ラブラブルサン

鳥羽カノン様

 


 
 
 

坂道を下った先には答えがある
 
 
 
 
 
 
 


 

ルサンパラレル青春白書
 
 
 
 
 
 

「サンジーーーー!!!!
バイク買ったぞ!!!!」

声と同時に、
ものすごい勢いで近づいてくる見なれた姿に、
サンジはため息をついた。
いつでもマイペースで、こっちの都合なんて考えもしない。

となりの家のガキで名はルフィ。
とはいえ、2才年下なだけで、
もう高校生なのだが、
とてもそうは見えない。

幼い頃から、エースとルフィの兄弟は、
何かというとサンジの家にやってきた。

サンジもルフィも母親の顔を知らない。
祖父のゼフに育てられたサンジと、
ほとんど不在の父親、シャンクスに育てられたエースとルフィ。
ゼフはルフィたちを不憫に思っていたのか、
いつも夕食はサンジの家でとっていた。

豪華なレストランの料理長のゼフもまたいそがしく、
いつの間にか、
サンジの作った料理をエースやルフィが食べるということが多くなっていった。
ゼフに負担をかけたくないという、
サンジなりの意地もあったし、
もともと料理の好きなサンジとしては苦にならなかった。
 
 
 
 

「オレのおヨメさんは、サンジにする!!!!!」
幼稚園の頃、
ルフィはそう言いまわっていたものだ。
まわりの大人たちは、
くすくす笑いながら、
サンジ君ならいいおヨメさんになるわよ、
などとのたまった。
言い出したら後にひかないルフィに、
まわりのものは調子を合わせていた。

子どものたわごとだ。
放っておけば、そのうち忘れる。
サンジは男だから、おヨメさんにはなれないし。
 
 
 
 
 

サンジはその頃のことをよく覚えていない。
自分はルフィより大人だから、
適当にあしらっていたに違いない。
いつもガキのころからまとわりつく、
弟みたいなルフィ。

いつも仲がいいのね、
本当の弟みたい。
サンジはそう言われるのは嫌ではなかったけれど、
そう言われるとルフィはものすごく怒った。
サンジはいつもそれをなだめながら、
心の中では、
だけどよ、弟みてえなもんだろ、
と思っていた。

背だって、ルフィが低いし、
しゃべっていることと言えば、
食い物の話ばかりで、
さっぱり女の子にも興味を示さない。
てんでガキだよな。
レディの素晴らしさが分からねえなんて。
 
 
 
 

「ししししし、
カッコいいだろ、これ!!!!」
満面の笑顔でいうルフィに、
いつもサンジは負けてしまう。
どうもこの笑顔には弱い。
つい、甘くなってしまうのだ。

「まあまあだ」
サンジの言葉にルフィは目を輝かせた。

「じゃ、サンジ、後ろ乗れ」
早速かよ・・・。
そう思いながらも、
サンジは後部座席に腰をおろした。

「あれ、てめえ、バイク乗れる年だったか?」
「16になった」
ルフィは答えると、
アクセルを踏んだ。
 
 
 

16才。
この日になるまで、自分がどれだけ待ったか、
サンジは知っているのだろうか?

サンジ、言ったよな。
大人になったら、ルフィのおヨメさんになってやるって。
三輪車じゃなくって、
バイクに乗れないと大人じゃないって。
バイクの後部座席には、
彼女しか乗っけちゃいけないんだって。

5月5日。
今日、オレは16才になった。
サンジは2つ年上だから、18才。
オレがいくら追いかけても、
サンジはどんどん逃げていく。

大人なふりをして。
利口なふりをして。

タバコなんか吸って大人ぶってる。
でも、笑った顔とか、
ガキの時のまんまだ。
オレの大好きなサンジの笑顔。
おんなじなんだ。
ずっとずっと変わらない。
 
 
 
 

走りつづけて、
よく知った丘の上まで来た。
子どものころは、
すごく広く見えた丘も、
バイクで走るとあっという間だ。
ルフィは風を感じながら走った。
眼下にはなじみのある街が一望できた。

うおっ、いい眺めだ!!!
さわやかな5月の風が、二人の間に吹いていく。
二人は小さく見える家々を見下ろした。

ところどころで光る屋根。
ひるがえるこいのぼり。
行き来する車の動き。

「おい、あれ見ろよ。
あそこウソップんちじゃねえの。
特徴的な屋根の形してるもんなあ」
サンジが楽しそうに見覚えのある屋根を指さした。
これも幼馴染みのウソップの住む家を発見したのだ。

楽しそうなサンジの姿。
ルフィはそれを見るといい気分になった。

いい気持ちだな。
天気はぽかぽかで、
風は気持ちよくて、
それでもって後ろにはサンジ。
 
 
 
 
 

ルフィは長い坂道を一気に下った。
迷うことなどない。
坂道を下った先に答えはある。
これからも、真直ぐに進んでいく。
ずっと後部座席にはサンジを乗せて。



 
 
 
 
 
 
 

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鳥羽カノンさんの「ice  cube」10010hitでリクさせてもらったルサンイラストです。
ずばり「ラブラブルサン」!!!
かわいいです。
かわいいです。
ありがとうございました。
 
 

2003年5月5日ルフィバースディ記念および、
ルサン大ブレイク祈願をこめて(最近そればっかり・・・)、
イメージ文まで捏造。
「坂道を下った先に答えはある」
いや、なんとなくこんな題だし、
本当に、これでラブラブなのか・・・??
どうも、私の場合、ルサンは日本語系のタイトルが多いような。