鮫肌
R18
ザンスク
ヴィンディチェとの戦いの後
スクの肌が鮫肌に違いないとという話
A5コピー本 P16 (本文P12) 100円
(SAMPLE・冒頭抜粋)
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アルコバレーノの代理戦争も終わり、独立暗殺部隊ヴァリアーのボスXANXUSは日本の病院に入院していた。
心臓を奪われたスクアーロはマーモンの幻術で失った内臓を補い、適合者を見つけ次第手術をすることになった。
XANXUSも重症を負い、手も斬られたが、スクアーロよりかなり早く回復し、入院中は病院でもいつものようにわがまま三昧だった。
マーモンの幻術でなんとか元気なスクアーロをやたらとこき使い、どうでもいい用事ばかり言いつけた。
ベッドの側には常にルッスーリアがいて、かいがいしく世話をやいてくれたが、なんだか気に入らなかった。
XANXUS自身も怪我人であるので無理は禁止で、スクアーロはそれ以上に絶対に無理をしてはいけない状態であり続けた。
「ボス、ボクの幻術にも限界があるからね。
スクアーロはゆっくり動くぐらいなら大丈夫だけど、激しい運動は厳禁だから。
さわるのは表面だけにしないと百パーセント死ぬよ」
「ししし。殺したいなら、それ以上のことをすればいいってことじゃん」
ベッドのそばで、リンゴをうさぎの形に切ったルッスーリアが、顔色を変えた。
「ベル、余計なこと言わないで!!
マーモンちゃん、もっと元気にできないの?」
マーモンは腕組みをしたまま宙を漂った。
「無理だね。今、生きているのだって奇跡に近いんだ。
Sランクの何倍も報酬をもらって当然だけど、もっとお金をもらっても今以上によくすることはできないね」
XANXUSは無言のままだったが、それがどういうことなのかははっきりしていた。
もっと金儲けできるのにマーモンがそれをしないことなどありえない。つまり今の状態が最高レベルだということなのだ。
「・ぉおおおおおおおおい!!
ボス、ガリガリ君コーラ味だぞぉ!!」
騒々しくドアが開かれ、話題の中心だったスクアーロが叫びながら戻ってきた。
XANXUSの特別病室に声がこだまし、ベルは思わず耳を押さえた。
XANXUSはちらりとスクアーロを見た。
息を切らし、髪の毛は乱れて顔は隠れており、ジャッポーネのお化けのようになっている。
「やっぱりソーダ味が食いたい」
「何ぃいいいい!! さっき買ってきただろうがぁ!!」
「さっきのは溶けた」
XANXUSはそっぽを向き、窓の外を眺めた。
「ゔぉおおおおおい!!」
スクアーロが怒鳴り、病室の窓ガラスがびりびり震えた。
「ソーダ味を買ってこい。ふん、それくらいのこともできねえのか」
XANXUSが意地悪く笑い、スクアーロは髪の毛を逆立てた。
「それぐらいできるぜぇ!! すぐ買ってくるぞぉ!!」
ベルは肩をすくめた。
スクアーロはバカだから、何回同じことを繰り返してもいっこうに学習しない。
ルッスーリアはため息をついた。
ボスはスクに何もできないから、ひたすらこき使ってる。好きな子はいびる派だから、しょうがないわねえ。私としたら、この場でいろいろしてくれてもいいんだけど、スクの命がないのでさすがにボスも控えてるし。
ボスはうまく加減なんかできないし、スクも同じ。
ただのいびりですめばいいけど。
ボスの退院まではあと少し。
せっかくのベストポジションを譲る気はないわ。
スクに手を出せないボスがちょっと私とアバンチュールを楽しみたいと考えるかもしれないし。
看病は愛が芽生える基本よーーーー!!
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