Delirious Blizzard
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サンジはゆっくりと目を開けた。
誰かに抱き締められていて・・・。
視界にはうす暗い世界がひろがり、
轟々という音が続いている。
ああ、まだ吹雪いてるな。
身体、だりいなあ。
こいつ、よく寝てる・・・。
だけど思った通りだ。
ゾロ、あったけえよな。
「起きたのか・・・」
てっきり寝ていたと思ってたゾロが不意に喋ってサンジは驚いた。
「・・・びっくりさせんじゃねえよ!!!」
それからしばらく沈黙が続いた。
「もうここに来て一日近くなる。
食い物もねえ。
身体をあたためるものもねえ」
ゾロがぼそりと言った。
それが現実だ。
望みはただ一つ。
嵐が止むこと。
「そうだな。
みんな生きて、
オレたちを探してくれるよな」
サンジは小声で言った。
「そしたら、コレはオレが誘ったからって言えよ」
「オレ、慣れてるから。
援交とかしてたし・・・」
言う必要ねえ、
そんなこと。
ゾロは思った。
「結構売れっ子だったしさ。
だからまあめずらしい経験したぐらいに思っとけよ。
オレ、部長ともシたことあるし」
ゾロにしても時々スモーカーとサンジが親密すぎるのではないかと思う事はあったが、
まさかそんな事があったとは意外と言うしかなかった。
「止めろ!!!
聞きたくねえ、そんな話は!!」
サンジがどこで誰と何をしようと、
かかわりのないことだ。
なのに、なぜこんなに腹が立つのか分からなかった。
ゾロが怒鳴ると、
一瞬サンジは泣きそうな顔をした。
ゾロはその顔を見ると胸がしめつけられる思いがした。
「へへ・・・、
そうだよな・・・。
どんなにキレイな雪山にきたって、
オレの身体はキレイにはほど遠いもんな・・・」
違う!!
サンジを傷つけるつもりなんかなくて・・・。
ゾロはサンジの身体を強く抱きしめた。
オレは、サンジの身体を見てキレイだと思った。
確かに、抱かれ慣れているのでびっくりはしたが、
嫌どころか・・・。
「・・・こんな身体でも、
暖はとれるだろ・・・」
ゾロはサンジの言葉に耐えられなくなった。
違う!!
違うんだ!!
てめえは汚くなんかねえ!!
オレには分かる。
だから、
言わなくていいんだ、
そんなこたあ。
「止めろ!!」
気づくと、サンジの頬を叩いていた。
サンジは絶望したような顔でゾロを見た。
それから、
いきなりゾロから離れると、
ハダカのままでテントから出ていこうとした。
「バカ、何のマネだ!!!!」
「外へ行く!!!!」
「ふざけるな!!!
死ぬ気か!!!」
サンジは暗い瞳でゾロを見つめて言った。
「死んだっていいんだ!!
オレなんて生きてる意味がねえんだよ!!!
セックスぐれえしか使い道がねえんだからな!!!」
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Delirious Blizzard
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