■paralel■
ZORO■
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Y         A
P         N
E         J
R         I
■LOVE■






■16■
視界

 
 
 
 

それから毎日、ミホークのデータ分析にかかった。
ミホークの好物。嗜好。愛玩品。
憎しみに彩られた側面とは別の人間的な一面。
サンジは無言でそれらのデータを見た。
その中には「バラティエ惨劇」も含まれていた。
ミホーク側の人間がとった無惨な映像。
 
 
 
 

あれは激しく雨の降る日だった。
閉店まぎわのバラティエに一斉に男達が乗り込み、片っ端から殺されていった。
軍隊一個団くらいの戦力はあっただろう。
客を人質にとられ大人しくつかまったゼフ。
「このチビナスはなんだ?」
「そいつに手を出すな!!」
「じゃあ、お前の足でもよこしな」
そう言って刀をゼフの目の前に投げた。
その刀を拾って・・・。
ゼフは自らの足を・・・切ったのだ。
「ジジイ・・・ジジイ・・・」
泣きわめくサンジを抱きかかえてゼフは言った。
「これくらい、何でもねえ。覚えておけ、サンジ。死ぬことは負けることじゃねえんだ」
「あああああああああ」
目の前で崩れ落ちるゼフの体。
流れ出る血。
仲間の死。
殺してやる!!!
殺してやる!!!
消えない映像。
誰か誰か誰か!!!
ジジイをタスケテ!!タスケテ!!タスケテ!!
死んじまうんだ。死んじまうんだ。
ジジイは負けてねえのに!!
だからオレは負けねえんだ!!
仇を!! 仇を!!
 
 
 

ゾロはサンジの様子がおかしいことに気づいた。
モニター画面を見たまま微動ともしない。
画面を見て、異変に気づく。
バラティエ惨劇の写真。
ゾロはサンジを抱きしめた。
「サンジ・・・」
サンジは、しばらく震えていたが、恐ろしい程冷静だった。
「大丈夫だ、ゾロ。何でもねえ」
それから無表情に違う情報を見た。

もう、後もどりはできないのだ。
あの時からずっと。
 
 
 

ゾロは黙ってモニターの画面を落とした。
サンジは無言で振り返る。
何の感情もわかない瞳。
オレも同じだ。
ゾロはそう思いながら、サンジの体を抱きしめた。
舌をからめながら激しいキスを交わす。
性急に服を脱ぎ捨て、互いの肌を愛撫する。
ゾロはサンジの体のあちこちに跡が残っているのを見つけた。
なら、もっと跡を残すだけだ。
互いのモノを扱きあい、胸の突起をきつくつまむ。

時間とか場所とか、もうどうでもよかった。
コイツとヤりてえ。
ただそれだけしか考えられない。

ゾロはサンジに深く口付けたまま、後ろに指を入れて掻き回した。
体を密着させ、互いの昂りをこすりあわせる。
袋の部分をなで回すようにして愛撫するとサンジは耐え切れずに涎をたらす。
「・・・ふ・・・んんっ」
指の数を増やして中で動かすとサンジの体がビクビクとはねた。
壁に体を押さえ付け、脚を開かせる。
口付けられて、後ろに指を入れられたままのサンジはずるずるとへたり込みそうになった。
ゾロは指の代わりにサンジの欲しがるものを与えた。
「んんん・・・」
馴染んだゾロの体。
サンジの体は歓喜する。
サンジは自分の腹や胸だけでなく、ゾロの体にまで精を飛び散らせた。
惜しげもなく体を開き、限界までゾロを受け入れる。
ゾロの動きが激しくなり、サンジの嬌声も止まらなくなる。
やがてゾロも頂点を極め、サンジの中に一滴のこらず精を注ぎこんだ。
サンジは全てを飲み込んだままで快楽に酔いしれる。
ゾロとずっと繋がっていたい。
こうしていると二人だけの世界だから。
 
 
 
 

■17■

■地下食料庫■
■厨房裏■