first   love

side  ZORO
 
 
 
 

オレはいつものように酒を飲んでた。
キッチンではサンジが熱心に何かやってる。
こいつ、よく働くなあ。
態度は悪いし、性格もわがまま。
だけど、料理にかける情熱はすげえ。
それだけは、認める。

オレはぼんやりとサンジを見ながら、酒を飲んでいた。
その内眠くなってきた。
オレはどこででも眠れる。
 

うとうとしてたら、身体に触れる感触。
誰かいるみてえ。
殺気は感じねえから、危険じゃねえんだ。
ただ、うっとおしい。

「・・・」
オレは目を開けた。
??
サンジがオレの側にいた。
何だ?
何してるんだ、コイツ。

不意にサンジが笑った。
艶やかな笑顔。

「なあ、キモチイイコトしねえ?」
そう言うとオレの身体に乗ってきた。
何だ、コイツ。
どういうつもりだ。

サンジはオレの首筋に口づけた。
コイツにはこういう淫らな仕種がよく似合う。
「それとも、てめえには、出来ねえか」

オレはむかついた。
いい気になりやがって。

オレは身を起こし、サンジを組み敷いた。
サンジは楽しそうにしている。
なめてやがる。
むかつく。
でも、こいつの挑発にのるのか?
クソ、どうすりゃいいんだ。
相手はこいつだし・・・。
だが、このままにはしておけねえ。
おどかしといて、途中で止めてもいいし。

「やる」
オレはサンジのシャツに手をかけた。
かすかに、サンジの身体がこわばる。
てめえが、誘ったんだろうが。
思い知らせてやる。

服を脱がしていくと、サンジのハダカが現れる。
やっぱり細い。
白い。
だが、貧弱でもない。
多分、綺麗な身体、なんだろう。
オレは他を知らねえけど、感じる。

男とやったことないから、どうしていいかよく分からねえけど、感じるところは同じだろ。
サンジの感じる所を探すと、はっきりした反応が返ってくる。
結構、分かりやすいかも。

「あっっ・・・」
サンジが声を上げる。
顔を赤らめ、懸命に耐えてる。
この顔、結構クるかも・・・。
「・・・く・・・」
もっと乱れさせたい。
いつもと違うサンジの姿。

サンジのモノは既に勃ち上がっている。
オレはそれに手を添えた。
「!!!」
同じ身体だ。
弱いところは、分かる。
少し扱いてやると、すぐにサンジはイっちまった。
欲情に潤んだ瞳。
仰け反る白い身体。

やりてえな。
サンジはオレを見た。
臨戦体制になってるオレのモノを見ると怯えたように目を反らした。
「てめえには、出来ねえか?」
つい言っちまう。

「うるせえ、さっさと入れろよ」
サンジはそう言って足を開いた。
俯いた顔に涙が溜まってる。
こいつ・・・。
握りしめた手。
本当にどういうつもりなんだか。
まさか、初めてとかじゃねえよな。
コイツから誘ったんだし、慣れてるみてえだったし。

一瞬、カワイソウって気になった。
でも、ここで止められねえよ。
男は初めてだけど、入れればいいんだ。
後は同じだ。

オレはサンジの中に入ろうとした。
でも、なかなか入らねえ。
じっくり慣らせばよかったか、と思ったが、もう身体は引き返せねえ。
きつい。
夢中で突っ込んで、身体を動かした。

サンジが泣きながら何か言ってた・・・。
でも、それすら快感。
キモチいい。
オレは夢中だった。
快楽を貪り、サンジの中に精を放つ。
気づいた時には、サンジはぐったりとしていた。

やべ・・・。
全然気がつかなかった。
抱き起こしても反応がねえ。
中が切れたのか、血とオレの精液が溢れてる。
オレは混乱した。
サンジをここまでやっちまった自分。
かつてない快感。
オレを誘ったサンジになんの嫌悪感もわかねえ。
それどころか、まだイケそうなんだが・・・。
やべえ。
 
 

オレはぐったりしたサンジに声をかける。
「オイ、大丈夫か?」
反応がねえ。
女にだってこういう事はなかった。
ここまで我を忘れたことは。
「オイ、大丈夫か?」
サンジがゆっくりと目を開けた。
ぼんやりとオレを見てる。
ガキみてえな無垢な顔して。

サンジは身体を起こそうとした。
「・・・っ」
オレは倒れそうになるサンジを支えてやった。
サンジの身体の中から流れ落ちる血と精液。
サンジは茫然としてそれを見ていた。
オレは何と言っていいか分からず黙っていた。
やりすぎたんだろうけど、オレはまだ満足じゃねえし。

「中、洗いてえんだけど」
不意にサンジがそんなことを言って、オレは何だか恥ずかしくなった。

「水とタオル」
サンジの言われるまま、オレはそれらを準備した。
サンジはそれを受け取ると、
「あっち向いてろ」
と言った。
オレは後始末がいるらしい事を初めて知った。
言われたままに背中を向ける。
あんまり見て、またその気になったらやべえし。

イライラする位長い時間待たされた。
オレは別のタオルをとってきて、サンジの身体を拭いてやった。

サンジは大人しくされるままになってる。
女にもここまでやったことねえのに。
どうしたんだ、オレ。
しようがねえよ。
今のコイツを放っとけねえから。
それにこいつに触れるのはキモチいい。
どうかしてる、オレは。
 
 
 
 
 

「もう寝ろよ。オレはここにもう少しいるから」
身繕ろいが終わるとサンジはタバコに火をつけた。
サンジが大丈夫って言うんなら大丈夫なんだろう。
もういつものサンジだ。

オレはその場でごろりと横になった。
なぜだかここを離れがたい。
 
 
 
 

明日の朝になれば、元通りだ。
全部忘れればいい。

目を閉じても蘇るサンジの肢体。
サンジの感触。
サンジの涙。
オレはどうなってしまった。

たった一度の過ち。
それが運命。
 
 
 
 
 
 
 



ユン太さんの14000リク、お初のゾロサン、ゾロ編です。
ゾロは男は初めてで、初めての「愛」。
惚れたね、サンジの秘められた魅力に。

この続きが「月の光」になる感じ。
順番ちがってますが。
 
 
 

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