side ZORO
*4*
オレは満足して眠っていた。
どこかで、でけえ音がした。
うるせえぞ。
まだ、寝かせろよ。
寝てえんだよ、オレは。
夕べは殆ど寝てねえ。
ずっとヤりっぱなしだったからな。
・・・そういや、あいつはどこだ。
サンジは。
確かにオレの手の中で眠りに落ちたはずなのに。
いねえ。
シーツに情事の後だけが色濃く残っている。
音はサンジが出したんだろう。
それにしても。
あのヤロー何してやがんだ。
・・・おせえな。
しょうがねえ。
オレは起き上がって、簡単に服を羽織る。
シャワールームの入り口にサンジはいた。
壁にへばりつくようにして立ってる。
「てめえ、何してんだ」
いつもならそこで10くらい返ってくる返事がない。
・・・・?
なんだよ、こいつ。
なんか機嫌でも悪いのか。
「おい・・・」
・・・・・??
らしくねえ。
何だってんだ。
「どけよ」
サンジはオレを睨むと歩きかけた。
足元がふらついてる。
倒れそうだ。
オレはとっさに受け止めた。
すげー身体がつめてえ。
何だってんだ。
こんなに冷えるまで水浴びてたんか、こいつ。
おまけにまともに立っていられねえらしい。
全く。
何で素直に言わねんだ。
いつもはどうでもいいことを人のせいにするくせして。
オレはサンジを引きずるようにして、ベッドに倒した。
「てめー、何しやがる」
抵抗もろくにできねえクセして。
「オレはもうここ出るからな。オレのことは放っとけ」
あのなー。
てめえ、ろくに歩けねえみたいだが。
オレを押しかえせもしねえクセに。
「てめえは、そのまま寝てろ」
まだ、言うか・・・
そんなんでふらふら出たら、いいカモだ。
女くどくどころじゃないだろう。
どんなチンピラにだって勝てやしねえ。
うるせえな。
全く。
今までヤってましたってのが、ありありのクセして。
オレのつけたキスマークがほんのり赤く散っていて、悪かねえ。
「うるせえな。それ以上しゃべりやがったら、もう一回やるぞ」
半分本気で言うと、サンジは突然おとなしくなった。
それっきり、オレを上目づかいで見て黙り込む。
こいつ、バカだなー。
そう思うと何だかおかしくなった。
オレが笑ったのを見て、サンジは頬をふくらました。
全く・・・
ガキみてえ。
かわいいじゃねえかよ。
負けず嫌いにもほどがある。
オレは可笑しくて笑った。
だけど。
こいつは分かってるのか。
てめえがオレをどんなにおかしくしてるかって事を。
fin