20110508

独裁者サンジ大統領

 
 ゾロサン


 A5    P28    200円

         
 表紙
 
61巻SBSネタ



冒頭部分

 イーストブルーの海にかこまれた小さな島は、豊かな食材にめぐまれていた。
小国ながら、さまざまな農産物もとれ、何よりも新鮮な海の幸がふんだんにあった。
 かつてバラティエ国は、美食の国として名を馳せていた。
歴代の大統領は、優れた料理人でもあり、かつ優れた戦闘家でもあった。
小国ながらずっと独立を保ち続けていた国は、人格者として世界に知られていたゼフ大統領の死を契機に隣国の侵略をうけ、
数年前に地図上から姿を消した。
 大国カマバッカ王国の領土に組み入れられ、ニューカマーランドの表示があちらこちらに建てられ、
善良な人々は住処を追われ、ニューカマーになってしまう前に逃げ出した。
逃げ遅れたものは、ニューカマーと変し、国王イワンコフの崇拝者となり生まれ変わるしかなかった。
 暗黒の日々が続き、国民は身も心もあきらめかけたが、地獄の中から負けずに立ち上がった男がいた。
一度はカマバッカ王国のニューカマーとして生まれ変わったものの、
正気を取り戻し、国王イワンコフと互角に戦い、バラティエ国の領土を再び取り戻したのだ。
 人々は、まっとうな世の中を喜び、逃げ出した者たちも国に戻って来た。
 国民全てが、新しい大統領は、カマバッカ王国から国を救った、「黒足のサンジ」しかいないと考えた。
復活した国の大統領として、サンジはすべての権限を与えられた。
 人々は勇者サンジに期待し、明るい未来を夢見た。
 しかし、それは間違いだったことに気づき始めた時には、もう手遅れだった。
「政治団体には美女しか入ってはいけない」
「おいしいものは女性しか食べてはいけない」
「映画館のレディースデーは週6回」
などという法律があっという間に制定され、完全なる男性差別社会になっていた。
 文句を言おうものなら捕らえられ投獄されるので、人々は黙ってそれに従うしかなかった。
バラティエ国のよろこびはつかの間であり、独裁者による自由のない国になってしまったのだ。
 男達は何度か反乱を企てたが、カマバッカ王国のイワンコフと戦ったことのあるサンジの相手ではなく、
ひと蹴りでふっとばされ、叩きのめされた。
 あらゆるものが女たちのために作られ、男達は見苦しいという理由だけで家を追い出され、道を歩く時は横によって歩いたり、
ひどいところでは明るいうちに出歩くことは禁止とされた。
 より集まって話をしていいのは女性だけであり、集団で集まるだけで罪になるため、
男達は人目につかない場所を探して、どうすれば独裁者サンジ大統領を失脚させられるかを考えていた。
 反サンジ派のメンバーは次々に捕らえられ、戦いを挑もうとするものはわずかな人数となっていた。

 
(続く)




もちろんここにゾロが来ます。

この話は年齢制限はありません。


表紙はサンジの花デルフィニュームですが、ほぼ内容とは関係ナッシング!!!!





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