LIVE REPORT 2005

HIT&RUN round17
2005.5.3(Tue) @福岡Butterfly
band : VIOLETS / GASOLINE / HAVENOT'S / thee 50'S HIGHTEENS

ガレージ・ロック系のバンドを集めた「HIT&RUN」というシリーズ・イベントへ行く。

今回、ライブするバンドは4つ。
1番目はthee 50'S HIGHTEENSという福岡の4人組女子ガレージバンド。ギター、ベース、ドラムにキーボードを加えた面白い編成で、みんなおそろいの50年代っぽいコスチュームに身をつつんでいる。
まあ、「女の子」+「ガレージ」ということで、かわいい系のバンドではないと予想はしていたものの、ライブが始まるやいなや、ボーカルの子が「うおぉぉぉぉぉぉっー!」という、デスメタルを彷彿とさせるダミ声の咆哮。このバンドのネジのはずれ具合は想像をはるかに超えていたようだ。特にキーボードの子のキャラが立ちまくってて、首の骨が外れるのではないかと心配するくらい頭を振り回して踊り、さらに意味不明のMC(正しい日本語になってない)で観客を異世界に誘い込む。不思議ちゃんどころか異星人クラスで、ファーストコンタクトの僕は苦しいくらい大笑いしっぱなしだった。
ただしそれ以外は女子ガレージバンドとしてのイメージ通りで、演奏もお世辞にも上手いとはいえず。しかし一見の価値はあるバンドだ。

2番目のHAVENOT'Sは横浜の3ピースバンド。ややハードロックよりだが、すっきりした演奏を聞かせてくれた。ほとんど英詩のヴォーカルがちょっと弱いかな。

3番目は“四日市のR&Rバーバリアン”GAN率いるGASORINE。ギター&ボーカルのGANはロッカーに不似合いな小太りで、エルビス・プレスリーをイメージしたコスチュームを着ている。バンドはベース(女性)とドラムによる3ピースだ。
GANの格好からも想像できるように、ロックンロールをパロディにしたようなステージングで、ギターウルフに通じる「楽しさ」を持っている。
ミディアムテンポのインストで幕をあけ、「(みんな)ガソリンに火をつけてくれ〜」と煽る。客の大きなレスポンスを受け「ガソリンに火が点いちゃったよ〜!」と、いきなりギター爆裂!といった具合。
演奏の途中にフロアーに降りてきてみんなを座らせ、合図でジャンプさせたり、死んだ人の霊を召喚したり。いつもはジミヘンの霊を呼んでいるそうだが、今回は特別に、ギターウルフのビリーさんの霊を呼んで「サマータイム・ブルース」をプレイ。ちょっぴり嬉しかった。
ライブで場数を踏んでいるのか、演奏のレベルも高かった。いいバンドです。おすすめ!!

トリは元ギョガンレンズのパッチがリーダーのVIOLETS。ツインギターのためか、ちょっと音が厚過ぎて、キレが感じられない。「音の隙間」も大事だということがよくわかる。ギョガンの方がよかったな〜。
アンコールは「テキーラ」〜「カモン・エブリバディ」でした。

【2005.5.5】



木村カエラ
2005.4.10(Sun) @福岡DRUM LOGOS
木村カエラ 1st Tour 2005 “4YOU”

「カエラはメールし放題!」のCMでお茶の間でも人気上昇中、木村カエラ嬢の初全国ツアーに行ってきました。
モデル出身なので、ロック目線で見ると、ちょっとイロモノっぽい感があるけど、そんなことはありません。カエラは立派な「ロック」シンガー。しかも、もちろんこのかわいさ!僕は全力で応援します。

会場のDRUM LOGOSのキャパは約1000人弱だけど、チケットはソールドアウト。人気の高さがうかがえるが、それがアーティストとして支持されているからなのか、「SAKUSAKU」のファンのおかげなのか。後者であればちょっと寒いライブになりそうなのが心配だ。

本物のカエラは、モデル出身の割には意外に背が小さい。また、びっくりしたのが意外に声量が大きいこと。ボイストレーニングとかきちんとしているのだろうか、歌に対する、カエラの本気度が伝わってくる。。
アルバム1枚しか出してないこともあり、持ち歌をほとんど全部やる。カバーはなし。「HAPPINESS」は名曲だな〜。
心配していた通り、「ロック・ライブ」として来た観客は少数派で、僕の目からはあまりいいたライブとは言えなかったが、次回に大きな期待をしたい。

【2005.4.20】



SOIL&“PIMP” SESSIONS
2005.2.20(Sun) @cafe galleria/ROOMS
2005 PIMP MASTER TOUR
「galleria night」 w/レイラーニ

2年前のフジロックでガツンとやられて以来、お気に入りになった5人組爆音JAZZ集団、SOIL&"PIMP" SESSIONS。ラウドでスリリングな緊張感に溢れたライブは、カッコイイの一言(PEZの100倍いい!)。この度、メジャー2枚目となるフルアルバム「PIMP MASTER」をリリースしたが、何故かいまいち盛り上がっていない。もっと音楽ファン(ロックファン)の注目を集めてもいいバンドだ。

今回は、正確には単独ツアーではなく、大名にあるバーカフェCAFE GALLERIAの主催する「GALLERIA NITE」というイベントのゲスト。これがちょっと変わったスタイルのイベントで、会場はそのGALLERIAと、その上階にあるROOMSというライブスペースの二ヶ所で行われる。GALLERIAではビュッフェスタイルでフード食べ放題、ワインのサービスもあり、ちょっとした立食パーティーの雰囲気。そのGALLERIA内の隅に小さなライブスペースを作り、ROOMSと交互にライブが行われる。
福岡在住の女性アーティスト、レイラーニがGALLERIA、SOILがROOMSで、それぞれ2回ライブを行った。
客層は、飲食店主催のイベントのためか、音楽ファンというよりは、お店の常連やスタッフの知り合いといった感じの若い女の子が多い。

レイラーニはいわゆるシンガーソングライターで、キーボードを弾きながら感情のこもった抑揚のある声で曲を歌いあげるタイプ。オーガニックな雰囲気で、Leyonaに似た感じのアーティストだ。去年のSUNSET LIVEをはじめ、これまで何度か見たが、サポート・ミュージシャンとの息が合ってきたのか、これまでで一番の出来だった。飾りのない音が気持ちいい。地元にしっかり足をつけた活動姿勢も好感が持てる。まあ全国区になるのはちと厳しいかなぁ。

ROOMSはキャパ200人くらいの小さなハコ。
SOILのライブは40分くらいのセットを2回やった。それぞれ2枚のアルバムからほどよくチョイスされた選曲で、量的にはお腹いっぱい。トランペットのタブゾンビが福岡出身だそうで、地元のりも加わり盛り上がった。
SOILのライブの魅力は、なんといってもトランペットとサックスの絶妙な掛け合い。ジャズには詳しくない僕だが、「ジャズを聴く気持ちよさとはこんな感じなのだろうなー」という気がしてくる。ある意味、とても分かりやすく、まさにジャズの魅力をロックファン向けにリビルドしてるといった感じがする。
あと重要なポイントが、“アジテーター”社長のMC。キザなもの言いは、絶妙なバランスで単なるギャグにならず、MCとしてフロアを盛り上げるために機能している。
ただ、今回気になったのは、今まで気付かなかったのだが意外に同じような展開(ソロ)の曲が多いこと。もっと多彩な曲やフレーズをプレイして欲しい。

客層からしてライブ慣れしていない客が来ていたと思われるが、最前列の若い男数人がライブそっちのけでコンパのりで騒いでたことが残念だった。ライブの楽しみ方は人それぞれでいいと思うが、苦笑したくなるどころかあまりにも幼稚な振る舞いは、アーティストに対して、音楽を楽しみに来たその他大勢の人に対して、マイナス以外の何者でもない。

【2005.3.20】



electronics guitar 28
2005.2.11(Fri) @福岡decadent DELUXE
band : NUMBERS(from U.S.A.)/Limited Express (has gone?)/folk enough/Saltlee     /TRAVOLTA/GARORINZ/MOTH/百蚊

FOLK ENOUGHという地元バンドの主催するイベント。特に有名なバンドが出る訳でもなく、客ものべ50人くらいのこじんまりとしたイベントだ。地元バンドの知り合い客が大半という感じ。
なぜそんなイベントに行ったかというと、出演バンドの中で、Limited Express(has gone?)という関西の新鋭バンドとNUMBERSというアメリカのバンドが気になったからだ。

出演バンドはみな、ちょっと癖のあるオルタナ・ロック好きという人達という感じ。アンダーグラウンドなロックに詳しそう。
なぜか、3ピースが多かったのと、演奏はかっこいいのに歌になるとがっかりしちゃうようなバンドが多かったのが気になった。

リミエキは、ギター&ボーカル(男)、ベース&ボーカル(女)、ドラム(男)の3ピース。ロックもオルタナもハードコアも一緒くたにして「いいと感じた音楽やってます」という印象の、自由な感じの溢れるバンドだ。唐突な展開のある曲や実験的な感じの曲がが、それらを聴いても全然「変なバンド」という感じはしない。それらに絶妙な太いグルーヴ感があるということ。今風に言えば、「踊れる」曲なっている。
ベースのユカリのキレた絶叫ボーカルに太いベースライン、ギターの飯田の時にヘヴィに時にヘロヘロなエッジの効いたギターなど、素直に面白い。これからもっとメジャーになっていきそうな感じで楽しみ。ギターの飯田は関西でボロフェスタというフェスのオーガナイザーもやっていおり、いまでも十分ビッグなのだけど。
ベースのユカリが小顔(かわいい!)で、飯田の大きな顔とのギャップが笑えた。

NUMBERSは、ギター&ボーカル、ドラム&ボーカル、キーボードという、特徴ある3人組。
ジャンル的にはラプチャーやレディオ4に代表されるディスコ・パンク・バンドなのだが、音がチープでピロピロしていて、実にアンダーグラウンド感たっぷり。それがいい味を出している。日本の地方のライブハウス(しかも小箱)を地道に回る姿はまさにアンダーグラウンド魂のなせる業。心意気はおおいに買います!
昔、静岡で見たwooglesを思い出した。

【2005.2.14】



ギターウルフ セイジの新春ロックンロール集中講義
2005.1.10(Mon) @福岡THE DARK ROOM

セイジさんが自分の好きなロック、バンド、映画について語りつくすナイスなイベント。
セイジさん持参のスペシャル編集ビデオテープを見ながら、ロックに大切なものは何かについて約5時間の講義があった。(終了後、補習もあったらしい)

セイジさん曰く「ロックンロールにとって大切なのは、ルックス、気合い、アクション」
ルックスとは、革ジャン、皮パン、サングラス。
気合いとは、矢沢栄吉。
アクションとは、ジョニー・サンダースのギター・アクション、ジェイムス・ブラウンのステップ。「ブルース・リーの手の動きはスーパー重要!」とのこと。

気さくなセイジさんは素敵だった。

【2004.2.12】



ZIPANGU 2005 NEW YEAR LIVE PARTY
2005.1.9(Sun) @福岡CROSSING HALL
band : GUITAR WOLF/MAD3


ハーレーダビッドソン・バイカーの全国的なクラブ「ZIPANGU」の新年イベント。
来場者のほとんどはクラブメンバーかその連れで、革ジャンや皮パンなどのレザー系衣類を着用している。全員が黒づくめ。一見すると非常に「怖い」集団だ。僕はといえば、ひとりコロンビアのグレーのフィールド・ジャケットで、会場にはかなり不釣合い。「お前、俺たちの仲間じゃないな!」とか言ってからまれる自分が頭に浮かぶ。

さすがバイカーのイベント、まずは色っぽいおねーちゃんのダンス・ショー。男子、盛り上がる。

メンバーのバンドが演奏した後、出てきたのがMAD3。
バイカーのパーティーでMAD3やギターウルフなど、なんのひねりもないブッキングだが、ライブの反応を見ていてもそんなに熱心なファンがいる様子もなく、ライブは淡々と進んでいった。MAD3は客がバイカーだけにバイカー・ロックのカリスマおやじバンド、モーターヘッドのカバー「ACE OF SPADES」もやったけど、反応はイマイチだった。
ライブ会場はイルパラッツォというモード系ホテルの地下にあるのだが、広さはまずまずだけど音が悪いのが気になった。今回のような爆音系は特に相性が悪いようで、ノイズの塊のような音で演奏が聴き取れない。R&B系の落ち着いた音には合うのかなあ。ちょっと残念。

続いてギターウルフ。いつも通りのウルフちゃんで、安定感(?)のあるライブ。なんだか演奏が上手くなってて、喜んでいいのか複雑な気もしたが、気合十分で期待通りのライブだった。
選曲は、「LOVE ROCK」からの曲が中心。ハーレー乗りの前で「俺の思う世界一最高なバイクはカワサキZU750」と言い切ったのには、笑った。
ライブの後半にあるセイジさんのダイブだが、今回はスピーカーが半端なく高く、僕が今まで見た中でも1、2を争う高さのダイブだった(3m近くあったのでは?)。セイジさんの足元はもちろんブラック・レザー・ブーツ。踵にエアーなんか入っているはずもないのだが、いや〜、よくご無事で、というか、今回は特にびっくりだった。

今年もギターウルフは信じていける!

【2005.2.10】