LIVE REPORT 2001

ラフィン・ノーズ
2001.12.9(Sun) @SUNASH,SHIZUOKA /w KICK PEDALS
LAUGHIN' ROLL TOUR 2001-2002


懐かしのラフィン、名曲“GET THE GLORY”のラフィン、チャーミーのラフィンだ!
思い起こせば高校生、友達のバンドの定番曲がラフィンの“GET〜”で、僕はいかに高速で拳を長時間振り続けることが出来るかステージの最前列で皆と競い合っていた。
しかし時間の流れはいつも残酷である。ガラガラのハコを想像しつつ、どれほどの人が集まるかと思って行ってみたらビックリ、サナッシュはドアの外に人が溢れんばかりの満員だ。圧倒的に男が多く、皮ジャン(勿論ライダース)の着用率、金属物の着用率がかなり高い。日頃どこに隠れているのか知らないが、フロアは静岡パンクスここに集結といった様相を呈している。前座バンドに対する冷酷なまでの無反応は、逆にみんなのラフィンへの期待の高さを表しているようだ。
さてラフィンのライブであるが、過去へタイムスリップしたような、昔と何一つ変わらないラフィンロールがそこにあった。不器用というか、進歩がないというか・・・ しかし、ラフィンだから許せるのだ。相変わらず頭にガーゼを巻いたチャーミー、盟友ポンが一生懸命パンクを歌ってくれるのを、僕達は見に来ているのだから。

アンコールの最後の曲“GET〜”は、やはり圧倒的な盛り上がりを見せる(僕も思いっきり歌いまくった!)。しかし、当のラフィンは果たして栄光を掴んだのだろうか?ラフィンの歴史は、一瞬の輝きと、未だに抜け出せないトンネル走行だ。チャーミーは何を思いながら、訪れたライブハウスで“GET THE GLORY”を歌っているのか・・・?
【2001.12.12】

SHERBETS
2001.11.22(Fri) @SUNASH,SHIZUOKA
2001-2002 TOUR VIETNAM GIGS


実を言うと、SHERBETSはそれほど好きじゃなかった。

BJC解散後、BJCファンとしてベンジー=SHERBETSに対する期待が大き過ぎたのか、「SIBERIA」「AURORA」の2枚は「悪くはないがいまいち」なアルバムだった。ベンジー以外の何物でもない音なのだが、BJCが僕を虜にしていた「何か」が足りない印象だった。こんなはずじゃないのになぁと思いつつ、今年のフジロックでは個人的な起死回生のライブを期待して見たが、印象は変わらなかった。やはりBJCとSHERBETSは別のバンドだという事実は、ここまで大きいのかと改めて感じた。
そんなSHERBETSがニューアルバム「VIETNAM 1964」を出し、そのツアー「2001〜2002 TOUR VIETNAM GIGS」でサナッシュに来た。ニューアルバムは買ってなかったが(またがっかりしそうで買う気になれなかった)、ベンジーを間近で見れる!それだけでライブ行きを決めた。実は密かに、シングル“KAMISORI SONG”が予想外に良かった事もあり、フジロックで捨てたはずのSHERBETSへの期待感が、心の片隅に、少しではあるが再び湧いていたのも事実だが。

チケットはもちろんSOLDOUTで、客の男女比率は半々といったところ。多くの人が「ベンジー」を目当てに来ている事は、声援を聞いていても想像できる。
1曲目は(多分)ニューアルバムの曲からスタート。ベンジーが数メートル先に立ち、歌っているという事実だけで、気持ちがハイになりドキドキしてくる。ベンジーにしてみればサナッシュみたいな狭いハコでプレイする機会はそうそう無いのだろうが、「ハコの大きさなんて関係無い」といった感じで、MCも少なく淡々と曲を進めていく。
新旧の曲を織り交ぜながらのセットだったが、意外に悪くない!新曲はもちろん、1stや2ndの曲もフジロックの時に比べてすんなりと僕の体に入ってくる。なぜ?受け手としての僕の気持ちの変化(過大な期待をしていない)もあるかもしれないが、これまでと比べてSHERBETSとしてのプレイの質が変化している気がした。抽象的だが、バンドとしてプレイする音がこれまでに比べて「強くなった」ように感じた。特にベンジー以外のメンバーのプレイから力強さが滲み出ている。その結果、グルーヴはさらに野太くなり、しつこく絡みついてくるようだ。“ジェーンジェットの犬”のグルーヴはBJCに負けないくらい熱く、しかもBJCとは違うキレた雰囲気で最高だった。
なかなかいい感じだ。バンドがこのまま続いていけば、更に僕好みになる予感がしてきた。まだSHERBETSを諦めるのは早いかも。とりあえずニューアルバムは聴いてみたほうがよさそう。

ちなみに“38 SPECIAL”は演奏せず。フェスの時しかやらないのかなあ。


SHERBETSが少し好きになった。

【2001.11.25】

eastern youth
2001.11.2(Fri)@SUNASH,SHIZUOKA
極東最前線/巡業〜三十試合連続猛打賞〜

「北海道のバンドは、なぜこんなにギターの音色が切ないのだろう?」
もちろんグレイのことではなく、例えばBLOODTHIRTHTY BUTCHERS、そして今日のeastern youthがそれだ。その音を言葉で説明するのは難しいので是非CDで聴いて欲しいが、ギターの音で個性を主張している数少ないバンドだと思う。
イースタンは過去にも静岡に来ているが、今日はSOLD OUTらしい。男女比は7:3で男が多い。SEの後、曲が始まるかと思いきや、いきなり吉野がMCをはじめる(一昔前のフォークのよう)。ダイブ禁止運動をはじめたので、協力して欲しいとの事。「ダイブがないと楽しめないなんてないだろ。」その通りだと思う。少なくともここSUNASHはダイブ向きではない。
改めてニューアルバムの1曲目「夜明けの歌」からスタート。やはり目を引くのは体の底から絞り出すように声を出す吉野のボーカルスタイルで、その存在感は圧倒的だ。僕はもともとあまり歌詞を注意深く聴く方ではないが、CDで聴くより歌詞が頭に入ってくる。決してメッセージ色の強い歌詞とは思わないが、何気ない瞬間の心情を歌った言葉は耳に心地よい。曲紹介のMCも妙な味があって、よい。
スピーカーから出る音はかなりクリアーで、若干物足りないくらいだった(後で確認したら、ライブを録音していた)。

本編が終了して、メンバーは一旦ステージを降りる。普段ならここでアンコールの声で湧き、そのアンコールが始まるところであるが、なぜかあまり声があがらない。帰ろうとする人は殆どなく、皆当然のようにアンコールを待っているのだが、それを要求する声はまばらという状態がしばらく続く。すると、なんと客電が付き、SEが流れ始めてしまった! みんな「そりゃないよ〜」と必死にアンコールの声をあげ、なんとかメンバーが再登場。「別に演奏して欲しくないならやんねーよ」と吉野が言ってたのが可笑しかった。静岡のイースタンファンはシャイな人が多いということか(笑)

家に帰ったら、歌詞カードを片手に曲を聴き直すことにしよう。

【2001.11.15】

CAMP IN 朝霧JAM “It's a Beautiful Day”
2001.10.13(sat)〜14(sun)@朝霧ジャンボリー

フジロックはもはや静岡に来そうに無いけど、替わりに素晴らしいイベントが誕生した。「Camp in 朝霧 Jam “It's a beautiful day”」!
この時期、夜は真冬並の寒さになる朝霧高原で、宿泊はテントのみ、自分達で火で調理OK、ステージはメインのRAINBOW STAGEとDJブースのあるEARTH DANCE SITE。主催者曰く「お客が不便なイベント」という、思わずニンヤリしてしまうようなこれまでに無かったタイプのフェスだ。

勿論、僕はいつもの静岡フジロッカーズのみんなと2日間タップリ参加した。
今回の参加アーティストはマイナーバンドが多く、いい意味で「ライブを何としても見るぞ」というガツガツ感が無いので、ゆっくりしたペースで時間が過ぎていく。1発目のバンド(BIG FROG)が始まる時も、「メインステージでのオープニングアクトだから見なくては」という気にはならず、一緒に行ったみんなでハム等を焼きながらゆっくり昼食。結局僕が観たのは、1日目がDRY&HEAVY・スカパラ、2日目がKEMURI・Galactic・OZOMATLIだった。両日出るアーティストが多いため、見方に余裕が出てくる。
KEMURIはいつも通りエネルギッシュで素晴らしいライブを披露してくれた。新譜からの曲は控えめで、初めて聴く観客にも配慮をしたようなセットだった。何しろ1曲目から名曲「OHICHO」(!)これで客が弾けない筈が無い!!そして今回は何よりも環境がよかった。ステージ前の客は通常のKEMURIのライブだと考えられないくらいまばらで(けっして閑散としている訳ではない)、ちょっと頑張れば最前列に行ける。満員電車のような混雑がなく、理想的なスペースで踊り、飛び跳ね、モッシュし、飛び疲れてふと後ろを見ると雄大な富士山が見下ろしているというシチュエーションは、それだけで感動ひとしおだった。
初めて聴く(見る)Galacticは、曲によってはゲストをステージに呼びつつジャムを基本としたライブを見せてくれた。本人達もゲストも皆実力派で、そのゲスト達とのスリリングなジャムがまたよかった。圧巻だったのはOZOMATLIのメンバーがゲストでステージに上がった時で、ホーンの音をどんどん重ねながらブレイクに向って曲が盛上っていく様は、鳥肌もんだった。
OZOMATLIのライブは、オープニングでステージ後方に現れステージに向って演奏しながら練り歩くという、昨年のフジロックの記憶を甦らせす形で始まった。その行列の周りではしゃぎながら踊りまわる僕達、まさに「祭り」だ。ライブ中、音沙汰の無かった学生時代の先輩を偶然発見し、家なき子のマルコ状態でアベベリカー(クインシーバで売ってたエチオピアのストロングな地酒)をがぶ飲みし、個人的にも熱狂のライブとなった。(ライブ中、ステージ後方で酔っ払った男2人がニ人三脚状態で走り回っているのを目撃した方、それは僕です)

今、振り返って思うのは、お客(自分)がロックフェスに何を求めて来るのかによって、テントを張りライブを見るという行為は同じであっても、楽しみ方は全然変わるということ。対照的に思ったのが「フジロック」そして同じ朝霧高原で行なわれた地元主催の「天空祭り」だ。
フジロックは、基本的には「アーティストのライブを見るため」に行く。そう思わせるだけのメジャーアクトが集まっており、同じ時間帯に複数のステージで見たいアーティストのライブが重なるのはざらであり、どれを見ようか客はタイムテーブルとにらめっこしながら悩むことになる。ただし、ライブを欲張らなければ、フジロックが「日本で唯一のフェス」といわれる所以の素晴らしい空間も楽しむ事が出来る。しかし多くの参加客が音楽ファンである以上、客の軸足はライブにある。
天空祭りは今年初めて経験したが、とても「ゆったりした」フェスである。出演するアーティストは天空オーケストラとCHINA CATであるが、知名度は低く、お客もバンド目当て出来ている人は少ないだろう。多くの客にとってバンドの演奏はとても贅沢なBGMであり、客は朝霧の大自然とその雰囲気を楽しみにフェスに参加する。客の軸足は「キャンプ」である。
で、今年の朝霧JAMは結果として、上記2つのフェスの中間に位置する、両方のいいとこ取りのフェスだったように感じた。ロックフェスでは、お客は音楽好きである以上、興味のあるバンドのライブを見る数を「ゆとり」のために減らすのはなかなか難しい。今回の朝霧ジャムは「出演バンドの知名度」「会場」「参加客数」が絶妙な按配で作用し、素晴らしい2日間のスペシャルな空間を生んだのではないだろうか?

今年は3000人弱の客入りだったが、来年は規模も大きくなり2万人ほどになるらしい。となると、今年僕達が感じたよさは薄まっていくだろう。よくも悪くも、今年の朝霧Jamはもう2度とないのは残念・・・


【RAINBOW STAGE】
10/13 10/14
Big Frog
Dry&Heavy
TOKYO SKA PARADISE ORCHESTRA       
THE DISCO BISCUITS
OZOMATLI
Galactic
Adrian Sherwood
TOTAL ECLIPSE
DJ TSUYOSHI
EARTH DANCE
 
Gocoo
KEMURI
Galactic
OZOMATLI
THE DISCO BISCUITS
【EARTH DANCE】
START 10/13 13:00 - FINISH 10/14 11:00

【2001.10.25】

BRAHMAN
2001.9.19@SUNASH,SHIZUOKA /w GOOFY'S HOLIDAY

-hope against hope- TOUR 2001

-hope against hope- tourでついにブラフが静岡に来た!ブラフのような大物バンドがSUNASHの様な小さなハコで見れなんて、静岡人はなんてラッキーなんだろう(入れる人数が少ないから、問題もあるが・・・)。これまで何度もSUNASHに来てるが、ホールの人口密度の高さはこれまでで今日が一番じゃないだろうか。やはり現在のブラフの人気には絶大なもながあることを実感する。
セットは新作の@「FOR ONE'S〜」で始まると思いきや、1曲目は「PLASTIC〜」!しかし身動きが取れない。上にはダイバーが飛んでくる。人口密度が高く、スタッフがステージ前に落とさない様にしているため、ダイバーはなかなかクラウドサーフィンから落ちてこない。ダイブしている奴は気持ち良かっただろうけど、これはかなりウザかった。toshi-lowはいつもに増して感情の入ったパフォーマンスで僕達に答えてくれた。天井に手をかけステージから身を乗り出して客を煽る姿・流れる汗を飛ばしながらの激しいアクションには鳥肌が立ってしまった。彼はカリスマを感じさせる数少ないフロントマンのひとりだと改めて感じた。
アンコールの初めの時にtoshi-lowが一言「ドアを閉めろ!」。見ると入り口のドアが開いていた。音が外に漏れるのを気にした訳ではないだろう。「まだライブは終わっていない。だから全力でプレイする以上、客も全力で聴いて欲しい(中途半端な状態で聴いて欲しくない)」そんな想いが込められた一言であったように感じた。
新作中心のセットで昔の曲があまり聞けない不満もあったが、満足のいく最高のライブだった。
ちなみにライブ終了後、僕は動くのが困難で声も出ないという、疲労の極限に達していた。こんなに精魂尽き果てたライブは初めてだ!【2001.9.28】

SETLIST
1.PLASTIC SMILE
2.BASIS
3.SHADOW PLAY
4.SEE OFF
5.Z
6.MIS 16
7.ANSWER FOR
8.DEEP
9.LAST WAR
10.BED SPACE REQUIEM
11.THERE'S NO SHORTER WAY IN THIS LIFE
12.ARRIVAL TIME
Encore
13.SLIDING WINDOW
14.BOX
15.FOR ONE'S LIFE