込まれて奥へ奥へと入っていく。
それに恐怖を感じて、ルヴァは焦って指をチョコを食べた後口へともっていく。
その指をアリオスはにこっと笑って握りしめ、止めた。

「美味しそうに食べているのに邪魔しちゃだめだろ?」

アリオスはそう告げると握り止めた指を自分の口へと持ってくると一本一本と愛撫するように舐め、甘噛みした。
そして、まだ濡れている指でルヴァの赤い突起を交互に摘み、押しつぶした。
与えられる刺激にルヴァは敏感に反応を示し、一度放って萎えていたはずの自身の頭を擡げ始めた。
その先端から涙のように先走りがまた零れ始めていた。

「あっ、やぁ…怖い……怖いです…。お願い……とって下さい……」

恐怖に唇と体を震わせ、ルヴァはアリオスに必死といった感じで哀願した。
その瞳から大粒の涙がぼろぼろとこぼれ落ちた。
チョコに入っていた少量のブランデーに今こんなにも体を熱く、敏感なものに作り替えられてしまっている。
それなのに内部であの熱く焼け付くような刺激を受けてしまったら自分は自分ではなくなってしまう。
今までの自分を手放してしまうとそう感じていた。
その恐怖心から体を小刻みに震わせながらルヴァはアリオスに縋り付いた。
そんなルヴァにアリオスは小さく笑みを浮かべた。

「解った。取ってやるから泣くな」

よしよしと頭を撫で、瞳に口づけを落としてルヴァを宥めるとアリオスはチョコを取り出すために後口にゆっくり指を指し入れた。
その途端、内部が喜んで指にからみついた。
その歓迎を受けながらアリオスはチョコを探して、奥へ奥へと指を進めた。
すると、指を伝って手に温かい茶色い液体がこぼれ落ちてきた。
それはチョコが内部の熱さにとろけて液体と化していたものだった。
間に合わないかもしれないなと思いながらアリオスは指を押し進め、チョコを探した。
しかし、一向にチョコは見つからなかった。

「あっ、はぁ、ああっ、早く…早く……っ」

ルヴァはぎゅうとアリオスの首にしがみついて催促する。
アリオスはその言葉に応えようと指を必死になって奥へと押し進め、内部を探る。
その時だった。
柔らかなものが爪先に当たった。
それは探していたチョコだった。
しかし、その刺激によってブランデーがチョコから流れ出し、結果として内部で飲む羽目になってしまった。

「いやあああああっ!!」

焼け付くような熱さを直に受けて、ルヴァは悲鳴を上げ、背中を弓のように反った。
同時に擡げたばかりだった自身から白濁とした熱を放出した。
あまりに凄い声と放出される熱にルヴァの受けた刺激がどれだけ強烈だったのかをアリオスに教えた。

「ルヴァ、大丈夫か?」

はあ、はあと熱い息をつくルヴァにアリオスは心配げに声をかけ、体を揺すった。
がしかし、返事はかえってこなかった。
朦朧として熱に浮かされたような瞳のルヴァを見て、やりすぎたかなあと内心そうアリオスは思った。
もうルヴァは体に力を入れることが出来ず、アリオスにもたれかかることしか出来ない状態になっていた。
でも、こういうのもいいよなと我ながら酷いことをと思いながらアリオスは内部に入れたままの指をぐりっと動かした。

「あっ、ああん」

するとルヴァの口から先ほどより高い声の喘ぎが零れた。
その声にぞくっとさせられる。
熱に浮かされているせいか、表情は恍惚としていた。
2度も熱を放ったルヴァ自身は内部のブランデーの効果か、また力を取り戻し、立ち上がっていた。
内部は先ほどより熱くなっていて、指をきゅうきゅうと締め付けていた。
どこもかしこもアリオスを煽り、熱くさせた。
でも、早急に繋がろうとはしなかった。
もっと自分を求めさせる為に・・・。

「ぃ、や…ぁっ」

「嫌?何が嫌なんだ?ちゃんと言ってくれねーとわかんないぜ」

言葉と共に緩く内部をかき回す指にぎりぎりつながっていた理性が自分からはがれていくのをルヴァは感じた。
内部にある熱い熱い熱に翻弄され、羞恥心も理性も自分からはがした。






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