side SANJI
*4*
何の夢を見たのか。
夢の中でオレは誰かを呼んでいた。
でも、それが誰か分からない。
オレはゆっくりと目を開けた。
頭が重い。
しばらくして、側にあるもう一つの身体に気づいた。
ゾロが寝ていた。
気持ち良さそうに。
申し訳程度の様に掛けられた毛布を見て、オレは赤面した。
すげー、よごれてる。
・・・ってゾロの奴は中出しばっかりしやがったから、オレのってことかよ。
昨夜、というかオレはいつ寝たかもよく覚えちゃいねえ。
ずーっとヤってたのは覚えてるけど。
オレは溜息をついた。
なんでこいつは程々ってもんを知らねえのか。
重い身体を引きずって、立とうとした。
腰に痛みが走る。
・・・って力が入らねえ。
オレは床にずるずるとへたりこんだ。
チクショー。
荒淫の余韻が残っている身体。
はうようにして、なんとかシャワールームにたどりつく。
立てねえもんだから、床にすわって栓をひねる。
つめてえ。
水じゃねえか。
幸い、今は腰の感覚がねえ。
オレは躊躇したが、中をきれいにするしかねえ。
感覚がバカになってるみてえで、オレの身体じゃねえみてえ。
水に混じって流れてくゾロのものと血・・・
動けねえ感じ。
かなりやばいかも。
なんかすげーむかつく。
あいつにもダメージがねえとワリに合わねえ。
オレはようやっとシャワーを止めた。
まだ身体の感覚はもどらねえ。
そこいらにあるものにつかまって、なんとか立っていたが、備え付けの瓶がでけえ音をたてて落ちた。
かなりでけえ音がした。
「てめえ・・・何してやがんだ」
ゾロが戸口に立っていた。
やっとお目覚めってわけか。
けど、今は文句を言う元気もねえ。
情けねえ。
「おい・・・」
返事をしないオレに、訝し気なツラをする。
「どけよ」
オレはこいつに弱味を握られるのはでえきらいだ。
弱ってるとこなんざ見せられねえ。
オレはやけくそで歩いた。
だが、まだ感覚が変だ。
2.3歩も歩かねえうちに、身体がかたむく。
倒れる。
そう思った時、ゾロがオレを受け止めた。
「てめー何しやがる」
引きずられるようにしてベッドに倒される。
「オレはもうここ出るからな。オレのことは放っとけ」
そう言うと、ゾロは呆れたようなツラをした。
「てめえは、そのまま寝てろ」
オレはこんなとこで、のうのうと寝ちゃいられねえんだ。
「うるせえな。それ以上しゃべりやがったら、もう一回やるぞ」
ゾロがいきなり切り返しやがった。
オレは口をつぐんだ。
こいつなら、やりかねん。
急に黙りこんだオレを見て、ゾロがにやりと笑った。
くそー。
むかつく。
バカにされてる。
後で覚えていやがれ。
百回ぐらい蹴ってやる。
ゾロはおかしくてたまらねえらしく、腹を抱えて笑いだした。
くそー。
オレはどうすりゃいいんだ。
fin