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携帯のうつりが悪くてすいません。
R18
ザンスク
A5コピー本 P16 100円
(SAMPLE・途中抜粋)
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嫌な夢を見たXANXUSは、無意識にベッドの横に手を伸ばした。
いつもなら、手を伸ばすとまとわりつく銀の髪がそこにはなかった。
・・・あのドカスが!!
なんで居やがらねえ!!
XANXUSは少し考えてから、昨夜、ベルとフランから援軍の要請が来て、
別の任務から帰還途中だったスクアーロが、急遽そちらに向かったことを思い出した。
どいつもこいつも相変わらず役立たずだった。帰ってきら、カッ消してやる。
むかつきながら、やっと身体を起こし、隊服を身につけると執務室に向かった。
XANXUSが執務室に向かうまでの間には誰もおらず、自由に出入りできる幹部はみな出払っているようだった。
今日は、ヴァリアーには「外部」の者を入れてはいけない日だ。
敵はもちろんのこと、十代目や、その守護者たちは立ち入り禁止だった。
そして、この日、特に絶対に侵入を許してはならないのは、暗殺部隊の最高指令権をもつボンゴレ九代目だった。
XANXUSはほとんどヴァリアーのアジトから出ることはなく、直接会うことのできる者は限られていた。
平隊員がこのエリアにあらわれるのは余程の場合だけだ。
「XANXUS様、九代目からの贈り物が届けられておりますが・・・」
見慣れぬ新米が転げるように走りこんで来た。
「つき返せ。それかカッ消せ!!」
「えっ? ・・・はっ!!」
新米隊員は、今日はヴァリアーのアジト中が妙にぴりぴりした雰囲気になっていることに怯えながら、その場から走り去った。
今日は十月十日だ。
XANXUS様の誕生日だ。
なごやかなはずの誕生日が緊張感に満ちたものになっているのは何故なのか。
平隊員は汗を流しながら、その場から走り去り、「立ち入り禁止」と書かれている部屋にそっと足を踏み入れた。
「申し訳ありません。レヴィ様、ルッスーリア様、どうすればいいでしょうか?」
「んもう、平隊員は入っちゃだめって言ってあったのに!!」
「うぬう、貴様、なぜこの秘密祝賀会場に現われたのだ!!」
派手な飾り付けを手にしたルッスーリアと、手書きの「ボス万歳」という看板を手にしたレヴィが同時に振り返って睨んだ。
平隊員は青ざめながらあとずさった。
「XANXUS様が九代目からの贈り物を突き返すか、カッ消せと・・・」
ルッスーリアはため息をついた。
「その・・・執務室エリアには幹部の方は誰もおらず、XANXUS様お一人で・・・」
平隊員はおそるおそる続けた。
「何ですって!! スクアーロはどこなの?」
「はっ、作戦隊長は昨夜、ベル様、フラン様からの要請で、北海付近に向かわれたまま連絡がつきません」
ルッスーリアは青ざめた。
今年は、ボスとスクアーロをずうっと二人きりにしてあげて、ラストにちょっとしたサプライズパーティーをする計画だったはずだ。
それなのに、ボスがひとりぼっちですって?
夕べからひとりぼっちだったなんて!!
もう、ベルもフランもだめじゃない!!
ボスの御機嫌は今は最悪のはずよ。スクアーロがいないから!!
「レヴィ、あなた、ちょっとボスの様子を見てきてくれるかしら」
ルッスーリアは自分一人で飾り付けをやりとげる決意をしてからレヴィに声をかけた。
時間稼ぎをするために犠牲者が出るのはやむをえない。
「ぬう。ボスの様子だな!! 任せておけ」
レヴィは意気揚々と執務室に向かった。
5分後に、執務室のあたりから憤怒の炎がたちあがり、焦げたレヴィが搬出されていった。
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ヴァリアーのボス誕生日の様子です。