九代目の息子とその部下と愛人
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ザンスク
十年後
A5コピー本 P16 100円
(SAMPLE・冒頭抜粋)
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ボンゴレ九代目が沢田綱吉に十代目を継がせてから十年がたった。
子どものときにその子を見て、ツナ君のやわらかな炎こそがボンゴレを支えていくものだと信じ、リボーンを家庭教師につけた。
おどおどし責任を持ちたくない子だったが、仲間のために戦い続け、もう立派な十代目になっている。
十代目の守護者たちもそれぞれの地位につき、ボンゴレファミリーを守っている。
ボンゴレの未来は彼らに安心して任せておくとよい。
九代目としての重責から離れ、のんびりと暮らせるようになった。
毎日植物の世話をし、実を慣らして日々を楽しんでいる。
そんなティモッテオはもう八十才になった。
十代目の沢田綱吉は「おじいちゃん」と呼んで、親しくしてくれる。
最近、笹川京子と結婚して子どもも生まれた。
わしも、孫が見たいのう。
わしには時間があんまりない。
老いぼれで結構、どうにかしたいものだ。
息子に嫁が来るまでは死ねん!!
ボンゴレ九代目の城には、沢田綱吉とその守護者、それに九代目の守護者も集まり物々しい雰囲気になっていた。
「九代目、緊急の召集のわけは・・・」
「敵が襲って来たんですね!!」
「わしの個人的用件で申し訳ない」
ティモッテオは深々と頭を下げた。
穏健派で決して無理なことを言わない九代目がこれほどの決意をする事なら、是が非でも力になりたい。
みな緊張し、真剣な顔つきになった。
「生きとるうちに、ザン君の嫁が見たいんじゃ。孫を抱いてみたいんじゃ」
九代目の守護者が気の毒なぐらい青ざめた。
沢田綱吉は心の中で叫び続けた。
無理!!
それ、ぜったい無理だから!!
他の十代目の守護者たちも同じ思いだった。
九代目はやさしく穏やかだが、いざという時には神の采配と言われるほどの決断をする。
すばらしい人格者でもある。
だが、たった一つだけ、読み違いがある。
それがXANXUSのことだ。
「かわいそうな子ども」を犬や猫を拾う調子で養子にし、トマトやピーマンを育てるように大きくしようとした。
二度も九代目に逆らい、その地位まで脅かしたというのに厳罰を与えるわけでもなくそのまま接し続けている。
「あの子はわしのところには来てくれんが、ツナ君が開くパーティーにならたまに出とるだろう。
そこに好みの相手がいたらいいんではないかな」
「あの・・・九代目・・・XANXUSはそんなお膳立てされたようなのは、嫌なんじゃ・・・」
獄寺があわてて言った。
どうみても無理だ。
指輪争奪戦から十年がたち、ツナたちとは多少馴染みが深くなったものの、九代目に近寄ろうとしていないのは明らかだった。
確かもう三十代のはずだ。
そんな企画を秘かにされたというだけで、怒りの対象になるだろう。
普通にしていてもXANXUSは大変目立つので、その気になれば簡単に相手など見繕えるはずだ。
「愛人でもおらんのかの。あの子も三十四になるはずじゃ。この際、認めてもいいと思っておる」
九代目の守護者たちは顔を見合わせた。
XANXUSのすることは九代目の意に沿わず、九代目のすることはXANXUSには無理なことばかりだ。
「人見知りする子じゃ。うまく行くといいんだが」
すでに自分の計画に自信を持ち、やる気まんまんの九代目に意見できる者は誰もいなかった。
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十年後ボス34とスク32の話。