LIVE REPORT 2003

RISING SUN ROCK FESTIVAL 2003 in EZO
2003.8.15-17 @石狩湾新港



1999年にRSRフェスはスタートした。今年で5回目となる。
僕は1999年に参戦してから3年ぶり2回目の参戦だ。
それにしても、北海道は遠いぞ〜!

現在のRSRは2日間プログラムになっている。
まず、15日(金)の15時にライブがスタート。大小4つのステージで23時までライブが行われる。23時をもってキャンプでテントに泊まる客以外は退場となり、23時からはキャンパーの為に2つのステージで2時までライブやDJのパフォーマンス等が行われる。
続いて16日(土)13時より4つのステージでライブがスタート。これが17日の早朝5時過ぎくらいまでオールナイトで行われる。フェスのタイトル通り、ライブの終盤にみんなで朝日が上がるのを見ることになる。
宿泊は、会場内2箇所にテントサイトがあり、そこでキャンプが出来る。入りきれない人は会場外テントサイトにテントをはることになる。ちなみにテントサイトではバーベキューOK(裸火はダメ)で、テント泊の人の多くは食べ物飲み物持参で参加している。
場所は札幌の北西、石狩湾にあるだだっ広い敷地だ。企業の倉庫などが点在しているが、とにかく土地はあり余っている。

その会場へは、札幌駅から地下鉄10分、特別バスで30分といったところ。
僕(&P氏)は、キャンパー用のパフォーマンスも見逃さないように、わざわざテントを持参して参戦だ。チケットを買うのが遅くなったので会場外テントサイトも売り切れてしまい、会場外Bテントサイトというところにテントを張る事になった。
これがとんだくわせもので、会場からBテントサイトの距離がとにかく遠い。本当にこの先にテントサイトがあるのだろうかと不安になりながら荷物を持って歩き続ける。結局、Bテントサイトは会場入口から徒歩30分!これでライブの途中にテントに帰って休むという選択肢はなくなった・・・


RSRの姿は北海道という遥か彼方の地であるため語られる機会は少ないが、これがフェス自体なかなかあなどれない素晴らしいものだった。

●フェスの存在意義
ロックフェスを語るとき、フジロックのように「アーティストを見るというよりフジの雰囲気・空間を楽しみたい」というものと、サマーソニックのように「とにかくアーティストを見に行く」という2つのタイプが存在するが、RSRはこの2つのタイプがいい具合に交じり合っている気がする。
まず、「RSRだから行く!」という客層は確実に多数存在するというのが、今回の僕の印象だ。広い会場、音楽以外の楽しみ(テントやバーベキューとか)、常にどこかでやっているライブ、メジャーマイナーが入り乱れたラインナップは、フジロックと同様の特別な「楽しい」雰囲気を会場内に醸し出している。
また、 アーティストのラインアップは国内アーティストのみであるが、コアなバンドからミリオン・セラー・アーティストまで幅広く、ジャンルもロック・J-POP・HIP-HOP・パンク・スカ・テクノと一応あらゆるジャンルをおさえている。これならカラオケに行く普通の子なら、何かしら興味あるアーティストがいるはずだ。
なかなかこういった全国級イベントがない(と思われる)北海道在住の若い人にとって、RSRは「毎年夏恒例のお祭り騒ぎ」になっている(もしくは、なりつつある)のではないだろうか?実際、他のロック・フェスに比べて普通っぽい人の割合が高い気がした。
RSRは毎年8月中旬の週末に行われているが、この時期ならお盆休みを利用して地元に帰ってきた人達の参加も可能だ。毎年帰省したらなじみの友達とRSRで同窓会なんていうのも素敵ではないか。日曜日の早朝に終わり、その日のうちにUターン出来るというのも、偶然ではなく、主催者側が狙ってやっているのではないだろうか?

北海道のイベンターでRSRを主催しているウエスの人達がどういう思いでやっているのかは残念ながら知らないけど、特に今年について言えば、北海道に根を降ろした地域密着型の素晴らしいフェスの形になっているのではなかろうか。

●RSRならではのよいところ
バーベキューで食事をとる人が多いため、その分、飲食ブースを利用する人数は減り、結果として順番待ちの行列が短い。これは嬉しかった。
また、若い人中心のためか、全ての単価が低く設定されている。ビールは400円、食べ物も500円前後。その分ビールの量は少なめの気もするが・・・
また、会場内テントサイトについては碁盤の目のように仕切って区画整理し、テントを張る場所を主催者が指定するシステムをとっている。なにもそこまで管理しなくてもと思うかもしれないが、少しでも多くのお客が会場内にテントを張れる工夫として、とてもいいアイデアではないだろうか?もしわがままにテント張っている人達を見るのは精神的にも良くないし。
Tシャツ等の物販テントがアーティスト毎に分かれているので、物販に並ぶ時間が短縮されている。これは広大な土地が余っているから出来る事だ。

大きく言えば、RSRはフジロックと朝霧ジャムの中間くらいのようなイメージだと思う。
その上で考えると、RSRを堪能するには、会場内キャンプ&バーベキューは欠かせない気がする。
静岡に住む僕達にとってはなかなか難しい事だ。(その代わり朝霧ジャムがあるけど!)


以下は僕が見たアーティストのLIVE REPORTです。

8/15
氣志團 @SUN STAGE
フェスだからといって特別変わったことをする訳でもなく、前回6月に静岡で見た時と内容はほとんど同じ。
ホールGIGに比べてスタンディングだとちょっと踊りづらかった。氣志團ちゃん初体験の観客がかなり多いようだが、みんな盛り上がって楽しんでいた(まあ、当然か・・・)。最後の曲をシングル曲にしないで盛り上がりを作れるのは、彼らの作る曲の完成度が高いからだろう。
1.デリケートにキスして
2.鉄のハート
3.スウィンギン・ニッポン
4.恋人
5.OneNightCarnival
6.國道127號線の白き稲妻

玲葉奈 @RED STAGE
きれーなおねえシンガー。あまり趣味ではないが、まったり聴く。
ベースが元AJICO、RIZEのTOKIEさんだった。


      ↑RED STAGE

EGO−WRAPPIN’ @RED STAGE
ステージ前の客はいっぱい。エゾでもエゴは大人気だ。
新曲を2曲披露。1曲は混沌とした組曲風、もう1曲はエゴ流ギターポップといった感じで◎。

JUDE @SUN STAGE
ドラムが池畑ではなく、SHERBETSの外村。1曲目がいきなり「シルベット」で2〜3曲目とハード・ドライヴ・ナンバーが続き、ステージ前は早くも激しいモッシュ嵐!
4曲目でSHERBETSの福土(Key)が加わり、SHERBETSの曲をプレイ。その後、SHERBETSの曲が続き、僕のテンションは下がっていった。実はSHERBETSの曲はあんまり好きじゃないのだ。
後半はほとんどSHERBETの曲。貴重なライブだったのだろうが、個人的にはJUDEを期待していたので、そういう意味からはいまいちのライブだった。
場所とりで前にいた何も知らないスカパラ・ファンの女の子が、モッシュの真っ只中に入ってしまい「こわいよ〜!」と叫んでいたのがやけに頭から離れない・・・
1.シルベット
2.ロメオ
3.DEVIL
4.グレープジュース
5.新しい風
6.MerryLou
7.ICECANDY
8.J.J.D

東京スカパラダイスオーケストラ @SUN STAGE
スカパラはどうやら本日の一番人気だ。ステージ前には人がぎっしり集まっていて、ステージからかなり離れたところまで混雑は続いている。僕はちょっと遠くからのんびり観戦。
アンコールで田島貴男が飛び入りした!
1.SHOT IN THE DARK
2.(We know it's)All or Nothing
3.5days of TEQUILA
4.A Quick Drunkard
5.勇者の証〜BraveEagleofApache〜
6.Naffy Parade
7.銀河と迷路
8.HowliwWolves
9.ルパン3世'78
10.Down Beat Stomp
11.めくれたオレンジ(with田島貴男)

KWEEN @GREEN OASIS
本当はFPMのGrand-Tourismeに行こうと思っていたのだが、ステージが遠いので行くのが面倒くさくなり、その替わりに見たKWEEN。しかし、そんないい加減な動機は吹き飛ばされる。1日目のベストアクトは、意外にもこのKWEENだった。
バンド名から想像できるように、KWEENはQUEENのコピーバンドだ。しかし、単なる物まねではなく、アクションからちょっとしたしぐさ(拳を振り上げるタイミングから声のフェイクぶり)まで本物そっくり。フレディだけでなくほかの3人も本物になりきっているのにはまいった。ブライアン・メイなんて、ギターをキメるアクションまでそっくり!
観客はみんなニコニコ楽しそうにライブを見ている。会場からは絶え間なくフレディ・コールが起こる。
まだ見たことのない人は死ぬまでに一見の価値あり。最高のエンターエイメントだ!!
最後も本物と同じく、フレディがユニオン・ジャックのマントをたなびかせて終わり。
1.I Was Born To Love You
2.Another One Bites The Dust
3.Under Pressure
4.Somebody To Love
5.Killer Queen
6.Keep Yourself Alive
7.Crazy Little Thing Called Love
8.Bohemian Rhapsody
9.Radio GA GA
10.We Will Rock You
11.We Are The Champions

稲川淳二 @GREEN OASIS
カミングアウトすると、僕は高所恐怖症のうえ、怖いものが大の苦手だ。
なので、夜、寝れなくなると困るので、あまり気は進まなかったのだが、気付いたら体育座りで稲川淳二の出番を待っていた。何故だ???
稲川淳二の話は、怖いのは怖いのだが、それほど酷い怖さもでなく、安心していたら、最後の最後で静寂を破る○○の××が鳴り響く、、、!!(ネタをばらすとよくないので)
これ、怖いというかビックリした。
しかし、怖い話をすると観客が構えているにもかかわらず、やはり怖がらせる。さすがプロ!




8/16
スカイメイツ @MOON CIRCUS
沖縄の男女混合スカバンド。
まあまあかなぁ。


        ↑MOON CIRCUS

DETERMINATIONS @MOON CIRCUS
「大阪の至宝」デタミ。知名度も大きく、スカイメイツより観客の数は格段に多い。
バンドの演奏力は高く、ゆったりと安定したスカ・ビートで僕達を躍らせてくれた。
また、意外にもスカと関西弁の相性もバッチリで、ボーカルは「盛り下がっとるか〜」「飲んどるか〜」「いっちょうらやで〜」の3種類のMCのみで会場を盛り上げる。このギャグは僕のツボで、いっそうバンドに愛着がわいてきた。
1.Mt. GEM
2.Yin&Yang
3.EASY PROBLEM
4.Under My Skin
5.CRAZY
6.NEW DAY
7.TRAIN OF LOVE
8.BAYON

KEMURI @SUN STAGE
新曲が多い、フジロックとちょっと違うセット。みんなで汗びっしょりになって踊りまくった。
ステージの後ろ(バンドメンバーから見たら正面)に太陽が沈んでいく。フミオはとても気持ちよさそうに歌っていた。
1.葉月の海
2.NEW GENERATION
3.KNOCKIN' ON THE DOOR
4.ONE STRAIGHT PUNCH
5.PART TO PLAY
6.kanasimiyo
7.ohichyo
8.濁世の水
9.PMA
10.ALONG THE LONGEST WAY
11.Ato-ichinen



SUPERCAR @SUN STAGE
疲れたので、SUPERCARをBGMにして休憩。さすがに会場が広いせいか、後ろの方まで音はクリアーに届かない。フジロックのグリーンの音のよさを改めて実感。

チャゲ&飛鳥 @SUN STAGE
フェス2日目の盛り上がりの頂点は、意外にもこのチャゲアスだった。・・・誰がそれを想像しえただろう?
「SAY YES」を会場の全員が歌っている。信じられないくらい後ろの人達まで肩を組んで大合唱している。会場が広大なカラオケボックスと化した瞬間だった。
正直「なんなんだ!?」というくらい、会場全体がチャゲアスと一体化していた。
(ちなみに僕は歌わなかった。)
1.この愛のため
2.SAY YES
3.NとLの野球帽
4.YAH YAH YAH
5.太陽と埃の中で

THE HIGH-LOWS @SUN STAGE
キーボードの白井が脱退したということで、今回はキーボード抜きの4人編成だ。自然に曲もストレートなロック・チューンが多かった。こういうソリッドなハイロウズもいいなあ。
1.ママミルク
2.青春
3.夏なんだな
4.いかすぜOK
5.相談天国
6.不死身のエレキマン
7.ミサイルマン
8.真夜中レーザーガン

モンゴル800 @SUN STAGE
売れたのでいいのだが、果たして去年のサマソニといい、こういう大きな舞台に立つべきバンドなのだろうか?持ち歌数も少ないし、今後がとても心配だ。いらぬお世話だろうが。
(ただ、少ない持ち歌の攻撃力は半端になく大きい。)

ちなみに2日目の夜の寒さは半端ではなかった。
シャツ2枚+フリース+薄手の防寒ジャケットでは、不十分なくらい(フジより全然寒かった)。
寒い中、無理して仮眠したら、凍死する夢を見て目が覚めてしまった。

LOOPA NIGHT @MOON CIRCUS
時間が空いたので、LOOPAに行く。僕が行ったときはKAGAMIがDJ中。
ピエール瀧がRSRに来ているのは聞いていたが、KAGAMIの時になぜかピエールがご機嫌な様子で何度もステージ上に出てきた。いつもの調子でMCをしている。「みなさ〜ん、本日、私は仕事ではありませ〜ん」というMCには大笑いしてしまった。

ROCK'N'ROLL GYPSIES @RED STAGE
大江がエゾの地にも現れるのではという噂は、実現しなかった。
セットの前半ジプシーズの曲で、後半からルースターズの曲。ルースターズの曲のほうが全然盛り上がる。深夜1:40スタートということで、気温がかなり低く寒かったせいか、バンドも観客の反応も鈍い感じがした。
ただ「DISSATISFACTION」を聴けたのは予想外で嬉しかった。
ジプシーズの次がくるりということで、くるり待ちのファンも多く、前から2列目にいたにもかかわらず僕のとなりの3人組の子はライブ中もぺちゃくちゃしゃべっていた。さすがに感じが悪かった。
1.Frame Up Boogie
2.Lazy sun
3.GOOD TIME (TO LOVE YOU)
4.TRUCKIN’
5.NO TIME
6.NATURAL POWERED 1
7.恋をしようよ
8.DO THE BOOGIE
9.FOOL FOR YOU
10.DISSATISFACTION
11.BYE BYE MY GIRL

LONDON NITE @GREEN OASIS
ROCKCANDYで目指したいPARTYの形は、ルーパよりはロンナイだと思った。
この判断でいいのでしょうか、BUCHO、スマ君?



メインステージではSOFTBALLETが「BODY TO BODY」をプレイしている。この後ウルフルズがあるが、帰りの飛行機の事情で、僕は会場を後にした。
空はほんのり明るくなってきている。
帰りのバスの窓から、朝日・・・RISING SUNが見えた。
バスに乗ってるみんなにとっては、特別な朝日だった。


【2003.8.24】