revenge

*2*

side ZORO
 
 
 
 

サンジが不機嫌なのはちょっと気になったが、よくある事だ。
どうでもいいことで、ケンカをしかけてきたり。
とにかくキレやすい。

まあ、あいつは料理にはすげえ力いれてるから、あの鍋の食い物は全部食ってやらねえとな。
でも、さっき、寝ながらあんな調子だと、あいつ自身が誰にでも食われちまいそうだ。
わかってんのかね。
目ェつけられやすいくせに、ふらふらしてる。
毎日、その身体を腕に抱いていても、自分のものになったって気がしねえ。
組み敷いている時だけは、オレのものだと確信する。

厄介なことだ。
オレにとっては。
 
 
 
 
 
 

晩飯の時間。
サンジはかなり機嫌が悪い。
「あら、今日はゾロだけ違うのね」
ナミが目ざとく言う。
「ずりーぞ!!!!ゾロだけそんなに沢山!!!」
ルフィがわめく。

「うるせぇな、こいつのせいで焦がしちまったんだから、こいつが責任持って食うんだ!!!
文句いうなら、この皿とるぞ!!!」
「・・・こっち、食う」
やっとあきらめたルフィの目の前にどんと皿を置く。

そして、いつものように食事がはじまる。

「ねえ、今日はなんでケンカしたの?」
「アァ?」
ナミが聞いてくる。
こいつは魔女みてえなやつだ。
弱味なんてにぎられたら、最悪。
「そのわりには、あんまりバタバタしてなかったわよね」
「別に・・・」

「ね、サンジ君?」
「えっ、あ、そうですね。あー、こいつが全部悪いんです」
オレが受け流してんのに、サンジはべらべら喋りそうな雰囲気だ。
「てめえも悪い」
だろ。
誘うような寝方しやがって。
オレだって、最初からそんなつもりは無かった。

オレは肉を食ってみた。
香料がすげえが、食えなくもない。
サンジは元々腕がいい。
だから、下手な食堂なんかで食うものよりこっちがずっと、旨い。
だから、食事が済んだあと言ってやった。
「ルフィにゃ内緒だが、結構うまかったぜ」
サンジはものすごく、変なツラをした。
??
何だってんだ。
 
 
 
 
 
 

食い過ぎか・・・
メシの後、何だかムカムカする。
結構量あったが、みんな食っちまったし。

ルフィにやってもよかったんだが。
ああいうことをしてた時に焦げた肉だから、オレが食わなくちゃならねえと思った。
サンジもそう思ったんじゃねえのか。
だから、全部オレによこした。

オレはふらふら歩いてたが、マジで気分が悪くなってきた。
ひと休みしたら、サンジのとこでも行くか。

だが、なかなか気分はすっきりしねえ。

「おい・・・」
近くでサンジの声がした。
だが、返事する気分じゃねえ。

「おい・・・大丈夫か」
また、声がする。
・・・サンジだ。
アッタマいてえ・・・

オレは顔を上げて、サンジを見た。
サンジは驚いたような、怯えたような顔をした。

知りてえことがある。
オレはなんとか立ち上がる。
ちょっと三半規管がイカれてる感じ。

オレが一歩前へ出ると、サンジが後ずさる。
逃げるなよ・・・
なんで警戒してんだよ。
なんで怯えてんだよ。

知りてえんだ、オレは。
てめえの口から。

抱いている時はオレのもんだ。
それは、肌で感じる確信。
けど、それ以外はどう思ってる?

「てめえは、オレだけのもんだろ」

「はいっ!!!」
サンジはガキみたいな返事をした。
そうか。
へへ・・・

「や・・・っぱりな・・・」
コレは本物のサンジなんかな。

可愛いな・・・
こいつ、可愛い・・・
やっぱりオレのもんだった・・・

「ゾロ!!!しっかりしろ!!!」
サンジの声が遠くでしている。
そこから、どうやって部屋に帰ったかは覚えちゃいねえ。
 
 
 
 
 

結局オレは食中毒みたいなもんだったらしい。
一日ぐらい寝てたらしい。

サンジが粥をもってきた。
ちょっと、哀れなくらい元気がねえ。

クソ、もっと鍛えて、食中毒になんてならねえ身体になるから、待っててくれ、サンジ。
「はは、オレとしたことが、てめえのメシにあたるなんて、剣士失格だな」
もう、食えるし・・・

半分くらい食ったところで、返事もしねえサンジを見ると、頬を涙が伝っていた。
「おい、てめ・・・泣いてんのか?」

オレはちょっと動転した。
どうすりゃいいんだ。
こいつが泣くなんて。

「泣いてなんか、いねえ」
オレはサンジの身体を引き寄せる。
何で泣くんだよ。
オレは文句なんてねえよ。
たとえ、どうなったって、後悔なんかしねえ。

「なあ、オレ、てめえのメシだったら、毒入りでも食ってやるよ。
オレ、ぶっ倒れる前にずっと聞きたかったことが、聞けたから、良かったと思ってる。」
オレの腕の中で大人しく抱かれてるサンジ。
今なら、言葉で会話することもできる。

「聞きたいことって・・・?」
「サンジ。てめえ、はい、っていったろ」
サンジは涙で濡れた目でオレを見た。

「すげえ、嬉しかった。てめえ、可愛かったし・・・
だから、オレも言ってやる。
いっぺんしか、言わねえからな。」

オレはサンジの耳元で言った。
「オレもてめえだけのもんだ」
すげえ、緊張した。
心を伝えるのは・・・恥ずかしいというか・・・
でも、言わずにいられなかった。

こいつが大事だから。
オレが守ってやる。
そのために、オレはもっともっと強くなる。

サンジは耳まで真っ赤になった。
オレもなんかほてってる。

アホみてえ。
だけど、オレはこいつを離さねえ。

今は悪口も言い合いもいらねえ。

こいつのためなら、オレは何をしてもいい。
夢のことなんて、後で考えればいい。
今はサンジのことだけしか考えられねえ。
 
 
 
 
 



 

終わりです。
皆様、このゾロどうですか???
あっ、焼鬼切りはよしてくれっっっ
あほですな。それも、かなりの(確信)
そして、恥ずかしいほどのバカップルがここにまた誕生いたしました・・・
パチパチ。
 
 
 
 

アホはいやじゃあ!!!             立派なアホやった・・・