Zoro★Sanji
ゴーイングメリー号はにぎやかになった。
チョッパーが仲間に加わり、今は、カルーやビビもいる。
船員が増えるとそれだけ準備する料理の量も増える。
サンジは自分では気づかなかったが、やはりかかる時間が増えていた。
サンジとしては何の問題も無いはずだった。
昼下がりの静かな時間。
昼飯の片づけが終わり、サンジは保存食をとりに倉庫に向かった。
重い扉を開け、うす暗い倉庫の中を見回す。
雑多に積み上げられた瓶詰めや缶を手に取り、残り数を数える。
時々、ここも見ておかないと、この船では食材はいつの間にかなくなるからだ。
ごくたまにだが、ここの物も減っていることがある。
犯人は言わずともルフィと想像がつくが。
「・・・だからさ、やろうぜ!!」
「ビビもしよう!!」
「・・・・だわよ・・・」
「・・・ババ抜きなら・・・」
「クエー」
壁の向こうから声が聞こえる。
どうやら、日当たりのいいところでトランプでもするつもりらしい。
ゲームの後には「おやつ」食うだろな。
そう思いながら、甘い菓子と飲み物でも出すことを考える。
この前の港で手に入れた梨のジャムの瓶を見つけだす。
これでいいか。
そう思った時、足元で影が動いた。
見ると明るい入口の所にゾロが立っていた。
サンジはちらっとゾロを見た。
ここには食材もあるが、他の物も置いてある。
何かとりに来たのだろう。
はちみつの瓶を手にとり、中味を確かめる。
ゾロはサンジの方をしばらく見ていたが、倉庫の中に入ってきた。
サンジは完全に油断していた。
不意に後ろから抱きしめられ、思わず瓶をとり落とした。
ガシャン!!
瓶が音を立てて落ち、綺麗に割れた。
「テメえ!! 何・・・」
抗議の声を上げかけるサンジの口はゾロの唇で塞がれた。
「・・・ん・・・」
久しぶりの感覚に一瞬理性が飛びそうになる。
「ヤらせろ」
ゾロの言葉にサンジは返答に窮する。
「あいつら、トランプしてるから」
ゾロはサンジの返事を待たずに、サンジの服の間から手を差し入れ、敏感な部分を刺激した。
最近、メンバーが増え、サンジがゾロに接する時間は少なくなってきた。
サンジは誰にでも同じ調子で、もうチョッパーともすっかり馴染んでいる。
聞くところによると、サンジのケガを治したらしい。
勝手にケガをして、勝手に医者にかかって。
今は元通りなんだが・・・。
それも何だか腹が立つ。
誰にでも笑顔を振りまくサンジ。
だが、こういうコトができるのはオレだけだ。
サンジの弱いところは知りつくしている。
キスをしながら愛撫してやると、思った通り、大した抵抗もしない。
ゾロは壁にサンジを押し付けた。
サンジのベルトに手を掛ける。
「・・・・ぎゃー、負けた!!!」
ウソップの大声が聞こえる。
壁の向こうから、笑い声が聞こえている。
多分、みなゲームに夢中だ。
「戸・・・」
サンジは開いたままの戸が気になっていた。
いくら、皆が夢中で遊んでいるからって、開きっぱなしじゃ・・・。
確かに、しばらくヤってなかったから、ゾロに触れられただけで体はその気になっている。
だけど、まっ昼間から、こんなトコで・・・。
でも、キモチいい。
今、なら、シてもいいかも。
ゾロに与えられる快楽に、段々と思考能力を失っていく。
「見られて困るなら、早くヤろうぜ」
ゾロはそう言うと、指でサンジの中を慣らし始める。
「あっっっ」
思わず、声を上げるサンジの耳元で囁く。
「バカ。声だすな」
薄暗い光の中、下半身を露にし、かろうじてシャツを身にまとっているサンジの白い肌が浮かび上がる。
戸閉めたら、コレが見えねえだろ。
オレは別に見つかってもいいか、とも思う。
だが、あいつらに教えてやる必要もない。
サンジはオレのものだって。
コイツに分かってりゃ、それでいい。
止められねえ。止まらねえ。
快楽の為、立っていられなくなったサンジを床に横たえ、ズボンを完全に取り去る。
いつ見ても白くて長い足。
光が当たると色素がまるでないかのように見える。
ゾロはサンジに口付けながら、中にゆっくりと入っていく。
サンジは体を強ばらせてゾロのモノを受け入れた。
キツい。
だけど、オレはこれを待ってる。
ゾロのコレをもらうのが好きだ。
ゾロの目がオレだけを見るのが好きだ。
ゾロにいやらしいことをされるのが好きだ。
好きで、好きで、キモチいい。
「ん・・・」
激しく突き上げられ、ゾロの体にしがみつく。
カラダだけに、なる。
ゾロと二人だけに、なる。
昂る体。求める心。
ゾロの動きが速くなる。
懸命にゾロを自分の中に受け止めていようとする、体。
離れていくゾロを逃がすまいとし、限界まで体を開いて奥まで受け入れようとする。
ゾロは夢中で腰を使った。
サンジの体は柔軟で、激しく責めてもついてくることが出来る。
己のモノが外れるくらいの激しさで腰を動かす。
サンジも、もうイキそうだ。
体重を掛けて突き入れると、サンジは耐えきれずに精を放った。
同時にゾロはサンジの中で弾けた。
ゾロはサンジの上にそのまま重なった。
汗にまみれた体。
やわらかな髪に手を伸ばす。
「・・・じゃねえぞ!!」
「・・・やめなさいよ!!アンタたち!!」
「クエー!!クエー!!」
やがて音が戻ってくる。
視界もはっきりしてくる。
ああ、ゾロも汗だらけじゃん。
サンジがそう思った時、再びゾロが動き始めた。
「ああっっ」
思わず、声が漏れてしまう。
その時だ。
「あれ、今、何か、声しなかったか?」
壁の向こうからはっきりとした声が聞こえてきた。
・・・!!
サンジは思わず自分の口を手で塞いだ。
「ええ、何か聞こえた?」
「そういや、聞こえたような・・・。倉庫か?」
「見てこいよ」
足音が聞こえてくる。
サンジは思わず体を強ばらせた。
ゾロが無言でサンジの体を引きずり、倉庫の奥に隠れた。
慌てて、散らかった服も拾い集める。
一番、視界の通りにくいところに隠れる。
ドクンドクン。
心臓が高鳴る。
サンジは気が気ではなかった。
もし、見つかったら?
ゾロに体を引き寄せられ、ぴったり密着している。
どうしよう。
言い訳、出来ねえ。
バタバタと言う足音がして、影が見えた。
麦わらの影。
ルフィだ。
「あーーー!!いいニオイすると思ったら、はちみつが割れてる!!」
ルフィが叫んだ。
だが壁の向こうからは笑い声しか返ってこない。
ルフィはあわてて口を押さえた。
やば・・・。
つい、でかい声が出たが、聞かれてないみたいだ。
ひとりじめ出来る?
ルフィは部屋に足を踏み入れた。
サンジはドキドキしながら固まっていた。
ルフィがもし、もっと奥に来たら?
見られてしまう。
ゾロに抱きしめられるようにしているハダカの自分を。
時が止まるかと思う程の緊張の瞬間。
サンジは自分の背後の体が動くのを感じた。
ゾロが微かに動き、昂りをサンジの体に押し付けてきた。
う・・・そ・・・だろ。
驚きに目を見張るサンジの口が掌で塞がれた。
そして、背後から一気に貫かれた。
ゾ・・・ロ!!!
心の中で悪態をつくが、勿論ゾロに聞き入れられるわけもなく、
繋がったソコから伝わる熱にサンジは意識をとばしそうになった。
信じられねえ。
ルフィがそこに・・・居るのに。
多分、数歩歩いてこちらを覗けば全部見えてしまう。
何で・・・オレ達、こんなこと・・・してるんだ。
でも、キモチ・・・いい。
もう、オカシクなりそうなくらい。
ルフィは辺りを見回すとしゃがみこんで、落ちているはちみつをすくい始めた。
「うめえ、うめえ」
小声でそう言いながら、せっせとなめ続けている。
サンジは気が狂いそうだった。
背後で、ゆっくりと動くゾロ。
羞恥と快楽で神経が焼き切れそうだ。
「おーい!!ルフィ!!・・・あんにゃろ、何やってんだ!!」
「わたし、見てきます」
ビビの声に、サンジの体がびくりと反応した。
駄目だ。
見られたくねえ。
キモチいいけど。
嫌だ。
ビビちゃんには・・・。
ゾロは緊張するサンジを見て、許せない気分になった。
てめえは誰のもんだ。
あんな女なんか、気にしやがって!!
穏やかな動きによる緩やかな快楽を捨て、動きを速めた。
!!!!!
必死に逃げようとするサンジの体を引き寄せ、自らの楔を打ち込む。
サンジの中から含みきれない精液がこぼれ落ちた。
ももを伝い、床にこぼれ落ちる。
このクソコック。
こんなにカンジてるくせに。
オレにヤられて、こんなに勃たせてやがるくせに。
女のことなんて、気にするんじゃねえ。
オレのでイカせてやるから。
てめえには、他の何もいらねえんだ。
ひっ。
サンジはどうしていいか分からなかった。
ビビちゃんが来るのに。
オレはイキそうだ。
ゾロので、イカされる。
ビビちゃんに、見られても。
ルフィに、見られても。
誰がオレを見てても、オレはもうガマンできねえ。
ビビの軽やかな足音がする。
「あーーー!! 何でもないっっ」
ルフィが驚異的なスピードではちみつをなめ、倉庫に入ろうとしたビビを押し戻した。
「何でもって・・・。あの、白いの何なの?」
「あーーー、だから何でもない!!!続きだ、続き!!」
ルフィはちらりと振り返る。
そこには気がつかなかったけど、白い液みたいなものも落ちていた。
あれも、食い物か?
ちぇっ。だったら惜しいことしたかも。
ま、いいや、後で来ればいい。
とにかく、はちみつ食ったことは内緒にしとかなきゃ。
オレが割ったんじゃないし。
まてよ。
ということは、「たまたま」割れたら、食えるってことか。
ルフィは倉庫の奥のことなど考えもせずに出ていった。
ニ度目の絶頂を通り越し、サンジはぐったりと床に座りこんでいた。
「・・・・信じらんねえ・・・」
度を越した、緊張と快楽。
立ち上がる気力もない。
「スリルあったろ?」
見上げるとゾロがすっかり身繕ろいを終え、ニヤニヤ笑いながら壁にもたれていた。
床に吐き出されたサンジの大量の精液が快楽の大きさを物語っていた。
ふてくされたようなサンジに服を投げてやる。
サンジはのろのろと服を身につけはじめた。
「ありすぎだ、バカ」
小さな声で悪態をつく。
ゾロはサンジがとりあえず服を着たのを見届けるとその場でごろりと横になった。
今日はスゲえ、楽しかった。
でも、クセになったら困るよな。
困るけど、クセになりそうだ。
笑みさえ浮かべているゾロ。
心地よい経験の後、すぐに心地よい眠りが訪れる。
サンジはしばらく茫然と座っていた。
ゾロはすぐに寝息をたてはじめた。
近くからは相変わらず、賑やかな声がしている。
かなりな時間、サンジは放心状態のままだった。
「・・・くそ!!もう、止める!!」
「じゃ、おやつにしよう!!サンジ!!サンジを探そう!!」
「クエー、クエー」
「エッエッエッエッ」
「・・・よね」
クソ、おやつか。
もうそんな時間か。
ふらふらしながら暗い部屋を出る。
倉庫を振り返るとさっきの記憶が蘇り、身震いした。
・・・確かに、忘れられねえかも。
ちょっと、スリルありすぎ。
・・・こういうのって・・・クセになったら困るよな。
やばいくらい緊張して、やばいくらいキモチよかった。
やり過ぎはいけねえけど、
ちょっとした、スリルなら・・・。
またヤってもいいかもな。
ちょっとならな。
end