LIVE REPORT 〜2000

SCAFULL KING
2000.6.22(Wed) @SUNASH SHIZUOKA 〜SCAtegory Club Circuit

 3rdアルバム“SCAtegory”の発売記念ツアー。
 暴れる為の音楽という側面だけではなく、懐の深そうな雑多な音楽性をアルバムから感じていたので、スカコアの一言で片付けられないSCAFULL KING独自のライブを期待。予想以上に客の年齢層は若く、僕はかなり年長の部類に入りそう。これはかなりショックだった。
 今回、特に彼らの「音楽」をしっかり聴きたいと思っていたので、フロアの中程後方にポジショニングして開演を待つ。
 1曲目が始まるとともに、フロアは大混乱。初めはなんとか理性が働いていたのが、2曲目あたりから体が我慢できなくなり、モッシュの嵐の中へ突入。結局いつもの体力ライブになってしまった。
 セットリストはニューアルバム中心だったが、気になった点がひとつ。セットリストについてだが、客の体力への配慮だろうか、早い曲と遅い曲がわざとらしいくらい交互に組み合わされていた。もう少しノリに任せてアバウトにやってもいいなじゃないのって感じ。それとも、モッシュの為のBGMと割り切って、客の調子を気づかってそうしているのか。そういうニーズが多いというのも実態だろうが、まだ若いのにちょっとあざと過ぎるのではなかろうか?
 MCで「SUNASHは(前回のツアー時もそうだったが)バカ暑い」と言っていたが、1時間ちょっとという短いライブだった。高い音楽性に加えて高い演奏技術や音楽理論に明るそうな雰囲気を感じていたので、プレイについてはJAZZYなアプローチだとかライブならではの特別なアレンジを期待していたのだけど、意外にあっさり終わってしまった。(皆テクニシャンなのだろうが、自己主張していたのはソロがあったドラムくらい) もっと懐の深いライブを期待していたが、期待が大き過ぎたのか、いまひとつメジャーになりきれてない理由も分かったような気がした。

ザ・コブラツイスターズ
2000.5.13(Sat) @SUNASH SHIZUOKA 〜スプリング・ファイト・シリーズ

 「♪サクラサクヨサクラ〜」というサビだけかろうじて知っていたザ・コブラツイスターズ。特に行きたい思いもなかったけど、もしかしたらスバラシイロックをやっているかもしれないと、阪神タイガースの和田のホームランと同じ位の期待をしつつ、時間ぴったりにSUNASHへ。
 まあ予想通りというか、「♪サクラサク〜」のような歌謡ロックばかりだった。見かけのわりには子供っぽい素直な歌詞が鼻についたが、バラードがなかった点は好感が持てた。客の入りが思ったより多く最初は驚いたが、MCを聞いているとどうやらK-MIXで番組をやっているらしくて、そのファンとかだろう。
 「コブラツイスターズが好きな人には悪い人はいないのだろうなあ」と感じさせる、ほのぼのとしたライブだった。

GUITAR WOLF
2000.3.26(Sun) @沼津GAIA 〜ロックンロールエチケット・ツアー

 前日のMADに続いて連夜の爆音系はしご。社会人のやわな体にとっては最悪のコンディションで乗り込む。
 ウルフは今回のR.R.E.ツアーで静岡SUNASHにも来ているので、静岡では2公演となる。前回のJET GENERATIONツアーの時もガイアでやっているが、ウルフにとって沼津はスペシャルな土地なのだろうか??(この疑問はライブが終わっても解けず)
 1番手は「ラリアート」(うろ覚え)、地元のアマチュアバンドって感じだが、トリオでなかなか重量感のある音を出してて好感が持てた。
 2番手は地元静岡出身の「eatrella 20/20」。覆面を被ったベースレス・トリオだが、個人的にはイマイチつぼにはまらない。本心としては応援してあげたいが、ハスキー過ぎる裏声ボーカル(相撲取りの物真似のような声)が、生理的にどうも・・・
 3番手はGYOGUN REN'S。密かにウルフよりも期待度が高かったのだが、その期待に十二分にこたえてくれた最高のライブだった。短い曲を曲と曲の間に挟むのだが、これが絶妙なタイミングで、ノリが止まらずとても気持ちいい。ライブで客をヒートアップさせていく(休む暇が無い!)。ウルフ目当ての客は最初やや引き気味だったものの、徐々にギョガンに引き込まれ最後は大爆発! 予想以上の盛り上がりにメンバーも満足そうだった。僕の今日のハイライトとなった。
 4番手でいよいよトリのウルフ。しかし、ギョガンで体力を消耗しきった体にはかなりキツかった。ウルフのライブを見るのは実は5回目だったのだが、正直、ややマンネリ気味。しかし僕は、沼津市までサーキットする富山の薬売りのごとき姿勢に、最大の敬意を表したい。
 ライブは予想通り、いつもの調子でいつものウルフだった。悲しかったのが、最後の“ラーメン深夜2時”でセイジさんの「沼津でうまいラーメン屋知ってるか〜?」という質問に、客がシーンと静まり返った事。しかしセイジさん、沼津の客が悪いんじゃないよ。本当にうまいラーメン屋ないんだよ、静岡は。
 この日は、なぜかやたら足を踏まれたのが気になった。
 地方のライブハウスは、なかなか目当てのアーティストが来ないというデメリットがある反面、来たらメチャクチャ真近で見ることが出来るという魅力的なメリットがある。ギョガンの時も苦労せず最前列に出て、ギターの弦を触ったり出来た。アーティストを身近に感じて楽しめる、地方のライブハウスは面白い!
 

THE MAD CAPSULE MARKETS
2000.3.25(Sat) @ZEPP TOKYO 〜OSC-DIS 2000 TOUR /wCOCOBAT,BALZAC

 前座のBALZACは、MADの3番煎じくらいのバンド。ノーコメント。
 次のCOCOBATはさすがベテランという感じで、演奏がしっかりしてて安心して楽しめた。実は初めて聴いたけど、ミディアムテンポのへヴィ且つグルーヴィーな曲が中心で、ヴォーカルの格好を含めてANTHRAX(米のHM/ミクスチャー系バンド)の影響を強く感させるスタイルの音楽をやっていた。ライブで目当てでないバンドがいい曲をやるのに出会うと得した気がして嬉しくなるけど、今回はCOCOBATがそれだった。今度CD買おうと決意。
 
 さて、ツアー最終日という事もあり期待200%で臨んだMADだが、期待が大き過ぎたのか、残念ながら僕的にはイマイチの内容だった。
 MADは今回のツアーが始まる前に1度イベント(FRESH JIVE PARTY LIVE '99)で見たのだが、その時は1曲目の「TRIBE」が鳴った瞬間からゾクゾクするくらいカッコいいオーラを発散していた。しかし、今回も同様に「TRIBE」からスタートしたのだが、気のせいか切れがなく、ステージアクションからは元気の無さが漂っている。MCでKYONOが、ツアーの終盤に体調を崩したような事を言ってたが、ツアーの疲れも貯まっていたのだろうか。古い曲もけっこうやってくれたが(アンコールの「神歌」はさすがに盛り上がった)、期待していたよりもセットは淡々と進んでいった。
 そんな中でライブを満喫するために、僕は途中から騒ぎモードに変更。ダイブを2回もしてしまった。かなり久々で「やっちまった〜(T_T)」という感じで、自分のなまりきった体の事を思うと大反省・・・
 意外だったのは、後日MADのHPを見ると、この日の感想は大絶賛の声ばかりだった事。
 あれっ、そうだったの??

ギターウルフ/遠藤賢一
2000.1.10(Mon) @NHKふれあいスタジオ(NHKFM公開録音)

 本日はNHK FM「Beat Live」放送用の公開録音ライブ。ギターウルフに襟を正し、エンケンにベテランのそつなさ(いい意味で)を感じたライブだった。スタンディングではなくイスが設置されたスタジオで、場所は1列目のやや左(早い者勝ち)。

ギターウルフ:
 Q「ウルフは、ビジュアルを伴わないラジオというメディアで爆裂ライブをどう表現するのか?」 
 A「いつも通り。」
 本当にいつも通りだった。ラジオを聴いている人は何がなんだか分かるのだろうかと、逆にこっちが心配してしまうくらい。セイジさんすいません。あなどってました・・・
 オープニングSEから、客のステージ上げから、最後のジャンプまで内容はフルセット。途中、ベースアンプのトラブルでプレイを一時中断するも、落ち着いて対処する。ライブをやりまくっているバンドは違うな〜と妙に関心した。沼津に来るぐらいだからなあ。放送用だからか、音はいつもよりクリアだった。
 今回ステージに上げられたのは、なんと白セーターのメガネ君(後で彼はエンケンファンだと判明)。恥ずかしがりながらもガムシャラにギターを掻き鳴らす。高校の学園祭を思い出したが、これこそロックンロール! でも、なんでファンじゃないやつが選ばれるのか? 終盤、セイジさんがアンプに登ったとき、ディレクターらしき人が袖でおろおろしていたのが妙におかしかった。 「♪狼とドライブ〜、ウォ〜」ってやってたけど、新曲か? はじめて聴いた。

エンケン:
 ちゃんと聴いたのはこれが初めて。
 放送されるので拍手を多めにしてくれと言ってみたり、途中くだらないダジャレで笑いをとったり、さすがベテランはつぼを押さえている。イタル先生曰く、いつにも増してノイジーだったらしいが、今時のラウド系バンドと比べても遜色ない音圧だった。
 クライマックスで横長のアンプを倒し、正常位の態勢でギターの弦を擦りつけてフィードバックしていたのが、間寛平の「カイ〜の」と妙にダブってしまい、頭から離れない。
 なにはともあれ、これで無料という、なんとも後味のいいライブだった。テライ先生とイチマルさんに感謝!