■ プレジャー・オブ・カー ■
俺は極上のスポーツカー。
体内に搭載するのは頑丈な6気筒エンジンにツインターボ、
加速のパワーときたら、もうすくみ上がるぜ。
車好きを自称する者なら、誰でも一度は
俺に乗って、ハイウェイをとばしたくなること
間違いなしだ。
けど
そんな俺も、操縦してくれる人がいなけりゃ、
ただの飾りモンだ。
どんなに自慢のスペックを持っていても
誰も乗ってくれなけりゃ、
誰も手入れしてくれなけりゃ、
ただ錆びて
朽ちていくだけなんだ。。
俺は華麗に走るために生まれた。
主人のために走っている時間こそ、
最高の幸せを味わえるんだ。
だから、俺を思う存分乗り回してくれぃ。
そしていつも大切に手入れしてくれぃ!
俺に
生きる意義を与えてくれぃ。。
■ ハート・オブ・ピアノ ■
わたしはピアノ。
美し音色を響かせ、
人の心に安らぎを、
感動を与えるために生まれた。
素晴らしい腕前を持ったピアニストも
ピアノを習いたての女の子も
わたしに触れて、それぞれの、
その人だけの音色を、奏でるの。
でも
わたしを弾いてくれる人がいなければ
わたしに触れてくれる人がいなければ
わたしはただのがらくた。。
わたしは美しい音色を響かせ
みんなに楽しんでもらうために生まれた。
メロディや和音を奏でるとき
人々の表情が笑顔になるとき
最高の喜びを味わえる。。
だから、どうかわたしに触れて、
リズムに乗って綺麗なな音色を
鳴らしてください。
わたしに命に光をともしてくださるお相手は
どなたですか。。
■ 希望の天使 ■
その子は
あふれんばかりの希望を携えて
うまれた。
四方八方に広がる可能性の枝葉。
それを
一つずつ摘み取ってしまうのは
大人の仕業。
世の中のしきたりや、
常識。
無知や人間性の欠如。
不遇な環境。
押さえつけて、どんどん窮屈にしてしまうより、
その子の一番いいところを伸ばす。
その子が一番いい表情をする言葉を投げる。
できなかったことを叱るのではなく
できたことを、うんと褒める。
いい音色を出す鍵盤を押す。
そして
生きることこそが
本当に最高の幸せなんだと、
教える。
共に、与え
与え返されながら
共に、教え
教えられながら
あふれんばかりの希望を絶やすことなく
生きる。
それこそが
我が理想。
■ 眩明 ■
生きるって、すてき。
ほんとにか? ああ、ほんとにだ。
うそゆうんでねぇ。 じゃぁ、おまえ、
生きてみろ。 実際。
おもいっきり、生きてみろや。
ほうらな、こんなに自然に、呼吸ができる。
そら、毎日毎日、元気よく、手足が動く。
当たり前の幸せを、
忘れちまった喜びを、
もう一度思い出して、
噛みしめてみぃ。
こんな幸せなことが、他にあるか。
こんな大きな喜びが、他にあるか。
そして、この我が体の中に宿る、
色合い豊かなこころ。
■ 暗影 ■
生きるって、苦しい。
ほんとにさ、綺麗ごとゆったって。
うそかどうか、 じゃぁ、おまえ、
生きてみろ、 実際。
こんなに毎日、思い悩み、
尽きることのない、苦悩。
いくら、与えられても、
どんなに、豊かになっても、
決して満足することなく、
恨み、妬み、それらの負の感情が、
常に内に存在するからこそ、
矛盾だらけの言動を繰り返すからこそ、
だからこそ、人間。
いつも不満だらけの頭脳が織りなす、
貧しいこころの活動。。。
■ 真歩 ■
ものに光が当たれば、
かならずそこに、影ができる。
光と影は一体で、
決して切り離すことはできない。
それが、この自然界の摂理。
事実だから、
おそらく、覆すことはできないのでしょう。
ならばそれを受け入れて、
よりよい高みを目指し、
前を見て、進んでゆくのが、
生きる私の努め。
自分なりに、自分のペースで、
私なりに歩んでゆく生きた証を、
確実に残してゆく。
それは続きます、
己の天寿を全うするまで、
そう、 明日もまた。。。