町乙女酔狂記

唄  
沖館 葉子

作詞/作曲/編曲
国見 昌臣




春のぬくに白地淡く薄れ
鳥の音もかろく野に野に響き
 
麗らかなそよに屠蘇重ねし折り
綴れ路歩みふらふらと
 
巡り
夏の映えた青地なお色濃く
日差しじり照り当たる木々の影
 
気高く生えなお先指すあわれ
ゆだね重ね呑み堕つるゆらゆらと
 
chorus:
浮き世の瀬 彼方彼方
おぼろげに 涙一つ
 
過ぎ去りし 忌まわしさに
今宵 酔いどれて 町乙女
 
巡り
秋の夕日紅あで過ぎて
やがて
ようようの暮れに身も黄昏て
 
流れる風情に身を置いて溶けるように
酔いし夜ゆらゆらと
 
巡り
冬の雪深く心にしみて
永久に
明けぬ闇思い深くおののき
 
ぬく求めなおもぬく求め
重ねる酔いの深さにふらふらと

chorus:
浮き世の瀬 向こう向こう
うつろげに 笑み一つ
 
過ぎ去りし 忌まわしきに
明日も 酔い乱れ 恋乙女

〜月の宴に 酔い醒めし折
紅の花弁の ひらひらり〜
 
(間奏)
 
chorus:
浮き世の瀬 彼方彼方
おぼろげに 涙一つ
 
過ぎ去りし 忌まわしさに
今宵 酔いどれて 町乙女

巡り また春過ぎて
巡り また夏行きて
巡る 眺めの様
走馬燈
 
生きるわけなど薄れ
意識も とうに薄れ
良きを求めなお
酔い乱れ

chorus:
浮き世は 向こう向こう
うつろげに 笑み一つ
 
過ぎ去りし 忌まわしきに
明日も 酔い乱れ 恋乙女
 
浮き世は 彼方彼方
おぼろげに 涙 涙
 
過ぎ去りし 忌まわしさに
今宵 酔いどれて 町乙女





黒の夜

唄  
沖館 葉子

作詞/作曲/編曲
国見 昌臣




今もあの女(ひと)が
忘れられないなら
あなたと果てます
そう
あの日の手紙の事

偽りじゃないわ
あなたの温もり
冷たい悪戯
すべてを道連れにして。。

甘い言葉と
揺れる想いを

あなた
わたし
気付かないと思うの?

嘘じゃないなら
わたしだけを見て

身動きできないくらい

あなたの すべてを
引き裂いて 壊して
この心に敷き詰めたいくらい。。

愛という名前の憎しみに
不埒な分かれ道などないの

微(わず)かに残った
甘い残り香と

汚(けが)れた記憶の
すべてを今焼き尽くして

取り繕わないで
見ぬ振りしないで
嘘を重ねないで

全部 見通してやるわ

雨に濡れた
花びらの滴が
この心に 堕ちるその時

できもしない
安い覚悟なんて
ねえ あなたと
一緒にしないで

遊びじゃないなら
わたしだけを見て

何も言えないくらい

あなたの すべてを
引き裂いて 壊して
黒い夜に敷き詰めたいくらい。。

愛という名前の悲しみに
気取って流す涙もないの