giocata
(ジョカータ・勝負)
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標的306 眼 ・人気投票カラー扉絵より
耳当てもふもふ話その3
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8年間の眠りから覚めたザンザスはすぐにボンゴレリング争奪を企てた。
しかし、それは沢田綱吉とその守護者達によって阻まれ、
独立暗殺部隊ヴァリアーは、9代目直属の暗殺部隊となり、ボンゴレ本部の監視のもとで活動をすることとなった。
9代目をゴーラモスカに閉じこめそれを動力源として戦わせるという非道な仕打ちに、9代目の守護者たちは激しく反発し、
処罰を加えるべきだと進言した。
しかし、9代目は義理の息子の二度目の反乱を悲しむだけで、
結局は任務以外は自宅で謹慎という寛大な処置をし、ほぼおとがめなしという状態であった。
ボンゴレにとって、ヴァリアーの能力は必要だということもあった。
ザンザスは、本部に顔を出すことはなく、ひきこもったままで、ボス代行として本部に来るのは、忠実な部下のスクアーロだった。
ゆりかご事件はスクアーロがいなければ、あんなに早い時期に起こることはなかったはずだ。
剣帝テュールを倒すほどの力を持った少年は、ザンザスにのみ頭をたれた。
9代目の言葉には、事あるごとに悪口雑言をはくのだが、9代目が黙認しているので、守護者達ももどかしく思いながら、見逃していた。
普通なら「クソジジイ」発言をした瞬間にあの世に送られてもおかしくないのだ。
それなのに、9代目は息子に甘いように、スクアーロにも甘い。
ザンザスへの伝言はまともに伝わらないので、いつもスクアーロに頼んでいる。
ザンザスは謹慎中もひきこもったままで、特に何かをするという気配はなかったが、
ある日、スクアーロは剣帝を名乗るために世界中の剣士と100番勝負をするという誓いをたて、各地に出歩くと言い出した。
名実ともにスクアーロを剣帝にふさわしいと認めさせることは、ヴァリアーにとっても箔がついてよいことだ。
一度決めたら止まらず、まっすぐ突き進んでいくのはスクアーロの悪いところだ。
一人だけで行かせることに不安を感じたザンザスはルッスーリアをつけた。
ルッスーリアは現地のいい男を手に入れることを夢見て承諾し、スクアーロは勝負の記録映像を撮ってほしいらしく、喜んでそれを受け入れた。
剣帝への道の戦いは、任務ではないから、休暇の時しか戦えない。
その上、幹部二人の休みのスケジュールがちょうど合うことは少ないのだが、それでもスクアーロは休暇のたびに少しずつ戦いを重ねていった。

戦いも30戦あたりになったころだ。
ザンザスは、勝負に出かけようとしているスクアーロに出くわした。
「う゛ぉおおおい、ボス、行ってくるぜえ!! 
今日は近くだから日帰りだぁ!!」
スクアーロはザンザスがひそかに気に入っている耳当てをして、手にももふもふしたものをつけ、
ジーンズの上から、股間と尻の部分が開いている皮製のオーバーズボンをはいていた。
「てめえ・・・勝負に行くのに、何でそんな格好してるんだ・・・」
「そいつは荒野で修業してるらしいからなあ!!!
やつが馬で逃げたら、追うぜえ!!
北に行くから動きやすくて暖かい格好にしたんだぜえ!!」
ザンザスの眉間にしわがよった。
気にいらねえ。妙に誘うような格好しやがって!!
オレの前では隊服ばかりのくせしやがって!!!
「あーら、スクちゃん、似合うわよ!! 」
準備ができたのでやってきたルッスーリアは、不機嫌なザンザスをちらりと見た。
いやだ、ボスったら、機嫌悪いわあ。
スクの格好は、結構ボスの好きなパターンだと思うんだけど・・・。
もふもふが似合うし、かわいいと思うんだけど。
いつもと感じが違って新鮮だし。
「本当は隊服で行きたいんだけどよお。私服より強そうじゃねえかあ。
どんななりでも負けねえけどなあ!!」
スクアーロはむっつり押し黙ってしまったザンザスに得意げに剣を見せた。
最初は100番勝負に隊服で行っていたのだが、「仕事でもねえのに、勝手に行ってるんだから、隊服は着るな」とザンザスに言われたのだ。
だから、スクアーロは私服なのだが・・・。
ザンザスとしてはどうにもこうにも気にいらない。
カスザメが勝つのは間違いないので、相手が妙なまねをする暇もねえ。
もしもの場合にそなえてルッスーリアもつけてあるし。
ザンザスはスクアーロの髪をつかむと、ぎゅうっとひっぱった。
「う゛ぉっ、何しやがる、クソボスがぁ!!」
「るせえ!!」
逆らうので、頭を殴ると、スクアーロはさらにでかい声をあげた。
「いたいぞぉ!!!」
「今日中に帰って来なかったら、殺す。
あと、次からは隊服で行け」
「う゛・・・あ・・・?
おお、帰るぜえ。
隊服で行っていいのかあ。そっちが慣れてるから戦いやすいぜえ!!」
スクアーロは頭を押さえながら、返事をした。
「帰ったら、すぐに来い」
「おお、わかったぜえ!!
すぐにカタつけて来るからなあ!!」
スクアーロは足音も荒く飛び出して行った。
「ボス、行ってくるわあ。
わたしも、帰ったらす・ぐ・に」
「来るな」
「冷たいボスも素敵よーーー」
ルッスーリアはくねくねしながら、スクアーロの後を追いかけた。
ボスったら、かわいいわあ。
スクの服が気に入ったから、私服で戦わせるのが悔しくなったんだわ。
男心は繊細よねえ!!
私も今度もふもふ着てみようかしら。
そしたら、ボスは私のト・リ・コ!!

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またしても、もふもふキターーーーー!!!!
今回は手までもふもふ!!!!
しかも私服に剣!!!!!!!
いろいろ萌えポイント多くて大変です。もちろんボスもお気に召しているはず。






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