■WE ARE■ SANJI■RUFFY |
ドドオオオオオ!!
一面の銀世界。
ルフィの背には病気のナミさん。
ひびくからルフィは戦えねえ。
追いかけてくる、でけえうさぎラパーン。
前からは雪崩。
イロイロ考える暇なんかねえ。
目の前に岩が見えた。
ぶつかるっ!!!
ルフィはナミさんを背負ってる。
レディーはソフトに扱うもんだ。
間にあわねえ。
分かってた、そんな事。
オレはルフィを放り投げた。
ルフィが無事なら、大丈夫だ。
ルフィがナミさんを助けてくれる。
ルフィならやれる。
お前なら出来る。
ガンッ!!!
オレは何かにぶつかったらしい。
激しい痛み。
痛え・・・。
落ちた場所がどこかもよく分からねえ。
「・・・かーー、効くぜ畜生」
雪崩が来る。
オレは雪の中にしずんでいくのを感じる。
どこかでルフィの声がした。
「バカお前っ!!! そういう勝手なことするなァ!!!」
オレは雪に飲みこまれていく。
だってしょうがねえだろ。
ナミさんを助けねえと。
ルフィ、お前が助けるんだ。
行け、ルフィ。
冷たい雪。
手足が動かねえ。
オレはもうどこにいるのか分からねえ。
悪いな、ルフィ。
オレは一緒に行けねえみてえだ。
何だか、体も痛えし・・・。
でも、楽しかった。
お前といると。
まっすぐ前を見て進むお前。
過去にとらわれないお前。
過去のことにしばられてたオレ。
「死ぬことは恩返しじゃない」
お前は悪夢にうなされることはないのか。
ジジイの足。
大切な大切な・・・。
お前は言うだろう。
「足なんか大切じゃない」って。
「腕なんか大切じゃない」って。
分かってる。
オレたちは似た経験をしてる。
オレはずっと罪の意識を持ちつづけた。
ルフィ、お前はどうだったんだ?
お前は口にしない。
過去を乗り越えて「シャンクス以上の、海賊王」を目ざす。
それがお前の恩返しか・・・。
スゲえな、お前。
絶対に揺るがない信念。
オレは駄目だ。
ナミさんが死ぬと思っただけで、もう駄目だし、見ていられねえ。
お前は違う。
どんなことをしても、あきらめねえ。
あきらめずに行動に移す。
すると道が開ける。
あのゴールドロジャーの処刑台。
笑ってオレ達に別れを告げた。
天を割る稲妻。
お前は「本当に」海賊王になる男かもしれない。
オレはその時、はじめてそう思った。
ただの夢なんかじゃなくて。
全てを受け入れ、何一つあきらめない。
ひとつだけの夢。
それだけを見て進む。
ルフィといたら、何でもできそうな気がする。
オールブルーさえも、夢じゃない。
クソジジイとオレの夢。
どんなに皆が笑っても、信じなくても。
オレの夢。
夢のために死んだって後悔することはない。
お前はオレにそれを教えてくれた。
だから、「死」がココだろうと、
もうすこし先だろうと、恐れることはないんだ。
お前はガキだけど、楽しかった。
オレには「トモダチ」なんていなかったけど。
今は「仲間」だ。
それで満足だ。
「オトウト」ってこんなんかなって時々思う。
拗ねて。
笑って。
ケンカして。
触れあって。
お前といると楽しい。
すげえ楽しい。
これって何だろう。
体はこんなに痛えのに。
体はこんなに冷てえのに。
なのに笑えるんだ。
満足なんだ。
ルフィが生きてるから。
ナミさんが生きてるから。
お前はまだガキだけど、いい船長だ。
オレ達の船長。
オレの船長。
オレは間違ってねえ。
普段は何にもできねえお前。
いいんだよ。
オレたちがイロイロしてやるから。
大メシ食らいのお前。
お前にメシ食わすの楽しかった。
「うめえ!!!」
って、それはもう嬉しそうに。
オレお前にメシ作るの好きだよ。
食い過ぎるけどな。
だから、また作ってやる。
なあ、オレだんだん眠くなってきたよ。
息も苦しいし。
ちょっと眠るわ。
お前はオレに夢を信じることの大切さを教えてくれた。
信じることの意味を。
あきらめないことの意味を。
生きることの意味を。
ルフィ、海賊王になれ。
オレ達の夢は叶うんだ。
オレはオールブルーの夢を見る。
そこにはあらゆる種類のサカナがいて。
笑ってるオレ。
笑ってるクソジジイ。
笑ってるルフィ。
夢は叶う。
信じてさえいれば。
kikikoさんの25000リク、サンルで「ルフィの生き方・目線に対するサンジの想い」です。
コレのどこがサンルなんだ!!とお怒りの方、申し訳ございません。
完全健全バージョンでございます。
プラトニック以前。
でもここでルフィが助けにいかなければ、このままサンジ死んでたよねえ。