美しすぎる暗殺者 


標的296より 


ディノスク?
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ボンゴレ十代目は日本人なので、継承式は日本で行われることとなった。
継承式は、ボンゴレ所有の城にて執り行われることとなり、招待された客は数百人にもなった。
直系のマフィアはもちろんのこと、同盟ファミリーの関係者たちも招待されていた。
ファミリーのみで来日している者もいたが、妻や恋人を伴っている者もかなりいた。
妻や恋人たちは、異国の地、日本観光も兼ねてちょっとしたパカンス気分だった。
見た事もない、有名なマフィアのボスたちの姿を見る事もでき、あわよくば、もっと力を持ったいい男に乗り換えるのも悪くない。
たいていは、身体がごつく強面でいかにもマフィアという雰囲気を漂わせていて、声をかける気にもならないのだが、
中には、とてつもなくいい男も混じっていた。
「よっ、ちょっと失礼」
冴えない男たちの間から、華やかな雰囲気の金髪の男が現われた。
「あれが、キャバッローネのボス・・・」
「やっぱりステキ♡」
女たちは、ディーノの動きを目で追った。
華やかで明るく優しく人当たりのいいディーノはどこのパーティーでも注目の的だった。
「元気か、弟分!!」
どうみても子どもっぽい十代目は女達の圏外で、まったく食指が動かない。
守護者たちも、まだまだ子どもで、青田買いにしても早すぎる。
やはり、適当なのは、あのくらいの男だわ。
「ボンゴレ十代目とも親しそうだし、ぜひお近づきになりたいわ」
「あんな彼氏がいたら、鼻が高いわね」
十代目に楽しそうに話かける姿を見て、女達はざわめいた。
どうにかして話しかけて、顔を覚えてもらいたい。
話しかけるチャンスはないかしら。美男子登場にその場は色めきたった。
ディーノがツナと話していると、男たちがざわめいた。
「ゔぉおおい、久しぶりでもねぇかあ!! カス共ォ!!」
黒いスーツを着たヴァリアーがそこにいた。
「でたー!!」
「ボンゴレの超精鋭ヴァリアー!!」
「なんつう殺気だっ」
「足がすくむ!!」
ヴァリアーを知る者は、口々に叫んだ。
ヴァリアーが動いて成功しないミッションはない。
ボンゴレ最強の暗殺集団なのだ。
味方にすれば心強いが、敵にまわすとこれほど恐ろしいものはない。
公の舞台にはめったにあらわれない集団として有名であり、めったに出くわす機会はない。
知る人ぞ知る恐怖と畏敬の対象であった。
ヴァリアーを良く知る者は、ボスがいないことに気づいたが、今日はじめて幻の暗殺集団ヴァリアーを見るものもかなりいた。
「・・・すごい迫力だが・・・、えらい美人じゃねえか・・・」
「・・・あれで、暗殺者なのか・・・?」
「なんつう色気だっ!!」
男達の目は、真ん中にいる長い銀髪にくぎづけになっていた。
ちょっと目つきが悪く乱暴そうだが、とても暗殺者には見えない。
「なっ・・・何よ・・・ちょっと銀色の髪がきれいなだけじゃない」
「ちょっと顔がきれいなだけよ!! たいしたことはないわ」
女達は、むっとした。
ディーノとスクアーロは、十代目の側に近寄ると、十代目をはさんでぴったりくっつくいてひそひそ話をしていた。
「何よ・・・くっつきすぎじゃないの!!」
離れた後は、去るスクアーロにディーノが声をかけて、近づいていく。
「スクアーロ、あれ、どう思う?」
「何か、おかしいぞぉ」
「そうだね。何か事情があるみたいだね」
マーモンも加わって話しているのだが、遠目には、スクアーロとディーノが二人で話をしているようにしか見えなかった。
「ちょっと・・・キャバッローネのボスと話がしたいのに、何で、あの目立つ銀髪と馴れ馴れしく話しているわけ?」
ヴァリアーは、会場全体が見渡せる目立たない壁際に下がっていった。
警備のために来ているのだから、当然の行動だった。
しかし、ディーノはずっとスクアーロと話し続け、その場を離れようとしない。
「跳ね馬ぁ、女たちがこっちをじろじろ見てるぜえ。お前、あっちに行ったほうがいいぞぉ」
気配に気づいたスクアーロが言うのだが、ディーノはにこにこして動こうとはしない。
「彼女たちの相手は後でするから、いいんだよ。
それよリ、スクアーロ、ここの近くに、マグロのすげえうまい店見つけたんだけど」
「おお、本当かぁ?どこだぁ?」
「今度一緒に行かないか?」
スクアーロが反応し、ディーノは満面の笑みを浮かべた。
「ししし。もちろん王子も行くよ」
「ボクは、タコも食べたいね。ボスへの口止め料ももらわないとね」
スクアーロの返事より早く、ベルとマーモンが話に入ってきた。
「いーぜ。スクアーロ、大勢で行くのもいいかもな」
ディーノは微妙な笑顔を浮かべた。
「おほほほほ。いい男も、よろしくね」
ルッスーリアは、くねくねした。
跳ね馬の狙いがスクちゃんなのは、バレバレなんだけど、肝心の本人が気づいていない。
そのくせ、ガードも緩いのよね。
イタリアにいるボスの気持ちも分かるから、私がちゃんとスクちゃんのこと見張っててあげるわ。
ルッスーリアは、やきもきしている女達を見て勝ち誇った笑みを浮かべた。
バカね。
あんな空っぽの頭の女たちにキャバッローネのボスがなびくはすはないわ。
暗殺者だって美しくないとね。
スクのように。
そして、私のように。
まったく、美しすぎるって罪だわあ!! 
美しすぎる暗殺者、それは、わ・た・し♡
ルッスーリアはいつまでも両手を握りしめ陶酔し続けた。



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タイトルは、話題になっていたロシアのスパイから。
継承式の時、スクとディーノがずっと一緒にいましたね。
ヴァリアーが固まっているのは分かるのですが、その中にディーノが混ざっているという。
・・・そばに居たいんですね。
指輪戦から少ししか経っていないのはずなのに、スクは恐ろしくエロくなっています。
しかもなんだか可愛い!!!
やはり十年後の記憶と、何か+αがあったと思われます。
最後の締めはルッス姐さんで!!!
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