バラティエの嵐


また嵐の夜がやってきた。
コックどもは形相を変えて走りまわっている。
「オーナー、こんな所にいらしたんで」
「波がきますよ」
うるさいコックどもだ。
「やかましい。パティ、カルネ、向こうへいきやがれ!」
「へいっっっ」
嵐の夜はいろいろな事を思い出す。
だがみな過ぎた事だ。色々なことがあった。

・・・・
あのチビナスは元気だろうか。
甘やかしてしまったせいで、一人立ち出来るか不安が残る。
バカだからすぐにトラブルを起こすし。
だがあの麦わらの男がいる。
あの麦わらは強い。
強い心を持っている。

オールブルー。
それは世界のどこかにある。

わしはもう年老いた。
だが、サンジが見つける。
夢なんざ、人に託すものではない。
己で、まっとうすれば良い事だ。
人になど、期待をするものではない。

なのに、この年が来て、こんな夢をみるとはな。
サンジ、オールブルーに行け。